ルパン3号さんのレビュー一覧
レビュアー
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主人公は2人それとも1人
本物語は、竹内ユキと月島冴子の2人が主人公である。
竹内ユキは資産と社会的地位を月島冴子は自由と年齢(見た目という意味ではなく、文字通りの実年齢)相手から奪うために罪を重ねていく。そして、2人の主人公に共通しているのが、「元の自分には戻りたくない」というところである。
作者はかつて「婚渇女子」という、20代にちやほやされていたのが、30歳になったらとたんに相手にされなくなった女性をテーマにした作品をかいていたが、今回の物語も20代で社会的に成功するために努力してきた女性が、30代になったら社会的には成功したが自分と釣り合う男性を結婚できなくなってしまったことの後悔を描いているように思える。...続きを読む -
6巻のテーマは「姉妹」かな
朝食会の連載で作者は家族をテーマにしていると思われるが、今回のテーマは「姉妹」だと思う。
兄弟や姉妹は他人とは違い、成人前は関係がうまくいかないからといって距離をとるということができない関係にある。そのため、関係がうまくいかないときは親がなんとかとりもってやる必要があるのだが、親にも問題がある場合は姉妹が不幸になることは容易に想像できる。
自分にとって6巻の見どころは、登場する姉妹がどうして不幸になった理由が徐々に明らかになるところである。
朝食会のような復讐ものは結末がだいたい予想どおりになるためマンネリ化しやすいのだが、登場人物がどうしてこのようなことになった経緯については物語を読み進めな...続きを読む -
復讐の終結から復讐の連鎖へ
本巻では、穏便な形で復讐を終わらせるところから始まる。あるものは許すことにより終わらせ、またあるものは一からやり直す機会与えることで復讐を終わらせた。運が良かったのもあるが、バッドエンドは回避されたといえる。
ところが、中盤から終盤にかけては展開ががらりと変わり、どちらかが全滅するまで終了しないような激しいものに変わっていく。
このような厳しい状況を主人公がどのようにくぐり抜けていくのかというのが次の巻の見所となりそうな期待を抱かせて、本巻は終了となる。
おそらく意図しているのだろうが、次の単行本を買ってもらうために、次の展開が気になるような状況で巻を区切るような構成になっている。
そのせいで...続きを読む -
第4巻のテーマは相続
朝食会は家族をテーマにしている作品だと思っているので、今回のテーマは相続だと思う。
相続は家族で協力してつくりだした資産(ここでは負の資産や感情のような無形のものを含む)特定の人に引き継がせるものであるが、その資産が膨大で良質なものであれば、それを奪おうとするものと守ろうとするものの欲望は深くなり、関係者の数は増えていく。
その強烈な欲望が網の目のように絡む様を作者は見事に表現している。
また、4巻は3巻までとは異なり、様々な登場人物が異なった思惑で動く展開になったため結末が読みにくくなってきている。そのため、予定調和のない面白いストーリーになった。
次回作も期待できそう。
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様々な形の家族が描く愛憎劇
本作で3巻目であるが、ほとんどの登場人物が家族としての関係を持っている。(敵対する犯罪組織ですら疑似家族)
これは、作者が家族をテーマにしているものと思われる。そのため、復讐物としては珍しく、家族間や家族内の愛憎劇が中心として描かれている。
本巻で特に目を引いたのが「結婚」で、母親は「結婚は家同士を結びつけるもので、当人だけの問題ではない」と考えているのに対して、娘は「自分とパートナーだけの問題」で考えているところである。このすれ違いが悲劇を生むのだと思われるが、続きは4巻でいうことなのだろう。
そういえば、最近、某ロイヤルファミリーでも同じようなトラブルがあったがネタ元はもしかして・・・
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復讐物としては斬新です
本作は復讐代行を描いている作品だが、斬新な視点で作品を描いている。
復讐代行を描くのであれば、依頼者、復讐代行者、標的の3者と復讐代行を依頼する経緯を物語の中心に据える必要があるが、本作品では依頼者の描写が薄くなっている。そのため、依頼者に感情移入できない分、復讐代行者と標的に対してより強く感情移入し易い構成となっている。
従来の復讐代行作品が第3者視点なら、本作品は主観視点と言っていいと思う。
また、本作品は共通のテーマを家族としているように思う。依頼者、復讐代行者、標的の3者と依頼の経緯のほとんどが家族と何らかの関係があり、作者から家族をテーマに物語を描きたいいう強い意思を感じる。これから...続きを読む -
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