【感想・ネタバレ】騎士団長殺し―第2部 遷ろうメタファー編(上)―(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

緑濃い森の小径の向こうから、肖像画のモデルとなる少女と美しい叔母が山荘を訪れる。描かれた4枚の絵が複雑なパズルのピースのように一つの物語を浮かび上がらせる。たびたび現われる優雅な白髪の隣人、奇妙な喋り方で「私」に謎をかける騎士団長。やがて山荘の持ち主の老画家をめぐる歴史の闇が明らかになる。真夜中の鈴は、まだ鳴り止まない――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

免色はついに秋川まりえと対面する。
雨田具彦の過去がかなり明らかになる。弟の死が関係していそう。彼はなんでスタジオに現れたのか?主人公は雨田具彦と会うのか?会ったらどうなるのか?
ユズの懐妊と主人公の夢との関係は?空間を超越した移動はあるのか?
秋川まりえの肖像画、スバルフォレスターの男の肖像画、雑木林の中の穴、そして騎士団長殺し、どう絡んでくるのか?
まりえのお父さんの変な宗教が今後絡んで来るのだろう。
村上春樹の小説によく出てくる壁とか穴が、今回はなんの象徴となるのか?
第一部のプロローグで出て来た、肖像画を描いてほしいという、顔のない男が持っていたお守りのプラスチックのペンギンがついに出て来た。まりえの携帯に付けていたものだった。
どのような終わりになるのか?楽しみ。

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2024年11月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第2部上では、秋川家、免色、雨田具彦の過去がだんだんと明かされ始めた。

なかでも印象に残っているシーンは大きく2つ。
1つ目は「私」が秋川まりえをモデルに肖像画を描くシーン。
「何かを与えると同時に何かを受け取る。」まりえを描くことを通して、『肖像画を描くという行為=限られた時間に限られた場所でしか起こらない生命の交流』なのだと気づく。
第1部までの「私」は、『肖像画を描く行為=モデルの内部に埋もれていたイメージの発掘』と捉えていた。ギバーとテイカーではないが、画家→モデルという一方通行の関係から、画家←モデルへと相互的な繋がりを感じた...?
穴に関しても、第1部では肖像画同様の解釈で『内なる無意識のメタファー』として捉えていた。しかし肖像画を描くことの意味合いが上記のように変化したことで、『内と外と相互に作用するもの』的な意味合いも持ち始めそう。そしたら、「私」が最終盤に立てた、穴は実は色々な場所に繋がっているという仮説も成り立ってきそう。現実と非現実の間と
か....
もう1つは、肖像画を描きながら「私」が芸術について考えを巡らせるシーン。限られた時間に限られた場所でしか起こらない生命の交流はやがては薄らいで消えてしまう。しかし、その記憶は残り、時間を温めてくれる。そして芸術はその記憶を、温もりを、形に変えてそこにとどめることができる。
私自身、絵を見てその絵を描いた時の気温や風の強さ、周囲の音を想像するのが好きだからとても腑に落ちた描写だった。言語化すると、この感覚はこう表されるのかと感動した。だから絵画は時代を超越して心に語りかけてくるのかと
胸に迫るものがあった。
どんどんまとまらなくなっていくが、「私」と免色が人生について語る場面も考えさせられた。人生における退屈な時間や遠回りを無駄と捉えるか、欠くことできない人生の一部と捉えるか。人生観が違うと、何を第一義に生きるかも全く異なると思うからとても奥が深い問題だと思った。
そわそわするので早く下巻読む!

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2023年10月24日

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ネタバレ

主人公が見つけた「騎士団長殺し」の絵。そして、主人公が描いた免色の肖像画、雑木林の中の穴、さらには少女の肖像画。
これらの絵画を描いたのは主人公だが、描き終わってしまうと、それらは何かを訴えてくる。
果たして、その訴えとは?そしてイデアとは何か。さらには失踪してしまった少女の行方や出生の謎。ユズの子供は誰が父親か。など、最終巻に向けて次々と問いかけてくる形。

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2023年03月31日

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ネタバレ

いろんなことが巻き起こりますねー。
秋川まりえの行方や、おばさんと免色の関係も気になるところ。
免色さんはおじいちゃんのイメージだったのですが、中年ということなのでもうちょい若いのかな?ダンディーな感じで確かにモテそうだけど、個人的には主人公の方が魅力的に思えます。
続きが気になるので急いで次巻へ!

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2024年03月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

雑木林の中の穴の不気味さがうまく描かれている。私や免色より前に穴の存在を知っていたまりえが姿を消したのが何故なのかわくわくする内容。私が穴を描き切った事実、白いスバルフォレスターの男は描き切らなかったし、白スバルと違って穴は写実的に描いたところも違う。穴が第一部で明るみに出て、第二部の前半で作品として完成してしまったことが悪しきものを引き寄せているのではないかと落ち着かない気持ちにさせる。免色が穴に受け入れてもらえなかった理由もまだ分からない。謎がたっぷり残っていて次を読みたい気持ちにさせる内容だった。

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2025年08月18日

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ネタバレ

秋川まりえの絵を描いたり、穴の絵を描いたりした。免色と秋川のつながりもできた。最後に秋川まりえが失踪した。次の最終巻でどうなるか。

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2024年07月23日

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ネタバレ

あらない。
この話し方を英語を含めた多言語でどのように訳すのか気になった。
鈴の音から始まる肖像画家の自分を探す物語なのか?10代の少女が出てくる、なんだか達観した女性が出てくるいつもの感じ。
気に入ったフレーズはない。最後の方でイデアの世界に行く場面が雑な気がして。

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2024年06月01日

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ネタバレ

肖像画家の「私」は、近くに住む免色(めんしき)さんの依頼を引き受ける。

まりえは叔母とやってきて、スタジオで2人きりでデッサンを始める。まりえが気にしていたのは、自分の身体的なことだった。そんなことを口にする少女っていないと思うけど。

妻のゆずから手紙が届く。離婚届にすぐに捺印をありがとう。妻も何を考えているかわからないわー。

叔母は免色に興味をもったようだった。車の話で意気投合する。まりえは警戒している。

まりえのお父さんは、ある宗教団体にのめり込んでいた。妻の死がきっかけ。なんてこと。

友人の雨田(あまだ)から、有名な日本画家の父の弟の話を聞く。戦地に連れて行かれ、壮絶な体験をして生きて帰ったけれども、自分を死に導いた。遺書にはそのことが克明に記されていたそうだ。

「かもしれない。」という描写が多いなー

免色と秋川のおばがつながった!まりえは気づいた。見られていると。

まりえがいなくなった!穴の絵が出来上がったから消えたのではないかと言う「私」の憶測。

免色さんとほこらの穴にいく。ペンギンのプラスチックが置いてあった。まりえのものだった。護符のために置いたのかもしれない。

騎士団長が出てきた。「〜あらない」という言い方が面白い。まりえを救い出すためのヒントは明日の午前中にかかってくる電話に必ず答えること。

次巻に続く。

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2024年04月10日

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