【感想・ネタバレ】襲来 下のレビュー

あらすじ

日蓮が唱えた「立正安国論」の中にある「他国侵逼」とは、大国が日本に攻め寄せるということを意味した。即ち、大陸の蒙古による九州への侵攻である。その予言を確かめ、蒙古の様子を探るために、日蓮の身の回りの世話をしていた見助が、朝鮮半島に最も近い島、対馬まではるばる遣わされたのだ。長旅を終えて対馬に到着した見助は、島民に温かく迎えられる。古くから島に住み着いている阿比留一族との交流を深め、蒙古の情報を見助は次々に入手していく。他方、日蓮はこの間、幕府からの弾圧や浄土宗による法難に遭うが、対馬と東国の間で二人の手紙のやりとりは続いた。そして見助が対馬に入って十余年、ついに蒙古が動いたとの情報が……。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

題名から元寇の戦記物と思って購入したが、下人の成長譚・ロードムービー的なストーリーで、これはこれで面白さがあった。が、
主人公は日蓮の耳目・手足として人生の大半を過ごす。想い人とも結ばれず、日蓮とも再会できずに亡くなるが、自分の一生は日蓮の依頼を全うし幸せだったと感じて亡くなる。
信仰を持った者は幸せなのかもしれないが、自分には残酷な話にしか思えない。なんか、やるせない。
主人公は無色透明というか、ロボット的。最初に受けた命令を実直にこなすだけ。かつての想いびとが蒙古に連れ去られても、日蓮の命令を優先して何もせず傍観するだけ。宗教の怖さを感じた。

元寇は神風により撃退できた印象が一般的であるが、実際には御家人達の奮闘による事がよく分かる。また当時の庶民の暮らしや交易が盛んであった事もきちんと描かれている。

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2020年09月06日

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