あらすじ
ツェツィーリアを巡って帝都を駆け回った事件も解決し、どうにか帰還を果たしたデータマンチ転生者エーリヒ。
しかしエーリヒの知らないところで事件の波紋は大きく広がっていて、雇用主であるアグリッピナに望まぬ栄達が押し付けられる事態に。
しかも与えられた伯爵領は利害関係が絡まり合う厄介極まりないもので、どう考えても面倒ごとが待ち受けている様子。
そして当然のように巻き込まれるエーリヒは“貴族の側仕え”としてアグリッピナに連れ回され、今まで以上の激務の日々を送ることになるが……?
ヘンダーソンスケール行方不明のデータマンチ冒険譚、策謀渦巻く第5幕!
もはやクドいとすら評される、濃厚な描写で紡がれるステ振り異世界ファンタジー!
TRPGをこよなく愛した前世を持つ主人公・エーリヒ。
彼が転生の際に得た権能は、ストックした熟練度を自分好みの技能に割り振ることができるものであり、TRPGのシステムそのものだった。
前世では「データマンチ」と呼ばれる種類の人間であったエーリヒは、自身をTRPGのキャラクターに見立てて最強のビルドを目指すべく、2度目の人生を謳歌する。
この主人公・エーリヒ、達観した視点を持ち、普段は思慮深く合理的な行動をとるが、いざとなると感情を優先し時にヘマもする、実に人間臭い人物であるところがなんとも面白い。
本作は1巻ごとに一括りの物語が進行する構成が基本となり、それぞれにヒロインキャラ(蜘蛛人の幼馴染を筆頭に非常に尖っている)が登場。後半には安易な俺TUEEEはナシの白熱のバトルも。
TRPG風の文章が独特の雰囲気を醸しつつ、よく練られた世界観が丁寧に描かれていく読み応えのある一作だ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
序盤の4人でわちゃわちゃしてるとこ好き。戦闘シーンもエーリヒが中々強キャラになってるとこが分かって良い。渇望の剣ちゃん地味に好きだ。 そしてこれまでの本編ヘンダーソンスケール全部合わせて一番甘ったるいアグリッピナルート。 特にエーリヒ死後と帰還後の思考と行動が解離してる広義のツンデレアグリッピナ最高。