あらすじ
本は読み手を、いつも見守ってくれている。
本の声が聞こえる少年・榎木むすぶが、学園のアトリエを訪れると妖精が泣いていた。妖精のような少女は姫倉蛍といい、悠人先輩の妹だという。むすぶは先輩から妹が本に“罹患”しているのではないかという深刻な相談をされる。本と深く共鳴する“罹患”は、時に人を破滅的な行為に走らせてしまう危険な状態だ。さっそく蛍をよく知る本たちに話を聞きに行ったむすぶは、思わぬ壁にぶつかってしまい――。むすぶは本の言葉を解き明かし、少女の涙の理由を知ることができるのか!?
感情タグBEST3
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嵐が丘、読みたい……!
翻訳物はパワーがいるから極々々たまにしか手が伸びないのだ。故に未履修。気になる……。
蛍ちゃん、いいこだな。いいこだけど薄いという意味じゃない。むしろこういう子の方が感情移入する。できる。
夜長姫のエピソードは単行本の方にあるのかなって思っていたんだけど、どうやらそうでもない??
出版順じゃない読み方になってしまった訳だけれど、とりあえず単行本も読もう。ふふ。
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本と話せるむすぶ君のシリーズ2巻目。
今回もいろんな本が出てくるけど、これを読むと本の側の気持ちに思い至って大切に読まなきゃなあと思ってしまう。
小僧君は『神様』に会えて良かったねと思うし、ピッピさんたちはほんとに妻科さんを大好きなんだなあと嬉しくなる。
その妻科さんは、野村作品のいつもの好きだと言えなくて悶々としてしまう切ないヒロインかと思っていたんだけど、意外と早くにちゃんと気持ちを伝えられてよかったけれど、本がライバルはやっぱり切ないなあ。
頑張って!
妻科さんに言い寄っていた先輩は最初いやなやつだと思ってたら、急に好感度爆上がりでこちらも驚いた。
そして夜長姫との出逢いのエピソード。
本格的な関わりはまだだけど来るべきヤバイ出来事が予想されて次巻以降が恐い。
ファンとしてはその内ちょろっと文学少女のキャラだ出て来ないかなあと期待してしまう。ぜひ。
Posted by ブクログ
第一話
志賀直哉は、11年前に『和解』を読んだ際、あまり面白さを感じ取れずに終わってしまった思い出。この短篇ではタイトルどおり『小僧の神様』を題材にしている。読んだかどうかすら覚えていないが、当時よりも幅広い小説を読んだからこそ、志賀直哉の良さが分かるのかもしれない。読みたい本が増えて辛いが、これも読みたいリストへ。
第二話
挿絵が可愛かった。サブヒロインが幸せになるエンドも見たいけど、超絶不幸な振られ方するエンドも見たい。
第三話
『嵐が丘』は小説で読む前にどこかで白黒映画を観てしまったからか、復讐譚としての印象が残っている。それだけに、他の短篇同様、良い使い方してるなと読んでいて爽やかな気持ちになれた。
第四話
どっかで見たタイトルとイラストだなと思ったら、バイト時代にレジ横で平積みされていた本だった。当時の私はまだ若く、斜に構えてビジネス書や大衆文学を読もうとせず、ましてやこの手のタイトルの本を手に取るはずがなかった。読んでいたら今頃独身ではなかったのだろうか。
ラブコメの華は失恋である。主人公に正妻がいる中で、本作の(現状)サブヒロインである妻科さんは無難に他のキャラとくっつけられてしまうのか、逆転ホームランを決めるのか、非業の死を遂げるのか。
第五話
恐らく3巻に描かれるであろう、主人公とヒロインをめぐる話の序章。これを読んで早速元ネタである坂口安吾『夜長姫と耳男』を読んできた。『桜の森の満開の下』が好きだったが、『夜長姫~』もヒロインに数牌にも似た感情を抱く主人公の様子にゾクゾクし、非常に良かった。
鏡見子という少女が原作の夜長姫のオマージュとなるのだろうが、幻想味と非現実さを持つ物語をどのようにストーリーに落とし込むのか、今から楽しみだ。
出来る事なら
最後の二人のなりそめは、もう少し事の詳細を書いて欲しかったかな。
再び出会うまでの流れが解らないと、作品自体の面白さも欠けると思うんだが。
あやふやにし過ぎてしまうと、今の二人の関係をもあやふやにしてしまう。
他の章の作品は解り易かったのに、肝心な章がこれではねぇ〜