あらすじ
2018年本屋大賞2位!
著者渾身の慟哭のミステリー、ついに文庫化!
昭和五十五年、春。棋士への夢を断った上条桂介だったが、駒打つ音に誘われて将棋道場に足を踏み入れる。そこで出会ったのは、自身の運命を大きく狂わせる伝説の真剣師・東明重慶だった――。死体遺棄事件の捜査線上に浮かび上がる、桂介と東明の壮絶すぎる歩み。誰が、誰を、なぜ殺したのか。物語は衝撃の結末を迎える! 〈解説〉羽生善治
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Posted by ブクログ
個人的には何とも言えない終わり方だった。
「はあ~」とため息が出るような感じ。
悲しい最後だった。
結局、両親と同じようになってしまった。
どれだけ才能があったとしても、運命をどうにかすることはできなかった。
構成として14章あるうちの東明との出会い編にあたる2章だけで半分使っている。
そして、そこからテンポアップして急速に上巻の2パートが収束していくのが良かった。
Posted by ブクログ
大学進学を期に東京に出た上条は、賭け将棋の真剣師、東明に出会い、その将棋に圧倒される。東明が東北で行う真剣に同行することになった上条だが、賭け金のない東明は、上条の駒を勝手に担保にして掛け金を用意した挙句、勝った後に忽然と姿を消したー。
ストーリーとしては、上巻の続きで駒の行方を追う石破、佐野と、プロへの道を諦めた後も将棋に人生を翻弄される上条の姿が描かれる。遺体は父親か、あるいは駒を売った東明への復讐かと予想したが、自ら最期を選んだ東明へのはなむけの駒だったとわかり、駒を入れた理由も含め納得できた。警察と上条の接触シーンはなく、佐野が元奨励会員ということで何か重要なシーンで絡みがあると思ったが、なかったのは予想外だった。竜昇戦のラストが二歩というのは、少し拍子抜けの間があった。
生前の母をゴッホの「ひまわり」に見た上条の姿が冒頭に描かれ、後半には将棋の大事な場面で決め手となる一手を打つ際に、盤上に向日葵が咲くという描写から、タイトルの向日葵の意味が明かされた。出生の秘密を知り、複雑な気持ちを抱えながらも、心のどこかで母の姿を追い続け、最後はホームから見える雪=向日葵に誘われるように身を投げることとなり、運命に翻弄された1人の男の最期に、なんとも言えない虚脱感があった。
Posted by ブクログ
被害者が誰なのかも分からないまま、下巻へ。
事件は起きているが漠然としていて、棋士となった圭介の過去や人生を辿って、過去と現在を行き来していく。
圭介の頭脳と、母の中に見える狂気。
父親はろくでもない男だが、最大の罪は、圭介に真実を告げたことだと思う。
まともな養育もしていなかったのだから、せめて真実は墓場まで持って行くべきだろう。
真実を知ることがなかったなら、圭介は自分の狂気に気づきながらも、落ちることはなかったのではないだろうか?
ラストは衝撃
Posted by ブクログ
唐沢はこの結末、圭介の行く末を見てどう思うんだろう?
もやもやとした。
映画化していて、唐沢が重要なのかな?と思っていたら東明が主要人物だった。上巻でほとんど登場しなかったからびっくり。映画も見てみたいな〜。
Posted by ブクログ
上巻は事件捜査と上条の幼少期が同時進行で進む。ありふれた殺人事件だが柚月さんの文才なのか重厚感あるミステリーに仕上がっている。上条の幼少期は過酷が故に読む手が止まらなかった。結末はどんでん返しまでとはいかないがそれよりも、事件を追っていく過程がミステリーとして上質なので満足できる作品だった。
Posted by ブクログ
装飾的な言葉をを廃した箇条書きのようなような文章が案外嫌いじゃないわと思い読み進めたけど下巻になりそれが仇となってきた。上条佳介が東明に初代菊水月の駒を担保にされた時、また父庸一に3000万を渡す時、描写が簡潔過ぎて回転の早い佳介ならもっと上手く立ち回るのでは?とか、切れものの佳介なら庸一が佳介の社会的信用を貶める前に何とかする手段色々と思いつきそうやけどな、とかちょっと気持ち入り込めない部分が残念やった。ただそれでも前へ前へと読ます力量を感じた。最後の最後に佳介が選ぶ選択肢は非常に切なく救いがない。
Posted by ブクログ
最後がうーん。終わり方がうーん。上条には報われてほしい!幸せになってほしい!なのに、、、あの終わり方?!!理不尽なことも多くて腹立つしなぁ。唐沢と上条の出会いはよかった。すごくよくて、もう少し救ってあげてほしかった。
Posted by ブクログ
批判とかではなく、内容がとても濃いだけに最後の自分の「...え?」と出てしまった声があまりにも間抜けだった。
納得できるまでに少し時間を要した。
何よりも命よりも大事なものを失くしてしまう瞬間の絶望はいかほどか。
桂介はずっとずっと何も持っていない頃から奪われ続けた人生で、自分で何もかも手に入れることができるようになっても奪われ続け、どうにか救われて欲しい気持ちで読み進めていった。
幼い頃の母親の記憶と大切な駒だけが桂介の命を灯す理由だった。ずっと痛かった。
「世の中金だ」と本当に思うけど、それは人間として生きていくための話で、真の意味で命を灯すという意味では金だけではどうにもならない事も本当に多いと感じる。
桂介は一言で言えば不憫だが、何かしらの形で将棋に出会い、その将棋を活かす方法を教えてくれた唐沢に出会い、強くしてくれる東明に出会ったのはやはり運命ではないか。
将棋自体は詳しくなく、どれだけ手汗握る勝負をしていたのかいまいちピンと来ない自分がもどかしかったが、桂介の一ファンのような気持ちでいつしか読み進めていた。
だからこそ、最後が本当に悔しくて...
そして想像してしまったゴッホの向日葵が頭から離れない。桂介自身が私の中ではまさしく絶大な存在感を放った向日葵のようだ。