あらすじ
ああ、やっぱり僕は早く大人になりたい--友がいて、彼女がいて、ちょっぴり規格はずれの「家族」がいて……生きることへの小さな違和感を抱えた、江戸翠、十六歳の夏。みずしい青春の物語。
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よかった
ストーリー的には平坦な部分が多かったが、最後の島に行ってからはおもしろかった
ひとつひとつが曖昧な感じが良かった
川上弘美さんの他の作品もよみたい
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16歳の少年が少しづつ大人へと成長していく物語。
川上さんのこういう淡々とした世界観がなんだか好き。前半はちょっと変わった家族構成だけど普通の高校生の日常と後半は五島列島の島に渡り自分の周りのいろんなことを見つめなおしながら少しづつ大人へと向かっていく翠。
普通に生きるのって簡単なようで簡単じゃないんだよなぁ。
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「若さ」とは何かを教えてくれる。まぶしいねぇ。「ふつう」っていったいどういうことなのか。自分の普通と他人の普通は決して同じではない。自由でありながら不自由だったりする。このあたりを大人は「あきらめ」と「分別」で対応していくのだけど。
高校生のころ、分別くさい大人にだけはなりたくなかったもんね。でもあきらめきった老人になっちまったけど。
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本質を捉えられるようで手からするりと抜けていくような不思議な、川上弘美さん独特の世界観。
主人公・翠は考えすぎるきらいがあるが、本質は他人へ踏み込んでいない、興味を持っていないように感じる。
自分だけの狭ーい世界で満足しているような。
きっとガールフレンドの水江は隣に翠がいても「一人ぼっち」に感じたろうな。
そんな主人公こそが独りにならないのは、少しずつ普通じゃない周りの人間のお陰かな。そして彼らに大事に愛されているから、彼は彼らしくいられるという事、気がついていると良いな。
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若者3人と、変わった大人たちの話。変わったって言っても、普通の人など現実にもほんとはいないのかもしれないなぁーなどと思った。淡々と話は過ぎるし、特に盛り上がることもないのだけど、川上さんの文章はとても魅力的で、その文章を単純に楽しんだ感じ。どの登場人物も魅力的。特にキタガーさんは、あんな先生いたらいいなと思う。
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川上さんは、何時も不思議な話を書く人ですが、その中でも"有り得ざる者”や”有り得ざる事"が出てくる「蛇を踏む」などの作品と、ちょっと変わった人々を主人公にする「センセイの鞄」のような作品があるようです。
これは、そういう意味では「センセイの鞄」の系列です。
例によって、なんだかフンワリした感覚に浸ってしまいます。所々ではニマニマと笑い出してしまいます。そして、時に切なくなります。
他の人の評価を見ると、やはり極端に割れてしまいます。リアリティを求めてしまうとダメでしょうね。こんな高校生は居ないし、周りの人物も変過ぎます。川上さんの作品は小説と言うより"物語"と読んだほうが良さそうです。何となくその世界に入り込んで、フワフワと遊べれば気持ちの良い世界なのです。
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久しぶりに再読。基本的に青春小説というものが得意ではないが、著者の作品なので読んだ。爽やかああはあるものの、著者独特の、苦みというか、ピリッとした痛みのようなものが随所に散らばされていて、やはり川上さんはいいなぁと思った。主人公のモヤモヤした気持ちは、そのままモヤモヤしたものとして描かれていて、押し付けがましくない。会話の文章がリズミカルで心地いい。
(2015.1)
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あたしは共感能力が低いので、情景を読む(という言い方が正しいのかどうかはわからないけど)ということが苦手です。
小学校の時の国語の時間、「情景っていうのはたんなる風景の描写ではなく、 登場人物の気持ちがあらわれたものだ」と習ったけれど、あたしには、言語化されていない気持ちというものがどうもよくわからないのです(言語化されていても、当然、すべてがわかるわけではないけれど)。
そして、これは情景とは違うのかもしれないけれども、事実の描写からその裏側を読む、というのも苦手です。
例えば、「それから平山水絵は、泣くかわりに、笑いはじめた」(p.353)という描写。
そんな文章で終わられてしまうと、そこから何を読み取ればいいのか、さっぱりわからないのです。
だから、全体的に、何がテーマになっているのか、何を描きたいのか、なんだかよくわからないなぁ…という感じの本だったのだけれど、でも、それでも、この本はかなりおもしろかった。
文章の、あるいは書かれている内容の、センスがいい。
あたしの中で、センスのよい作家ベスト2は、断然、江國香織と伊坂幸太郎ですが、それに次いで、センスがいい。
言葉の使い方に慎重な感じが好もしい。
心理描写なんて、描写対象である心理自体が曖昧なのだから、いくらでも曖昧になろうものだけれど、きちんと言葉を選んで使っている、その清潔さ。
それがイイ。
それから、回想を入れ込むタイミング。
いきなり過去の回想が始まったり、いつのまにか現在の話に戻っていたり、あるいは、現在進行している物事とは無関係な(たぶん)回想が始まったりで、多少読みづらいけど、その飛躍のしぐあいが、ホントに「頭の中」って感じ。
そして、主人公が魅力的。
適度な(一般的には「過度な」?)客観性を備えていて、感情の起伏も大きくなく、そこが好ましい。
あたしとしては、すごく共感しやすい。
(共感能力がない、と言いつつ、共感性の低そうなキャラに共感できる、というのは論理矛盾だけれど)
川上弘美の本は初めてだったのだけれど、今度また買ってこよう。
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よくいる人物が、その手にかかると不思議な輪郭を帯びてくるのが、この人のすごいところだと思う。
マイペース=わがままなんだな、と気付いたのがこの頃。
親は違う種類の生き物/ダイエットできる自分が好き/男の子の名前の「翠」
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はじめは冗漫だなと思いながら読み進めてたけど、その長さもみんな必要なものだったんだな、と終わりかけのころには感じるようになった。なんだかよくわからないような感慨があふれてくる、まさにタイトルそのものの一冊。
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模擬試験の現代文で、この本の文章が出ていて。試験中にも関わらず、この本の全貌が知りたくて知りたくて。大学生になって文庫を見つけて、思わず買ってしまった一冊。出てくる人が、皆不思議で、でも、その不思議が違和感なく読めた。こういう文章の雰囲気好き。…模擬試験で読んだ一部分から想像したのとは、何か違ったけど面白かったな。