あらすじ
“あさこ”とは何者だったのか? 彼女の実像に迫る手がかりを得るため、同級生・美希の元を訪れた将司と優花子。そこで彼らはアルバムの中から一枚の写真を見つける…。そして、謎の美女・あさこについて…美希は記憶に残る、彼女の思い出を語り始めるのだが!? 「無意識のうちに放っていた俺の無垢な言葉の棘が、彼女を深く傷つけていたのだと長い年月をかけて今、ようやく理解した。」 振り払えぬ過去を未来へと変えるため…。真実を追う恋物語。
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素晴らしい作品
思春期の少年が大人の女性、あさこに抱く憧れを描いたほのぼのした作品かと思って読み続けていたら、親を失った子供、親の虐待を受けた子供の話。服従を強いて万引きを強要するいじめの話などが出てきて、話が発展。さらに過去と現在を行き来し、短期間の滞在で姿を消したミステリアスな女性、あさこの謎を追う展開に。現在、成長した（落ちぶれた）少年、少女の姿を見るのも眩しい気持ちがします。彼らに大きな影響を与えたあさこの秘密が少しずつ明らかになってきて、ぐいぐいと話に引き込まれていきます。作者よしだもろへ先生のストーリーのプロットがうまい。素晴らしい作品に久々に会えた気持ちです。続きが楽しみ。
