あらすじ
フィデルマは、単身巡礼の船旅に出ていた。修道女としての人生に疑問を抱き、また、気の置けない友人であったはずのエイダルフに対する気持ちもわからなくなっていたのだ。だが船には、若き日にフィデルマを捨てた、かつての恋人キアンが乗っていた。波乱ぶくみの船出の翌朝、巡礼団の一員である修道女が、行方不明になる。時化のなか、海に落ちたかと思われたが、船室から血のついた衣が見つかった。殺されて海に捨てられたのだろうか? 七世紀アイルランドを舞台に、王の妹にして弁護士、美貌の修道女フィデルマが活躍するシリーズ第8作。
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Posted by ブクログ
修道女フィデルマ・シリーズの8作目(原作順で)。
巡礼の旅に出、船旅をするフィデルマ。
船に同乗していた巡礼団の修道女が海に落ちたと思われたが、
刺殺死体で発見される。
そして、船に乗り遅れたかと思われた修道女も、
実は殺されていたことがわかり…。
巡礼団の中に若い頃にフィデルマを手酷く捨てた恋人がいたとあっては、
事件どころではない。
フィデルマは、大人げない態度をとっていて相変わらず。
相手も成長していないようなので、お互い様だが。
それでも武人だったのに、片腕が使えなくなり、
妻にも見捨てられたとあっては、
もうちょっと気づかいしても良いのではと思っていたら、
王の命令とはいえ、戦いで女子供を殺したとあっては、
同情の余地がないぐらいひどい男だった。
それにしても、ここのところ、
短編集でフィデルマが成長を見せていた気もしていたに、
どうしたのかと思っていたら、
どうもこの作品は短編集より前に書かれたものらしい。
なるほど。
(下巻へ)