あらすじ
ヒトの腸内には100兆個もの微生物がいる! 体内微生物の生態系が破壊されると、さまざまな問題が発生する。肥満・アレルギー・うつ病など、微生物とあなたの健康の関係を解き明かす!
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Posted by ブクログ
人間は自身の細胞よりも9倍多い微生物と共生してきた。現代病、肥満、アレルギーや精神疾患の増加は、ウィルス、寄生虫、食習慣の変化、特に抗生物質の使用によって腸内の微生物の多様性が損なわれ、バランスが崩れることが要因であることがわかってきている。
腸内環境の改善には食物繊維豊富な植物中心の食事や、場合によっては糞便移植(!)が効果的。
これぞポピュラー・サイエンスといえる意外性があり刺激的。説得力もあり一気に読んだ。
Posted by ブクログ
副題、微生物の生態系が崩れ始めた。微生物研究の成果は、人の生活の何を変えていくのか。10% Human. How Your Body’s Microbes hold the key to Health and happiness.という原題なので、訳し方が全く逆になっているというのがポイントで、おそらく訳を見るかぎり、やや誤訳なのかもしれない。原書の方を読んでみたくなった。おそらく原書の作者は、(まだ原書を読んでいないけれど)、微生物こそが、10%しかない我々が認識している体、にとって最も大事な存在であって、性格や健康を左右する存在であるということなんだと思う。
100兆以上の微生物が暮らす人の体内。ダイエットも、代謝がいいとか、そんなことは関係なく、また摂取カロリー引く使用カロリーという単純な話でもない。その間に、微生物の役割が多く関与している。太りやすいというのは現代病であり、すでに普通ではない。ではなぜ、こうした普通ではない状態になるのか。抗生物質が、それかもしれないと。世紀を跨げば、致死に恐怖する伝染病などが人口を減らしてきたが、現代はまさにこうした微生物の役割がまた新たにあるということなのかもしれない。コロナがまさにそうなんだろうと思わされた。筆者から言わせれば、キスという行為さえも、将来生まれるかもしれない子供のための事前の微生物チェックの役割だと。微生物を交換するのは非常に危険だからだ。トキソプラズマがうつを併発するとか、微生物が性格まで決めていくというのも非常に面白い着眼点に感じた。マイクロバイオータが、人から人へ移るとすると、ハピネス系の微生物を移せる。または逆もだ。国を滅ぼすこともできるかもしれない。ただ、注意しないといけないのは、微生物も生存のために、繁栄のために人間に住まうだけであって、その戦略は決して親人間であるとは限らないことだ。
抗生物質の過剰な処方を止める、焦らずゆっくりと食物繊維をしっかり摂れる加工食品を減らした食生活に変更する、そして子供のことを微生物の観点からも考える。