あらすじ
累計290万部突破。直木賞を受賞した大ベストセラー!
天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、2人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。
福山雅治主演で2008年に映画化され、堤真一、松雪泰子の熱演も話題になった。
※この電子書籍は2008年8月に文藝春秋より刊行された文庫を底本としています
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Posted by ブクログ
皆さんおっしゃる通り、切ない。
石神は刑務所にいても数学に打ち込むことができ、母娘が幸せであれば、もうそれだけで石神にはハッピーエンドだったのでしょう。
靖子はいったんは工藤から贈られた指輪をはめてみて、石神の言うとおりに生きようと決断しかかります。
しかし、娘のリストカットがその決断を覆させました。「このままでは娘が壊れる」と考えたのでしょう。
美里は石神を信頼しており、自分たちの罪をかぶって石神が自首した(第2の殺人は知らない)ことが耐えられなかった。また、工藤と母の関係も受け入れられなかった。美里目線ではそのようなことだったのでしょうね。
さすがの石神も娘の心情までは読み切れなかったということでしょうか…。
湯川は石神のことを「純な男」と言いましたが、まさにその愛は純愛でした。
ミステリーであり、純文学。
素晴らしい作品でした。
なお、家内もこの本を以前読んでおり、「切ないね」と言ったら、「あそこまでする~?」というガッカリな感想が返ってきました…w。
Posted by ブクログ
最後のアリバイ工作だと思っていたのが実は親子を庇うためだったとかそれでも償うことを選んだ親子とか最終盤の展開がとことん良い。間違いなくガリレオシリーズの中で最高。
Posted by ブクログ
心にグサグサとくる感動的な話。
映画の方を先に観ていたけど、原作もやはりいいなぁ。
トリックも素晴らしいけどやっぱり石神の人間模様がいちばん心にくる。
花岡靖子に渡した3通の封筒と一緒にあった手紙の文章を読んで泣けてきた。
『工藤邦明氏は誠実で信用できる人物だと思われます。彼と結ばれることは、貴女と美里さんが幸せになる確率を高めるでしょう。私のことはすべて忘れてください。決して罪悪感などを持ってはいけません。貴女が幸せにならなければ、私の行為はすべて無駄になるのですから。』
これは涙なしには読めない。
石神が自殺しようとしていたところにちょうど訪問した母娘に感じた石神の感情にも泣けてきた。
人は時に、健気に生きているだけで、誰かを救っていることがある。
素敵な言葉。
また映画も見返したいなぁ。
堤真一の演技でボロ泣きした記憶がある。
Posted by ブクログ
湯川と石神の賢さに圧倒された。創作において自分以上に頭の良いキャラクターを作り上げることはできないとどこかで聞いたことがあるが、それを踏まえると東野圭吾さんの聡明さを節々から感じる。
最後の石神の、「人は時に、健気に生きているだけで、誰かを救っていることがある」という言葉が印象に残っている。靖子が、弁当屋の夫婦は石神が靖子に好意を持っていると言っている、ということを石神に告げた時に石神はまた容姿のことをからかわれているのだろう〜といったようなことを考えている。湯川はダルマの石神というあだ名を敬意で使っているが、一般的には丸いシルエットの人をダルマと呼ぶのにあまり良い気持ちはしない。石神は論理を重視するので人からの好意は興味ないんだろうけど、人間であるから傷つく心はあるだろう。人を傷つけるのが人なら、人を癒すのも人だという言葉を思い出したなぁ。ミステリーだけど、ヒューマンドラマでもあるよね。途中まで読んで他のことしようとしても気になって仕方なくて、一気に読み進めてしまった。
堤真一さんの演技がすごい〜という話を聞いて映画を先に見たんだけど、確かに堤真一さんすごかった。映画でストーリーを知っていても尚、面白い小説でした。
読んでからしばらく経ってもこの作品のことを考えるんだけど、途中石神がストーカーみたいになった時、やっぱりそうなっちゃうかぁと多少の不気味さを感じたんだけど、最終的にストーカーの犯行にするための場面だったんだ⋯⋯というのに今更気づいて、騙されたしまさに「献身」だと感じてる。
Posted by ブクログ
まさかの結末で読み応えがあった
初めから犯人が分かった状態で
どうやって犯人がみつかるのか
推理しながら読むのが
楽しかった
石神の愛が儚すぎた
でも最後自供してくれて私的にはよかったと思った
また再読したい!
さいあい
急に読みたくなり、再読しました。久々の湯川准教授との再会だったので、自分なりの湯川准教授を思い描きながら読みました。天才と言われながらも、できの悪い生徒相手の高校教師の石神。湯川准教授との対比がもの悲しく感じられた。隣人の花岡親子への自己犠牲的愛情。靖子の最終決定を促したのか娘の美里だった。映画の主題歌「最愛」がキーワードだったんだなと、こころが締めつけられました。
Posted by ブクログ
ずーっと読みたかった名作!!!
全く読めない展開だった。そしてこの話何より切なすぎませんか??
殺された冨樫以外みんな元々は悪い人じゃないのに誰も幸せになれないお話な気がする。
さすが東野圭吾、相変わらず一気読みできる素晴らしい作品だった!
Posted by ブクログ
読み終わりました。
東野圭吾2作品目非常に読みやすくてよかった。
トリックは思った通りだった。
娘が自殺未遂をした事がお母さんが出頭したきっかけになったのかな。愛ってすごいね。、
Posted by ブクログ
初めて東野圭吾作品を読んだけど、時の流れと今誰の目線なのかがスムーズに読み込めたので状況把握しやすくてスラスラ読めた。面白くて1日で読んじゃった。最初から犯人が分かっててこの後どう持っていくのかなと思ってたけど、私自身も石神の思惑通りに考えさせられてた、事件当初から見直してみたりした
細かい所まで2人のためを思う石神の想いが貫かれていた、
石神にとって花岡母娘がどんな存在だったんだろうと考えるとすごく切ない、喜ばしいような、悲しいような、、、
ストーカーの説明の紙に書いてあった工藤を勧めるような文章を見た時から最後まで胸が苦しくて泣いてしまった、
ラスト靖子が目の前に現れた時絶望の中にプラスな気持ちはあったのかな、少しでも報われたと思えたのかな?あまりそう思えないラストでより1層苦しかった。
また時間が経ったら読んでみよう、映画も他の作品も読んでみようと思った。
Posted by ブクログ
ずっと読みたいと思ってた超有名作品をやっと読めました。期待通りの読み応えでとてもよかった。
ラストを読んだのが昼間だったけど、夜だったら涙なしには読めなかった、あぶないあぶない。
自分が理系出身なので、東野圭吾や森博嗣の理系ミステリはとても親近感わくので大好き(この作品の本質はそこではないけども)。そして、男性としては石神にも工藤にもとても共感できる部分があった。みんな幸せになればいいのに。。。
最後で核になったのは、娘の美里でしたね。石神も靖子も美里の気持がわかってなかった。しっかりしたいい娘ですね。
ミステリのトリックも、読者も騙されましたね。途中から意識してなかった日付が出てきて、誘導されましたね。読者は犯行をしってるし、アリバイが無いのもしってるはずなのに、曖昧なままにしてるので、警察同様にアリバイトリックばかりに気がいってしまいました。
ミステリとしても、物語としてもとても凝ってて話題になるのも納得の作品でした。