【感想・ネタバレ】ダーウィン事変(9)のレビュー

あらすじ

TVアニメ化決定!
半分ヒトで半分チンパンジーの「ヒューマンジー」チャーリーは10年間の隔離生活を経て、高校に入学する。
チャーリーを育てたヒトの両親は平和な学園生活を願っていたが、「動物解放」を掲げるテロ集団・ALA(エーエルエー)に目を付けられてしまう。
チャーリーと仲良くなった同級生のルーシーは、チャーリーを学園生活になじませようと奮闘するが、ALAが次々と起こす事件によりチャーリーは孤立を強いられる。
ALAにルーシーをさらわれてしまい、行方を追うチャーリーは、ついにALAのアジトへの潜入に成功する!
ルーシー奪還なるか!?

「マンガ大賞2022」大賞、「このマンガがすごい!」2022(宝島社)オトコ編第10位、第25回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞など、数々の評価を得た話題作!
海外でも、フランス・第50回アングレーム国際漫画賞にて「BDGest'Arts アジアセクション」、ACBD2023アジアBDなどを受賞し、世界中に拡散中!
テロリストにさらわれたルーシーを、チャーリーは取り戻せるのか…? 衝撃展開の第9巻!!

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動物実験などに対し過激な手段をとるテロ組織「動物解放同盟(ALA)」がカリフォルニア州の生物科学研究所を襲撃。
そこにいた動物を解放している中で見つけたのが、出産間近のチンパンジーでした。
運び出されたチンパンジーは無事出産をするのですが、驚くべきことに生まれた嬰児は人間とチンパンジーの交雑種「ヒューマンジー」だったのです。

ヒューマンジーはチャーリーと名付けられ、チンパンジー研究の権威スタイン博士夫婦に引き取られます。
成長したチャーリーは服を着て二足歩行をし言葉を話し、見た目はチンパンジーっぽさがありますが人間と変わらない生活を送っています。
高校に通うことになったチャーリーですが、学校では注目の的で…。

読み始めた最初は、人間を超えた生命体が生まれ人間を脅かす存在になる…といったSFかと思いました。
しかしこの物語はそんな簡単な構造ではありませんでした。

それを最初に感じたシーンが、チャーリーが学校で仲良くなった陰キャの優等生ルーシーとの会話です。
「ヒューマンジーなのってどんな感じ?」
というルーシーからの質問に対し、チャーリーは
「人間なのってどんな感じ?」
と聞き返すのです。

ルーシーは無意識にチャーリーを人間ではない異物と考えて質問をしてしまったのです。
正に「潜在的の差別意識」を比喩したシーンだと思います

また、チャーリーと両親がヴィーガン(動物への搾取と残酷さを排除しようとする考え)である事に対し、スクールメイトがヴィーガンの平等性を揶揄しました。
その際、チャーリーが平等について考えを述べるのですが、人間の考える「平等」とは異なる「平等」でした。
それは人間第一主義からするとゾっとする考えだったのです。

このように、この物語は随所で「差別」と「平等」を考えさせられます。

そんなある日、町で爆発テロが起きます。
犯人はチャーリーの産みの親のチンパンジーを解放したALAでした。
彼らは人間だけを特別視せず、すべての動物の平等を目指し、反する人間に鉄槌をくだすことを知らしめるため、更に過激な手段を選んだのです。
そんなALAは彼らの戦いにチャーリーを巻き込むことを画策します。

「人間だけを特別にする理由はあるの?」と問うチャーリーの平等はALAの目指す平等と近しいような気がします。
しかし、今まで両親としか接してきていなかったチャーリーが色々な人と出会い、多くの人間を観察することでどう変化していくのか…。

最初はSFかと思いきや、中盤はヒューマンドラマ、後半に至ってはサスペンス要素があり、1巻だけでも充実感が凄いです!!
序盤でこんなに面白くて、続きはどうなってしまうのか…。

チャーリーが生まれた意味とは?
ALAの戦争に巻き込まれてしまうのか?
気になることがいっぱいです!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

妊娠するだろうなぁと思ってた。
人為的に無理矢理超えちゃった種族の壁を、動物的にナチュラルな方法で超えていく。
倫理的に頭良すぎて所々置いていかれ気味だけど、着地点分からなくて続きが気になりまくる。
データとして残すというか、移動させるのくだりはクゼを思い出した。
心が進化に寄与するのかちょっと疑問な所はあるし、進化が存続のための取捨選択を間違えずにすることも納得できないのよね。

と、思ったけど違うか。全部選んで置いて、有利だったモノが残るのか。淘汰だな。


心が技術に追いつけなくて、動物に帰ろうとしているように感じる今日この頃。もう少し読み込みたい。

0
2025年07月13日

ネタバレ 購入済み

女性として読み込まさせれる。

ルーシーの、自立した女性として母に伝える言葉にはっとさせられる。
今回は妊娠で始まって妊娠で終わった巻だった。
女性であるバティアに、貴女なら分かるだろうと言わんばかりに、代理母にさせられることを「死んだ方がマシ」と言い切った後に判明する、自らの妊娠。
堕胎させようとする母に「リスクを過大に伝えたり脅したりして誘導するのはやめて。決めるのは私」と言い切る強さ。
圧巻です。

#深い #カッコいい

0
2025年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

☆途中(48話まで)

〜序章〜
・チンパンジーと人間のハーフのヒューマンジーのチャーリー
・高校に通い始めルーシーという友達ができる
・ビーガンの団体ALAに狙われる
・ヴィーガンでクラスメイトの男がALBにスカウト
・学内テロを起こし生徒の何人かが死亡
・住人はチャーリーを町から追い出そうとする
・ルーシーをALAが拉致
・チャーリーが救出するが両親を殺される
・チャーリーは指名手配
・フィルに保護される

〜新事実編〜
・ALAのリーダーリヴェラは新たなテロを起こす
・トラックに首斬り死体を吊るす
・犯人はチャーリーの兄弟のオメラス
・オメラスは代理母により産まれた
・オメラスの母ベータを探しにNYへ
・ベータの母はユァン博士だった

〜オメラス編〜
・ALAが再びテロ
・その隙にヒューマンジーをつくったグロスマン博士を見つける
・しかしグロスマン博士はアルツハイマー型認知症だった
・ALAのファイヤアーベントをチャーリーが捕まえる
・オメラスはルーシーを拉致
・フィルやチャーリーはルーシーを探す
・ルーシーはオメラスが博士のデータから新たなヒューマンジーを作り出そうとしていることを知る
・チャーリーは新たな仲間ゴンゾとともにオメラスのアジトへ
・オメラスを追い詰めるも逃げられる

〜グロスマン博士捜索編〜
・ルーシーは妊娠していた
・生まれてくる子どものゲノム編集のためもう一度オメラスを探す
・博士は自分の知識のバックアップを圧縮し脳に埋め込んでいた
・アクセスする方法はチャーリーとオメラスが同時に視界に映ること
・ファイヤアーベントが脱走

[総評]
すごく新しい
おもしろい
けど、重たい展開がずっと続く

0
2025年07月07日

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