【感想・ネタバレ】ロンドン謎解き結婚相談所のレビュー

あらすじ

1946年の戦後ロンドンで、ある女性たちが結婚相談所を設立した。ケンブリッジ大卒で戦時中にスパイ活動のスキルを得たアイリスと、人の内面を見抜く優れた目を持ち、戦争で夫を亡くした上流階級出身のグウェン。対照的なふたりが営む相談所に、若い美女ティリーが入会する。奥手だが誠実な会計士を紹介したところ、ティリーが殺され、会計士の青年が逮捕されてしまう。彼が犯人とは思えないふたりは、能力や人脈を駆使して真犯人さがしに乗りだす。魅力たっぷりの女性コンビの謎解きと、人生を切り拓こうとする勇姿を描いた爽快なミステリ!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

楽しい推理小説が読みたいと思って買ったら予想よりずっと楽しくて嬉しかった。シリーズ三巻も出てて楽しみ。

…でも彼女には、わたしにはなくて、これからも決して手に入らないあるものが具わっている」
「それは?」
「善良さ」
ひとことで答えた。
「彼女はいい人なの。真の善人。わたしは善人とビジネスをやってるのよ。このわたしが。善人じゃないわたしが。いい人でもなければ、人間でいることが得意でもないのに。人を結婚させるビジネスにかかわるなんてお笑いぐさよね。...」

のところでもう気に入ってた。
もっと穏当な雰囲気かと思ったら主人公二人とも生活もメンタルも大変なことになってるし、心温まる感じかと思ったら勇気凛々かつわりと生き汚いかんじの雰囲気だったし(ぜんぜん上品だけど)、落ち着くというより元気になる読後感ですごくよかった。

アイリスもグウェンも、平気なふりと本当に平気なのとだんだん平気になっていくのがそれぞれあって、タチが悪いの込みの魅力が強くて好きになった。

レディ・カロラインも結構好きなので最後の方安心した。犯人の「猫」のくだりが好き。

0
2023年04月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

先に第四弾から読んでしまったので、答え合わせ的に初めの話を読む。
予想に反して二人はすでに結婚相談所を始めていて、そのなれそめ(?)もざっと手短に書いていたので、経緯に謎はないのだなと了解。

アイリスの過去についてはやはり多くが「語ることはできない」でいるが、今の仕事にかかわりのある部分だけはグウェンに対して秘密はなしとすることになったので、今後、知るべきことは順次明らかになるだろうこともわかった。
ただし、信頼できる語り手であるかどうかは、その時のタイミングなのだと覚悟はしておく。

とか言って、この話の感想としては、実にフェアなミステリでした、ということ。
彼女たちの予想に基づく突飛で無茶な行動は、必ずしも成功するわけではないけれど、その道筋にきちんと手掛かりが明かされている。
これには好感を持ちました。

アイリスとマイクの破局の原因もわかったし、グウェンが義母に自分の気持ちをはっきり言えるようになった経緯もわかったし、話のテンポはいいし、結構ハラハラさせられるのも心地いいし、ってわけで、続きも読みます。

0
2024年09月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ネットで見かけて。

思っていたより、古い時代のお話だった。
第二次世界大戦直後のまだ戦争の爪痕が色濃く残るロンドン。
とある結婚式で出会い、結婚相談所を開くにいたった二人は、
上流階級育ちで息子のいる未亡人グウェンと
独身生活を謳歌している元スパイのアイリスと、
共通点が少なそうに見えて、
結婚相手の候補を選ぶ息はぴったり。

だが、結婚相手を紹介した女性がいきなり殺されてしまう。
しかも犯人は紹介した結婚相手?
グウェンの人を見る目を信じて、仕事をそっちのけで真犯人を探し出す二人。
ほのぼのミステリーと見せかけて、
新聞沙汰になったり、容疑者も二転三転とあわただしい。

