【感想・ネタバレ】戦国の忍びのレビュー

あらすじ

戦国時代の合戦の裏では、本当に「忍者」が活躍していた!

これまでフィクションの中でしか考えられなかった戦国時代の忍者。
実像は闇に包まれ、江戸時代に書かれた軍記物や、忍術伝書から想像するしかなかった。
しかし、史料に断片的に残されていた、忍びにまつわる記述を丹念に読み解くことで、その驚きの実態が明らかとなった。
これまでの戦国合戦研究を覆す、気鋭の歴史学者による最新研究!

●カギ梯子で、300人もの忍者が城へ忍び込む!
●商人に化けて敵城へ潜入!
●侵入してきた敵の忍びを見つけ出す!
●捕らえられた忍び、荷物から火打ち道具が見つかり「敵の忍者です」と白状

【目次】
はじめに

第1章 江戸時代における忍びの認識
1 忍びとはどのような人々であったか――『武家名目抄』
2 忍びのマニュアルと心構え――『軍法侍用集』
3 武田の軍記物に描かれた忍び――『甲陽軍鑑』
4 忍びの別称

第2章 戦国の忍びの登場
1 伊賀と甲賀
2 武田の透波、北条の風魔、伊達の黒脛巾
3 悪党と忍び

第3章 草、野臥、かまり
1 草、草調義
2 伏兵、伏勢、伏調儀
3 野臥、かまり

第4章 城の乗っ取り、放火、決死の諜報活動
1 城乗っ取りと忍び
2 忍びによる潜入と放火
3 目付の活動

第5章 戦国大名と忍び
1 中世の夜と忍びの世界
2 忍びの運命
3 足軽と忍び

おわりに――戦国の忍びとはどのような人々だったのか

あとがき
参考文献一覧

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Posted by ブクログ

新書にしてはかなり分厚い(350ページ)大ボリュームで、戦国時代の「忍び」を論じている。

一応一般書扱いなのだが、原典を(古文のままで)抜粋しているため、ある程度戦国時代に興味・知識がある人向けの内容だろう。

しかし、東国戦国史の第一人者が書いただけあって、読み応え十分の内容だ。

1
2021年09月14日

Posted by ブクログ

戦国武田氏や真田氏の研究で大好きな平山優さんが戦国の忍びについて書いたもの。我々一般人のイメージする忍者と実際の忍びの者との乖離を埋める研究で、豊富な資料と実例から、忍びが偵察や夜襲、城の乗っ取り、放火、略奪などの任務に当たっていた、大名に雇用されたアウトロー、悪党だったということがわかった。
忍びの話だけではなく、中世において夜が別のルールが作用する無縁の世界であったという研究の紹介も面白かった。

1
2021年05月08日

Posted by ブクログ

戦国大名が囲った忍びたちの全貌を、確実な資料だけをもとに書いた力作。真面目な本だから、忍術とかない。北条氏の風間(風摩や風魔とも書かれることがあるけど、正しくはかざまらしい)一族も別に忍術を使うわけじゃなく、敵に紛れ込んだり、夜盗や放火をしたり、流言を広めたりで、忍術というよりは、諜報だ。夢がない内容だが、戦国の時代も情報を制するものが、戦を制したことがよくわかる。

0
2024年08月23日

Posted by ブクログ

歴史学者さんが、古文書に出てくる忍びに関する記述を集めて集めて集めてまとめました、という本です。忍びそのものよりも、歴史研究ってこういう風にやるものなのか、という点のほうが参考になったかも。それにしてもこれだけの数の人を雇っての諜報活動&特殊作戦をやっていた戦国時代、人的リソースの浪費も激しい時代だったようで。

1
2021年06月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 忍法を駆使する忍者はフィクションであるという認識は一般的だと思うが、その元である忍びの者はどのような存在であったかを、戦国時代の研究者である作者が丹念に多くの資料を探勝して明らかにした研究解説本である。
 忍びの呼び名も、地域や役割などで多彩であり、したがって実態がつかみにくくなかなか全貌は把握しにくい。しかし、全国各地の古文書をこれでもか、という感じで紹介し、実例を多く挙げることにより素人の読者でも少しずつイメージができ上っててくるように思う。
 巷間に伝わる特殊技能の持ち主で派手な振る舞いの忍者イメージと異なり、武士にもなれず百姓にもなれないアウトローの集まりであって、危険な汚れ仕事をやらされていたことが明らかになったと言えるだろう。正史には表れない名もない使い捨ての存在が、歴史を動かすこともあったのである。

0
2025年01月05日

Posted by ブクログ

忍者はいなかった。という事実とその理由が非常に興味深かった。戦国時代と忍者のイメージがより整理できた。

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2023年02月11日

Posted by ブクログ

戦国時代の「忍の者」について、史料の中に散在する記述を拾い集め、その活動内容や社会的背景といった実像に迫る内容。境目におけるせめぎ合い、城を巡る攻防など、戦国時代における紛争の一側面を映し出すような内容にもなっていて興味深かった。

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2022年06月17日

Posted by ブクログ

NINJAの実態を探る。戦国の合戦の実像に近づく一冊。

世間一般に流布している忍者の姿は虚構。講談ものから作られた姿のようだ。というのは学問の世界での話。そもそもそんなに資料が残っているはずがないのだから。

本書は地域と時により呼称は異なるが。忍び、透波、乱波、野臥の実像を文書から探る。そこは昼の世界とは一転した夜の世界。アウトローな人々の戦いが繰り広げられる。

戦国の歴史の裏面を探る筆者の研究らまだ始まったばかり。はたして忍者は虚構か、今後の研究に期待したい。

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2021年04月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

史料に基づいて戦国の(江戸のお庭番とかは出てこない)忍びがどんなだったか書いている。
壮烈に過酷そう。それでも、それ以外に生きようがなかった人たち。
戦国は、中世の終わりだったのだと実感しなおした。夜の扱いとか。内と外の処遇の違いとか。戦国はほんとにしんどかったんだな、江戸はなんだかんだ言って平和な時代で、それは記憶のある人にはとてもいい世の中だったんだろうな。

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2020年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
第1章  江戸時代における忍びの認識
第2章  戦国の忍びの登場
第3章  草、野臥、かまり
第4章  城の乗っ取り、放火、決死の諜報活動
第5章  戦国大名と忍び

<内容>
さまざまな史料を駆使して、「忍者」の実態を提示した本。多くの忍びは、もともと「悪党」で、犯罪に手を染めるものが多かったが、戦国期の混乱の中で、諜報活動、敵中の混乱活動(放火や暗殺)などに従事していたことがわかる。しかし、この本は読み物というよりも、研究書に近いので要注意!

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2020年10月21日

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