【感想・ネタバレ】神様のレビュー

あらすじ

くまにさそわれて散歩に出る。川原に行くのである――四季おりおりに現れる、不思議な〈生き物〉たちとのふれあいと別れ。心がぽかぽかとあたたまり、なぜだか少し泣けてくる、うららでせつない九つの物語。デビュー作「神様」収録。ドゥ マゴ文学賞、紫式部文学賞受賞短篇集。

〈目次〉
神様
夏休み
花野
河童玉
クリスマス
星の光は昔の光
春立つ
離さない
草上の昼食
あとがき

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Posted by ブクログ

ネタバレ

川上弘美さん大好きだったんだけど、この作品はまだ読んでなかった、なんだかタイトル的に難しそうと言うかなんだか神々しそうな感じがしてちょっと手に取れなかったけど、読んでみたら、なんだ!!!!めちゃくちゃかわいい話!!!!!!ほっこり。する。
2日くらいで読み終えちゃって勿体ないという気持ち。
「神様」ってタイトルを聞いて当たり前に人型の神様を想像してたけど、くまの神様かい。
くまの料理は本当に美味しそうだな、自然豊かなところでピクニックして、すごく素敵。
その分、主人公と同じくくまが帰ると知ったら、ちょっと寂しくなった。最初は、大男をくまと表現してるのかと思ったけど、くまはくまなんだ。そりゃ、人間世界に馴染むのも大変だったろうに……(人間でも大変なのに)
くまは主人公のことが好きだったのかな?ずいぶんと積極的に見えた。

「クリスマス」
なんと言ってもこの中の短編の中で好きなのはコスミスミコの話。なんともあざとい女子。(この時代にあざといって言葉浸透してたのかな?)コスミスミコは幽霊?のはずなのに外食もできて、他人にも認知されてナンパされてるのが謎だったけど、ご主人さまと仲良くご飯食べてるところとかすごく可愛らしくて楽しそうな女子会で、心が温まった。
「星の光は昔の光」では、コスミスミコがなぜか忙しそうで、より謎。壺の中にして何が忙しいんや!
もっと、2人の話読みたかったなー。
「河童玉」ウテナ様という存在も気になるし……、河童に相談されるほどの信頼度があり、それも人外に知られている……。何者?
「春立つ」の話も儚くて好き。いくつになっても沼男から抜け出せない女性の話。
表現が素敵だった。次こそは幸せになれるといいな。それが世の中で良い悪いと評価されるものとかではなく、カナエさんが幸せならいいかなと……
結局またどこかで猫と居酒屋開いてるかもしれないけど!
「夏休み」
梨が好きな妖精さん3人と、梨農園バイトの女の子の話。可愛らしい話。でもちょっと寂しさが残る。
未来に向かって歩き始めたんだなって描写があって、最後は元気になれる話だった。
「離さない」はゾッとした!
人魚こえ~エノモトさんの理性すご〜

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「神様」というインパクトのあるタイトル。
自分ではなかなか手に取らないタイトルと表紙デザインで、この機会がなければ読まずに人生を終えていた気がします。

表題作である「神様」とその続きである「草上の昼食」。ゆめうつつのような物語に童心に返ったよう。「くまにさそわれて散歩に出る」、まるで幼い頃に読んだ絵本みたい。くまと散歩に出かけて、ご飯を食べてひと眠り。
面白い!スリルがある!といった強い感情をもたらすのではなく、ひとときの安らぎを感じさせてくれる作品だなと思いました。

子守唄を歌いたかったくまの顔、見てみたかったです。

0
2025年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今月15日に閉店してしまったSPBS虎ノ門で購入。不思議な短編がいくつも入っている。何が面白いかって、不思議な現象があまりにも当然のように入っているから文を読んでいるのに絵本を読んでいるような気分になるところだ。マジックリアリズムというやつなのだろうか。用語には詳しくないので間違っていたら申し訳ないけど。どの話も心にあったかいものが宿ったけれど、どれか一つ挙げるなら「春立つ」がよかった。切なくて、希望が持てる恋の話。

0
2025年01月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

デビュー作を含む短編集。解説にもあったように、まるで夢の話を聞いているかのような不思議な話ばかりでした。(でも解説の文章はなんでか好みじゃなかった)
全部主人公は同じ(=華子)なのかな?
人魚の話はちょっとゾッとして、えび男くんが出てくる話はしんみりして、(離婚するのかな)、カナエさんの「今なら別なやり方ができるような気がした」は、年をとっての変化も悪くないと思えた。
叔父が出てくる空豆の話は、繕ってもだめだな、その時に気づかない幸福がきっとあるんだな、と思った。
くまと生きていくのは難しいし、手紙はきっと出せないままだけど、そこに手紙があることは忘れない、確かなことだろう。

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2022年10月02日

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