あらすじ
幻視者たちの見た夢……伝説の短編集、復刻! 反地上的な夢濃密な幻想、日常世界を超えた者が見るのは反地上的な夢。濃密な幻想で構築される、妖美なる博物館――日常的な人間世界を超え、あるいは離脱して、幻視者たちが存在する。彼らが視るものは、反地上的な夢、濃密な幻想である。それを蒐集して構築される、幻想博物館の妖美さ。著者が熱愛する短篇形式への供物として捧げた13の幻想譚は、手作りトランプのように、装飾にみち色鮮やかに語られる。連作とらんぷ譚1。
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Posted by ブクログ
日常から唐突に非日常につきおとされる、
幻に想いに狂う人々の姿と謎を集めた短編集
独立している短編小説のようで、
帰結する先が"流薔園"という名の精神病院、
隠されたリンクが繋がるミステリの巧さ。
特に「黒闇天女」や「蘇るオルフェウス」などは、
刻々と真実に迫っていく構成がお見事。
かと思えば「チャペンデールの寝台」では、
ブラックユーモアの様なおかしみのあるオチさえ見せる。
「実は語り手が狂ってた」ような末路が多いがそれぞれ切り口は個性的、
さらに多次元的な繋がりに気づけば、読めば読むほど面白くなっていく。
日常から狂気への幻惑される描写も丹精で、
プロットの技巧と同じほどに文学性も高い。
まぁ、妻手=手品、とか無知な私は恥ずかしながら
辞書片手に読ませて頂きましたが…(笑)
ノスタルジーな言葉選びも素敵。