あらすじ
独特の節で読む軍記物の勇壮な場面を、講談で「修羅場〈ひらば〉」と呼ぶーー。
冬…前座・二ツ目あこがれの演目「赤穂義士伝〈あこうぎしでん〉」の季節が来た。だが泉太郎は楽屋で「好きじゃないです」と言い放ち、にしき姉さん激怒! あきれる泉花だが、泉太郎には心にわだかまり続ける、中学時代のある思い出があってーー。
六代目神田伯山、全面監修。幻の兄〈あに〉弟子や講談をディスりまくるJKも登場し、史上初の本格「講談師」漫画はここからますます面白く! モーニング本誌に掲載された「番外編」も収録。
知る楽しさを刺激する良作!
みなさんは講談ってご存じでしょうか。右手に張扇、左手に扇子を持ち、目の前の釈台を叩きながら歴史物語を読む話芸です。
落語は噺ですが、講談は読み物。『ひらばのひと』はそんな講談を読む講釈師の世界を描いた物語です。
このマンガ、何が魅力ってそのリアルさがもうスゴイ。それもそのはず、なんと監修についているのはあの六代目神田伯山先生!今日本一チケットのとれない講談師。ラジオにTVにyoutubeと活躍の幅の広い方と思っていましたが、マンガの監修までやられているとは…。恐れ入りました。
このマンガを読めばきっとあなたも寄席に足を運びたくなるはず。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
2巻は「大高源吾(赤穂義士銘々伝)」「仙台の鬼夫婦」「佐野源左衛門駆け付け(鉢の木)」「鮫講談」「は組小町」をベースに敷いたエピソード。その講談の筋を漫画の方にもうまく活かしていて、構成の妙というか、それが上手いので面白くならないわけがない(笑
取り上げられた講談はどれも興味が湧いて聞いてみたくなるけど、落語ほど簡単には視聴できないのがつらい。
泉太郎の同級生と音羽亭女将さんの孫娘は、物語のキーパーソンとしてまた登場するんだろうなあ。
Posted by ブクログ
前座の講談師男子が真打を目指す、伝統芸能ネタマンガ第二弾。引き続き、人気講談師の六代目神田伯山が監修。
師匠、姉弟子、兄弟子、客、芸人仲間等に助けられながら、徐々に成長していく様を丁寧に描いている。
マンガになれば、講談ももう少し落語のようにポピュラーになるかと思っていたが(少なくとも伯山はそれを期待していると言っていた)、今のところ本書も講談自体もあまり話題になっていないようである。残念。
私が思うに、講談の有名芸人はかろうじて伯山のみがいるだけで、落語のように複数の有名芸人が出ていないこと、「笑点」のように落語を定期的にテレビで放映される(たとえ大喜利がメインであろうとも)機会が無く、講談そのものに触れる機会が圧倒的に少ないことが原因だと思われる。
講談も聞いてみれば、落語に負けず劣らず楽しいものであるので、ぜひ日常的に、かつ気軽に触れられる機会が増えて欲しいと思う。