あらすじ
◎北の達人コーポレーション(東証一部上場)社長の処女作。編集処女作担当26作目。
◎北の達人は株価上昇率日本一(17年上昇率1164%:125円→1455円)。社長在任期間中の株価上昇率ランキング日本一(113.7倍、在任期間8.4年)。著者は神戸生まれだが、北海道に渡り一代で「市場が評価した経営者ランキング」第1位(東洋経済オンライン)、史上初の4年連続上場。日本国政府より紺綬褒章4回受章。
◎本書の読みどころは、無一文から売上100億・利益29億円を達成した源泉、会社の弱点が一発でわかる「5段階利益管理」(1.売上総利益〈粗利〉、2.純粗利、3.販売利益、4.ABC利益、5.商品ごと営業利益に分けて管理)と、一度つかんだ顧客を離さない「商品&人材戦略」。5段階利益管理の考え方はeコマース企業だけでなく、全業種で使える(著者が買収したエフエムラジオでの実践例も紹介)。
◎これまでは、売上が上がれば利益が上がるが常識だったが、著者は「変化の激しい現代では、先行投資期に売上が上がっても、回収期には市場が変わって利益が回収できない。今の時代は、利益は後からついてくる前提で売上と利益を別々で考えるのではなく、売上と利益をセットで管理する経営方式に変えるべき。また、売上10倍はリスク10倍。売上アップはトラブルやアクシデントも激増するので、むやみに売上アップを目指してはならない。今こそ売上OSから利益OSにして売上最小化、利益最大化を目指すべきだ」と断言する。
◎北の達人では、びっくりするほどよい商品ができたときしか発売しない。750の評価項目の検査を行い、全社員でこれはいいと実感したものしか発売しない。リピート率が7割の源泉はブームを追わずロングセラーを追求する姿勢だ。ツイッターフォロワー数2万人。
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Posted by ブクログ
「売上最小化、利益最大化」というタイトルが目をひきます。
投資するときの対象企業をみるときに、私は売上と利益の伸びが並行して上がっているかを見ています。
売り上げが伸びていないのに、利益が伸びていると、特別な値上げなどで上げて、今後成長が続かないリスクがあります。
逆のケースは、固定費や変動費が上がってしまい、今後売り上げを上げても利益が取りづらい体質になってしまっている可能性があるからです。
本書でのべられている北の達人が大事にしている考えかたは、「利益が一番大事」ということです。
売り上げが上がっても、利益が下がると意味がありません。
そのために取り入れられている手法が細かい数字含めてオープンにされています。
これから独立しようとする方、サラリーマンでも企画系の方には参考になる考え方です。
また最近よくみるLTV=Life Time Value(顧客生涯価値)の考え方についても述べられています。
著者で会社社長の木下氏の考え方も書かれていますので、自伝的な読み方もできます。
細かな数字や計算式も書かれていますので、自分の会社の数字をそのまま当てはめることもできます。
それに基づいて戦略を考えてみるのもおもしろいのではないでしょうか。