あらすじ
雨のそぼ降る森、嵐の去ったあとの海辺、晴れた夜の岬。そこは鳥や虫や植物が歓喜の声をあげ、生命なきものさえ生を祝福し、子どもたちへの大切な贈り物を用意して待っている場所……。未知なる神秘に目をみはる感性を取り戻し、発見の喜びに浸ろう。環境保護に先鞭をつけた女性生物学者が遺した世界的ベストセラー。川内倫子の美しい写真と新たに寄稿された豪華な解説エッセイとともに贈る。(解説・福岡伸一、若松英輔、大隅典子、角野栄子)
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Posted by ブクログ
目次
・センス・オブ・ワンダー
・福岡伸一 きみに教えてくれたこと
・若松英輔 詩人科学者の遺言
・大隅典子 私たちの脳はアナログな刺激を求めている
・角野栄子 見えない世界からの贈りもの
何年も前からずっと、読もう読もうと思っていたこの本を、ようやく読むことができました。
遅かりし…という気がしないでもないけれど。
センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目をみはる感性
子どもたちが小さいうちに読んでいたら…と思わざるを得ません。
私自身の子ども時代は、自然の中でのびのび遊ぶのではなく、知能・知識を重視した習い事や塾に通わせるのが、子どものためになると信じられていたので、自然の中で遊んだことはあまりなく、私の知識で子どもたちに教えられる自然、というものはほぼ皆無です。
でも、教えるのではなく、子どもの感性に寄り添うことが大事とこの本に書かれているのを読んで、ああ、もっと寄り添ってやればよかったなあ、と。
「海の波って夜も休まないんだね」と驚いたように言った長男。
「お月さまが赤っぽいときや白っぽいときがあるのはなぜ?」と聞きつつも、自分でも仮説を立てていた娘。
「雨上がりが一番甘い匂いがするね」と桜並木を歩きながら言った次男。
それぞれに、自分のまわりの世界の不思議を私にも教えてくれたのに。
上手くセンス・オブ・ワンダーを育ててあげられなかったと思うのです。
これらの経験を、本人たちはもう忘れてしまったと思うけど、心の片隅にでもその頃の気持ちが残っていてくれればいいなあ、と思いました。
そして、子どもの成長に関わる本は、読むべきタイミングを間違えてはいけないな、と。
Posted by ブクログ
★
知るよりも前に感じることが大切。
五感に触れる体験、自然を感じることが人や人生を豊かにすると私も子どもの頃の体験から実感している。
現在は自然破壊や科学の進歩で子どもたちの生活が変わってきているように思うが、その中で育ち、大人になると実際のところ、自然を、『センス・オブ・ワンダー』をどう捉えるのだろう。
しかし、今の子どもも小さなアリに心をうばわれ興味深げに目で追い、アスファルトの隙間に生えるたんぽぽをとって大事そうに持ち歩いている。やはり、
人は本来、そういう感性をもっているものなのだろう。
少なくなっている自然環境を昔と比べて嘆いている場合ではない。子どもは今もちゃんと自然や自然の不思議さに目を、心を向けている。
これから先に生きる子どもたちにも、この何にも変え難い素晴らしいギフトを届けられるように、自然を大事にしたり、子どもの〝不思議〟にじっくりと寄り添っていける大人でありたいと思った。
特に角野栄子さんの解説が心に残りました。