【感想・ネタバレ】夜の公園のレビュー

あらすじ

「申し分のない」夫と、二十五年ローンのマンションに暮らすリリ。このまま一生、こういうふうに過ぎてゆくのかもしれない……。そんなとき、リリは夜の公園で九歳年下の青年に出会う――。寄り添っているのに、届かないのはなぜ。たゆたいながら確かに変わりゆく男女四人の関係を、それぞれの視点で描き出し、恋愛の現実に深く分け入る長篇小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

親しい友だちの夫と不倫をするという
すごく嫌な物語のはずなのに、禍々しい気持ちにならずにわりと爽やかに読めた、不思議。

それぞれ4人の視点で読み進めていく

みんな結局好きや嫌いの線引きが曖昧な気がする
この人のここが好きだったと思うのに
いや、この人のどこが好きだったのか
お互い不倫しまくりなの
修羅場なんぞなく、それはそれで寂しさを感じる

結局最後は親友同士だけがお互いを忘れずにいる
この友情とはなんぞや

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2024年02月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 章ごとに、リリ、幸夫、春名、暁と視点が移っていき、お互いが緩く関わり合いながらそれぞれの生活や将来を変化させていく話。
 全体を通して大きく視点が二周しており、一周目では四人全員の浮気現場がバレる同じ事件についてのそれぞれの視点だったが、二周目ではリリが離婚を決めたことを発端に章が進むごとに時間も進んでいっており、とても面白かった。物語の登場人物は、皆どこか自分の居場所に悩んでおり、どうしてここにいるかも分からないけど、それでも何かしらを求めて生きていく。薄暗く少しでも遠くにいる相手の顔などほとんど見えないが、近くを通り過ぎたり一緒に歩く時にはちょっとは、はっきりして見え、それでも離れれば分からなくなる最初に描写された「夜の公園」の散歩が、そのままこの小説のテーマなのかなと思った。
 文章に関しては章の登場人物ごとにイメージを変えており、春名は軽く幸夫はどろっとしているという風な印象を受けた。だからこそ川上弘美らしさを文章全体から感じることは少なかった。また、描写が素晴らしく、特にリリの妊娠が発覚した時やその後の決意の描写が好きだった。ただ、純文学なのでつっこむ方が野暮なのかもしれないが、最初の暁のナンパに乗るリリのシーンで、お互いの考えや心情などが全く分からず、動機が薄いように感じた。

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2022年11月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんだろう…なんだろうなこれは…。
根幹に友情が根付いた状態の2人がお互いにそれに引っ張られたまんまずるずる恋愛する話なのか、良い時期に良いタイミングでことが運ばれなかったがばかりに深くなり得た恋愛がいともたやすく瓦解していく話なのか。

「女だからこそわかる」みたいな種類の話だろうに女のわたしでもひとつもしっくりと理解することが出来なかった。
それどころか男にも理解が出来なかった。このお話的に考えると己の幼さゆえということになるんだろうか。
果たして本当に己の幼さゆえ理解出来なかったと考えて終わるべき話なんだろうかね。

本の物語としての性質は読み手のメンタルを消費しつつ感情や関係性を問うようなお話で、なんというか自分が傷をおっている時にこの本に助けて貰おうと思っても余計深手を追うだけというかんじ。精神に余裕があって、かつ哲学書を読んでデカいテーマを考えてやろうというよりも身近な不思議を考えたいみたいな時に読むべきかなあ。
少なくともわたしは呻きながら読みました。

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2023年06月18日

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