あらすじ
冬の足音が近づく晩秋の浅草。晴れて営業再開となった栗丸堂には、ふわりと微笑む和菓子のお嬢様と、苦い顔をした若主人の姿があった。
それもそのはず、伝統ある茶道家・白鷺流宗家から関西支部の客人を饗す茶菓子の用意を頼まれたのだ。浅草に軒を構えたばかりのライバル店「夢祭菓子舗」の主も同じ依頼を受けているという。
和菓子をめぐる騒動は、秋の空のようにころころとその表情を変え--。にぎやかであたたかい、おいしい人情物語をどうぞ。
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Posted by ブクログ
歴史が上手く絡んだ話が出てきて、読んでいてすごくワクワクしました。
突然全然知らない人たちの話が始まって何事かと思いましたが、これから少しずつ繋がっていきそうだし、何気に重要そう…? そして嫌な予感もします。
上宮さん、いったい何者なんだろう…。何やらすごそうな人だということは今回改めて分かったけど、本当に謎だらけで気になります。いつ明らかになるのでしょうか。
今回登場したすあまという和菓子、たぶん一度も食べたことがなかったので、せっかくなので食べてみました。一口食べたときは「味がしない…?」と思いましたが、じわじわと口の中に優しい甘さが広がっていって美味しかったです。小説内の「生地を歯で心地よく押し潰すたびに、淡い甘さが口いっぱいに広がる。ほっとするような素朴な甘さだ」という描写が的確すぎる。
Posted by ブクログ
台風で看板が店に直撃し、改装していた店がようやく営業再開。ドキドキしてましたが、お客さん戻ってきてホッとしました。
人形焼を見ただけで過呼吸を起こした由加。見たこともない不気味な形の人形焼が宅急便で送られてきて、その意味とは…
ハッキリ付き合おうと言葉にしなくても、何となく付き合っている雰囲気になっていた由加だけど、本心ではそこまで相手に大して恋愛感情を持っていないのにそんな雰囲気なのは、結構厄介ですね。しかも、相手が良い人だったならまだしもアレはない。栗田のお陰で曖昧な関係が終わらせられて良かったです。
葵との付き合いも、家柄ゆえ不安な要素もありますが、今後葵の家とどう向き合うのか不安ですが楽しみです。