あらすじ
1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々と浮かぶが、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と「容疑者」の娘・西本雪穂――暗い目をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別の道を歩んでいく。二人の周囲に見え隠れする、いくつもの恐るべき犯罪。だが、証拠は何もない。そして19年……。伏線が幾重にも張り巡らされた緻密なストーリー。壮大なスケールで描かれた、ミステリー史に燦然と輝く大人気作家の記念碑的傑作。
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Posted by ブクログ
大学一年生の時に読んで、東野圭吾にハマるきっかけになった本を再読。全然内容を覚えていなかったため、まるで初めて読むかのようにページをめくる手が止まらず、こんなに分厚い小説なのにも関わらず1週間で読んでしまった。
独特の読後感と、薄暗い雰囲気がこの方の小説の魅力であり、読み終わった直後はしばらく呆然としてしまった。登場人物や場面の切り替えが多く月日も20年分に至るが、非常に読みやすく、気づけば2人の主人公が交錯していく場面が後半に出てくるのを今か今かと期待しながら読んでいた。
何かを失うということは、それがなかった状態に戻るということではない。というような一節には大いに共感した。登場人物の男女関係を通して、愚かだと分かっていても失うことが怖く踏み切れない気持ちに共感した。
2人の主人公はいずれも周りから疎まれるような容姿や才能に恵まれているが、実は壮絶な過去を共有しているのである。ラストシーンで桐原がどんな想いを持って雪穂を訪ねたのか。またハサミを常備していたという点も自らの最後を悟っていたのかと思うと何ともやり切れない気持ちである。雪穂は桐原のことを知らない人だと言うのも、心のうちではどう思っていたのか。せめて悲しさで溢れていてほしい。ふたりともきっとずっと孤独で、太陽の昇らない白夜行をともに歩いて、でも決して手を繋いでいることが見つからないようにしていたのだろう。
Posted by ブクログ
名作といわれているのを読みたくて初めて手に取った。
お互いが沈まぬ太陽(の代わり)であり、2人が歩くのは完全な暗闇でなく、明るい白夜の中であること
「白夜行」の意味がわかったとき、なんともいえない気持ちになった。
メインとなる2人の感情描写が一切ないから、本当のところはあまりわからない中で、亮司が典子や友彦に見せた人間らしさにすこし同情した。
「太陽の代わり」だった亮司を、雪穂は最後冷たく切り捨てたように見えたが、彼女はこの先太陽の下を歩くことはないのか、
それとも「どんな形であれ2人とも逃げ切る」というのが彼らの間で交わされた約束だったのか
あるいは、最初からこれは雪穂の物語だったの?
Posted by ブクログ
金、暴力、セックスを巡って雪穂や桐原亮司が画策、暗躍、共犯する作品
雪穂と桐原亮司の関係を考えると、言葉で表すのが非常に難しいと思う(仲間、共犯、恋人、パートナーどれも違う気がする)
『太陽にかわるもの』と作中で出てきて、最後にそれを切り捨てて、雪穂にとって桐原亮司とはなんだったのか考えるのが止まらない。
Posted by ブクログ
雪穂の心境は、母親に対する失望、世の男性に対する失望、貧しいだけでなぜ自分がこんな目に遭わなければならないのかという世の中の理不尽さに対する苛立ち、こうした負の感情が常に渦巻いている。
亮司の父親らにされたことが原因で、自分を好きになることができなくなってしまったから、自分を取り繕って強く大きくさせているだけ。雪穂は誰よりも他人の評価、世間体を気にしてしまう孤独な人間に、周りの大人によって変えられてしまった被害者である。
そして、亮司もまた周りの大人によって感情を素直に表現すること、倫理観をねじ伏せられてしまった被害者なのだ。彼は本来ならば義理堅い優しい人物なのだろうと想像できる。
雪穂→亮司 同じ毒親持ちという仲間意識
亮司→雪穂 実父が償いきれない罪を犯して申し訳ないという贖罪意識
二人の人生は、事件を隠し通すことでしか絶望から這い上がることができなかったのではないか。一度逸れた歯車はそう簡単に直すことはできない。
もう少しまともな大人が周りにいて助けの手を差し伸べることができたのなら、負の連鎖が続くことはなかっただろう。
傑作といわれる所以が非常に腑に落ちた物語であった。
Posted by ブクログ
・幻夜→白夜行。順番間違えたけどそれはそれでよかった。スターウォーズ方式で楽しめた!
・ドラマを昔観ていて覚えてないけど、小説読んで「ん?こんな感じ?」と。なんかもっと2人の絆が深い印象だったけど、亮司がただの駒にされたみたいな感じで悲しくなった。
・やっぱり雪穂は雪穂なんだ。いつからこんななっちゃったの?なんなら質屋を殺させる為にあえて現場に遭遇させたんじゃないか?とか...
・友彦と弘恵のパソコン店は続いてるかな...
Posted by ブクログ
分厚いとは聞いていたけど、実物を目の前にして、最後まで読み切れるのかなあと心配になるくらいでびっくりした。
ブックカバーに入らないし持ち運べないから家でもくもくと、、
でも夢中で何ページも読めるくらい読みやすくて面白いしすぐ読めた❗️
読むたびに新しい名前が出てくるけど、頭の中で人間関係が整理されてて理解しやすかった。普段は登場人物多いとごちゃごちゃするのにこの小説はすごいな〜
最後まで雪穂を守りきった亮司はさすがすぎるし、それに対して雪穂はどう思ってるのかな!
みんなが東野圭吾を通る理由がわかった(^_^)
Posted by ブクログ
これほど分厚い本を果たして読めるのか、と思いつつ、手に取ってみた
コロコロ変わる視点、舞台に混乱しそうになるも、どこかに雪穂と亮司の影があると思うと、どこに仕掛けがあるんだと勘繰ってしまいページをめくる手が止まらなかった
解説を読み、雪穂と亮司の内面が語られていない、というのに成程と思った。読めば読むほど雪穂と亮司のことが知りたくなるのに、謎が増えるばかりで二人の心情は何も見えない。だから読んでしまう。
最後まで二人の心情が語られなかったこと、そして結末そのものには残念、というかモヤモヤした感情があるが、語られなくて良かったのかもしれない、とも思う
白夜の道を二人で行くしかなかった、雪穂と亮司の思いは読者である私すらも知ってはいけないような、そんな気がした
パズルのピースがどんどん埋まっていくような感覚で、読んでいてとても楽しく感じた
Posted by ブクログ
以前読んだが内容忘れていたので再読
桐原は現れないのに物語の裏で動くのが、感じられてゾクゾクした。
雪穂と亮二は互いに無くてはならない存在でありながら、独りで生きた
独り同士で強く強く生きていた。
匿名
白鳥とコウモリを読んでから見た。あっちは被害者の娘と容疑者の息子だからこれとは違うが、この本があったからこそ白鳥とコウモリが輝くのだと思う。太陽を失った雪穂がどう生きていくのか、今まで通り何事もなかったようにできるのか、或いは・・・
Posted by ブクログ
長いけどあっという間。
輪郭だけ描かれるので明確にはなるが、本当の中身は想像次第なのが余韻抜群。
雪穂はあれだけの事をしているが、嫌いにはなれないよなぁ
Posted by ブクログ
長い割に納得のいかない終わり方だった。
2人はどうして、罪を犯し続けたのだろうか。
罪を犯すというのは相当の精神的疲労を伴うはずだ。自分であればすぐに諦めていただろう。
誰かのためにあそこまで罪を犯し続けるということは精神的に可能なのだろうか。機会があればもう一度読み直して、2人について理解を深めたい。