【感想・ネタバレ】新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館のレビュー

あらすじ

幻視者たちの見た夢……伝説の短編集、復刻! 反地上的な夢濃密な幻想、日常世界を超えた者が見るのは反地上的な夢。濃密な幻想で構築される、妖美なる博物館――日常的な人間世界を超え、あるいは離脱して、幻視者たちが存在する。彼らが視るものは、反地上的な夢、濃密な幻想である。それを蒐集して構築される、幻想博物館の妖美さ。著者が熱愛する短篇形式への供物として捧げた13の幻想譚は、手作りトランプのように、装飾にみち色鮮やかに語られる。連作とらんぷ譚1。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

日常から唐突に非日常につきおとされる、
幻に想いに狂う人々の姿と謎を集めた短編集

独立している短編小説のようで、
帰結する先が"流薔園"という名の精神病院、
隠されたリンクが繋がるミステリの巧さ。

特に「黒闇天女」や「蘇るオルフェウス」などは、
刻々と真実に迫っていく構成がお見事。

かと思えば「チャペンデールの寝台」では、
ブラックユーモアの様なおかしみのあるオチさえ見せる。

「実は語り手が狂ってた」ような末路が多いがそれぞれ切り口は個性的、
さらに多次元的な繋がりに気づけば、読めば読むほど面白くなっていく。

日常から狂気への幻惑される描写も丹精で、
プロットの技巧と同じほどに文学性も高い。

まぁ、妻手=手品、とか無知な私は恥ずかしながら
辞書片手に読ませて頂きましたが…(笑)
ノスタルジーな言葉選びも素敵。

0
2011年07月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

うーん、正直期待外れでした。
猟奇系のもっと毒のある話を期待してたんだけど、夢野久作や江戸川乱歩のような強烈な作品を読んだ後だとその辺で物足りなく思えてくる。
文章に癖がなさすぎるのか、途中装飾過多な表現も多々見られたけどもテンポを悪くさせているだけというか。
流薔園の話や、車椅子の男の話、「牧神の春」「邪眼」辺りは他と違ってテンポよく話が進んで気持ちがよかった。

0
2012年02月14日

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