あらすじ
地球の滅亡、感染症、種の絶滅、大量消費……
《 解決の鍵はいつだって未来にある! 》
身に覚えのないことで突然、収容所に監禁された英語教師のスンギュン。16名もの教え子が殺人者になっているという。
そして、その原因が自分の“ 声” にあるというのだが……(「声をあげます」)
『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』の人気作家が放つ初めてのSF短編集。
文明社会の行きづまりを軽やかに描き出し、今を生きる女性たちにエールを贈る、シリアスでポップな8つの物語。
二十三世紀の人たちを怒らせるのではないかと思うと私は恐ろしい。
この正常ではない、腹立たしい豊かさは最悪の結果に終わってしまうだろうと思う。
未来の人々に軽蔑されずにすむ方向へ軌道修正できたらいいのに。(「あとがき」より)
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Posted by ブクログ
初めての韓国の小説。翻訳だからなのか、文化なのか、独特の文章だったけど、読みやすかった。アメリカ人作家の小説を読んだ時のことを思いだした。「国民の恋人」という表現は韓国らしいと思った。
十一分の一
退廃的で耽美的。生き返った恋人を束の間あたたかい時間が流れ(回想の中では恋人になったという確たるシーンがあるわけではなく、雰囲気と様子からそれを感じ取り、再開の時に思いがちゃんと通じ合っていた、となったのがまた良い)、すぐあとに地球はほろびてしまう寸前の状態であることが読者に明かされ、ゾッとさせられる。そこが怖くもあり耽美的なところなのかも。
ミミズの話の「リセット」は想像すると気持ち悪いけど、映画のようなスケールの大きい話が読み応えあった。
メダリストのゾンビ時代恋人は結局ゾンビになってしまったけれど最後に主人公は助かる予感を残し、物語は終わる。あるワンシーンを切り取った印象深い終わり方だった。冬眠とか、ありそうだし、好きな人から倒していく、でもあの人は最後に取っておいたというのもありそう。
SFジャンルは多分ほぼ初めて読むけど、宇宙、科学、の印象があったがありえないけどあるかもしれない一つの世界という感じで想像できてしまうし近くにこんなこと起こるかもって思えた。
表題の声をあげます。は理不尽な場面設定なのに、ずっと優しい世界だった。