グウェンがとうとう義母に言い返したところや、
盗品があるとなぜ確信してたときかれ、
昨日のうちに忍び込んでみつけておいたとアイリスが答えるところ、
意外な、しかも連続殺人犯だったのも面白かった。

でも、屋根裏の秘密の場所で見つけた亡くなった夫からの手紙が、
なにより印象的だった。

0
2023年05月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦後復興途中のロンドンで、奇跡的に戦禍を逃れた建物で、元スパイの特殊スキルを持つアイリスと、人を見る目を持つ専業主婦のグウェンのデコボココンビがタッグを組み、結婚相談所を運営するが、マッチングさせた女性ティリーが何者かに殺され、出会うはずだった会計士の男性トロワーが犯人として逮捕される。

トロワーの無実を信じる2人は、あの手この手で真実を手繰り寄せ、彼の名誉を回復しようとする。

個性的な2人の主人公は、魅力的だけれど、誰にも相談できない悩みを持っていたり、異なるタイプだからこそぶつかったり、協力しあって事件の真相に辿り着く。

続編が出ているので、完全に事件は解決せずに終わるのかと思いましたが、最後の方でスッキリ解決。

読んで良かったなと思いました。

2人には幸せになってほしい。

これを書いている時点で日本国内で3巻まで出ているので、続編も読みます。

年頃女性2人の読みやすくて軽快なトークや、緊張感いっぱいの本格推理が楽しめます。

0
2023年01月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アイリスとグウェンの結婚相談所シリーズ第一弾。

元スパイのアイリスと、人間嘘発見器のグウェン。この二人のキャラが立っており非常に楽しく読めた。

表紙はゆる〜い感じだが、思った以上にロジカルな推理が展開される。
犯人、結構意外というか、なるほど!サイコパス!という感じで。

今のところ第三弾まで翻訳されており、続いて欲しいシリーズ。

0
2022年12月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上流貴族のお嬢様出身の未亡人と元スパイ所属の女性二人が、共通の友人の結婚式で出会い、戦後、空襲を免れたビルで結婚相談所を開く。
依頼人の女性Aが殺害され、その女性とマッチング予定の男性Bが疑われた。
ヒロイン二人は殺人容疑で収監された男性にかけられた疑惑をはらすために「探偵ごっこ」を始める。
依頼人女性はかわいらしい容姿だがもう一つの面として、闇市を仕切るボスの組織の一人だったりする。
そして、その闇市ボスの組織に潜入操作している官庁の人間Cがいる。ヒロイン二人は闇市ボスに接近する。
闇市ボスの組織は、偽札の原版を手に入れてそれを利用しようとしていた。それを知った組織内の裏切り者たちと潜入捜査していたCが、グルになって原盤を闇市ボスから横取りしようとする準備の最中。官庁の人間Cは金に目がくらんで闇に墜ち、原版横取り野郎になった。
女性Aもその原盤横取り作戦に関わっていた。そこで女性Aの殺害は、その関連での出来事かと思いきや違った。ヒロイン二人は原版横取りグループを警察に引き渡し後、殺人の犯人の元に。
犯人は、男性Bの部屋の大家。男性Bに勝手に愛情を抱いていて、女性Aに嫉妬したのだ。
この作品には子どもを抱える苦労、貴族だからこそ身動きできない事情。スパイとして生きてきたから「普通の暮らし」になにか物足りなさを感じてしまう不満、自分だけ生き残った苦悩。いろんなことに挟まれてそれでも生きる二人の女性がいる。

0
2022年01月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全くタイプの違う2人の女性が世界大戦後のロンドンで結婚相談所を立ち上げる。それぞれに抱える問題があり時代背景に基づいた設定やストーリー良かった。現代が舞台の小説と違う楽しみがある。

主人公達や登場人物との会話がいちいちおしゃれというか、皮肉がうまいというか、それもなんだかイギリスぽい。

全然シリアスじゃないし重くないから、重い系のサスペンスとか読んだ後の気分転換にちょうど良かった。

0
2022年01月26日

「小説」ランキング