【感想・ネタバレ】世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『街とその不確かな壁』を読んだので、こちらも読みたくなり再読。
やっぱり私にとってはこの作品が村上春樹の最高傑作である(結構多くの人にとってそうだとも思いますが)。
以下、下巻の感想もまとめて書きます。

上巻の何かが起きるワクワク感は本当にたまらない。
設定も突飛ではあるし、かなり説明少なく読者の想像に任せる部分も多いのだが(やみくろとか)、そういうものとして淡々と進むから逆に違和感なく読めるのが不思議。主人公がいちいちびっくりしないのも受け入れやすさに影響してるのかもしれない。
とにかく話の展開と構成力、こちらの想像をかきたてる描写力にグッと引き込まれてしまう。

下巻はさらに物語に引き込まれ、少しは明らかになることもありながら、それ以上に主人公の心理描写が何より魅力的に感じる。こんな突飛な設定のなかで、こんな壮大な物語の中で、結局村上春樹が1番書きたいことはこのモノローグなんじゃないかと思うような、主人公の世界との向き合い方。全然自分とは違う世界なのに、なぜか共感して心が静かに揺さぶられて、切なくなる。

物語の解釈は色々できるし、それも語ってみたいけど(やみくろとは?とか、2つのパートの対応とか、ラストをどうとらえるかとか)、でもやっぱりこのモノローグを純粋に受け取るだけで十分な気もしてしまうのだ。

あとはピンクのスーツの女の子が好きすぎました。
チャーミングなキャラを作り出すものだなぁ。

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2025年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

12年?13年?くらい前に友達から勧められて買った文庫をようやく上巻読み切った。その間に何回か引越ししたりしたから、本を無くしたと思ってもう1冊買っている。でも、ずっとエレベーターのくだりから読み進められず、何回もエレベーターのページを読んだ。
世界の終りパートまで行き着いても、2つの話が何の関係があるかわからずにいて、今回ようやく200ページ以上読んで繋がりがあることがわかった。推察しながら読み進めたいけど、そこまで深く考えられないのでとりあえず読むしかない。
世界の終りの僕の夢読みのように、文字を追っているけど内容が全然頭に入ってこないところが多くて、文字を目で追ってる内に寝ることがしばしば。最後の方は音読しながら無理やり読み切ったんだけど、私に村上春樹は向いていないのでは?っていう気持ちが出てきている…
それでも下巻は買ったのでこれから頑張って挫けずに読み切りたい。

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2024年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『俺たちはこれまで二人一緒に結構うまくやってきたじゃないか?どうして俺を捨てたりしたんだい?』

好きなところ。
自分から切り離された影と相対して、影から非難されるシーン。
村上春樹の小説は、非現実的な要素が、シームレスに克つ不自然な点を感じさせず、ありふれた日常の一つのようにそっと手渡してくる。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 僕がいる「世界の終わり」と私がいる「ハードボイルド・ワンダーランド」。この2人の主人公を軸に物語は進んでいく。世界の終わりとは、街が壁で囲まれて、壁の外に出ることができない閉鎖的な場所で、ファンタジーな世界観である。一方でハードボイルド・ワンダーランドとは、現実の世界であるが、ある人物との出会いによって、主人公である私の運命どころかこの世界の命運を左右してしまうほどの、重大な事件に巻き込まれてしまう。

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2024年10月05日

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