あらすじ
「私、家出することにしたんだっ」すべてはその一言から始まった。 夏休み、家族と喧嘩してしまった紫陽花さんは、意地になって家出すると言い出した! 一人旅は危なすぎでしょと焦ったわたしは、勢いでその旅に同行することに。わたしが天使を守るんだ! 海沿いの町に泊まって、卓球をしたり温泉入ったり、紫陽花さんが甘えん坊妹になっちゃったり? さらに真唯まで現れて、旅は一気に賑やかに。元気になった紫陽花さんも家族と和解して、一件落着。――のはずだったんだけど。わたしはずっと気づかなかった。紫陽花さんがどんな想いでわたしと一緒にいてくれたのかを。募った想いが咲き誇る青春ガールズラブコメ、急展開の第3弾!
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ありそうでなかった、新進気鋭の青春ガールズラブコメ!
高校デビューに大成功した元陰キャの女の子、甘織れな子。
学校でトップレベルの陽キャグループに所属することができたれな子だったが、ある日グループの中心人物である王塚真唯に愛の告白をされてしまった…!?
これは最高の友達を作って高校生活をエンジョイしたい主人公・れな子が同性の美少女に言い寄られ、次第に価値観が揺らいでいく様子を描いたお話。
「親友」と「恋人」どちらがいいかという勝負を行う中で、根が陰キャのままのれな子がオロオロと翻弄され続ける姿が楽しい。
グループ内の他の女の子たちもヒロインとして順繰りにフォーカスされ、まさかの展開もあったり。
著者のいう通り「かわいい女の子がかわいい女の子に恋をすれば、二倍かわいいのでは……!?」を体現した作品である。
テンポ良くコメディに寄った作風は、百合好きはもちろん、百合モノがはじめての方にもおすすめ。
百合ラノベ?ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)
感情タグBEST3
匿名
紫陽花さん。ましで魔性です。紫陽花さんに甘えたいな。なんでもてているのか分かる気がしました。優しい人ですは小悪魔感あるのが好きでした。やはりれな子こんやろーってなるなる。
Posted by ブクログ
紫陽花さん、自分の本音を出しても相変わらず可愛いなぁ。
れな子の行動がことごとく「ヒロインを惚れさせるラブコメ主人公」のそれなんだよなぁ(本人が無自覚なのも含めて)
紫陽花さんまじ天使!
紫陽花さんまじでかわいい!沙月の話から紫陽花さんにどんな闇があるんだろうと思っていたんですけど、それがわかったあとでもなお紫陽花さんの可愛さが引き出されてよかったです!
本読んで笑ったのは初めてです。紫陽花が一番かわいくて好きなキャラ。高校生の頃の人間関係や恋愛にウブで成長していく描写が素敵。次の巻楽しみにしてます。伏線回収で三角関係がどうなるかな。わくわく
まぁまぁかな?
読んでて不快感を覚えないユリユリ。
作品の内容さえしっかりしていれば、基本的にジャンルは問わないし
嫌悪感も抱かない方なので、普通に読める作品。
国語力ってそう云うものだと再確認出来た。
Posted by ブクログ
百合作品で友情が描けるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)という感じの作品。
実際には百合作品で友情が描かれることは多いので、、、たとえばマリみてとか、友情をテーマになっていることはとても多いのだけれど。
前作の「女同士とかありえないでしょと言い張る女の子を、百日間で徹底的に落とす百合のお話」では、一巻で恋愛関係になり、それ以降、ずっと恋愛関係の話を描き続けてきて、それなりにリアリティはあったけれど、今回のれな子は、3巻に至っても落とされない。
落とされない代わりに、ラブコメ的主人公的な鈍感さだったり、男子高校生的な拗らせ方をしたりとか、また、ヒロインとなる真唯が漫画的なスパダリになったりとか代償はあるものの、それなりに面白い。(あと、恋愛関係が描かれず、性愛関係にも入らないので、不自然なほど、一緒にお風呂に入るシーンが毎回出てくる)
今回は恋愛関係に陥らず、どうやって友情関係を構築していくか、ということが描かれている。
今回は、グループ内の癒しキャラ、紫陽花と旅行に行くお話。紫陽花さんは紫陽花さんで良い子であろうともがいている。
今作はどうも評価が難しく、なんとなく、キャラクターの内面に到達するまでのわちゃわちゃが長く、核心に辿りつくまで、冗長に感じてしまう部分はある。核心に辿り着けばちゃんと面白いので、読めてはいるけれど。
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紫陽花は、今にも癇癪を起こして駄々をこねてしまいそうになる自分の心を、丁寧にあやす。七五三の頃のワガママだった小さな女の子は、額縁に閉じ込められて、もうどこにもいない。
ここに立つのは、周りの人の幸せを第一に考えることのできる、高校一年生の立派な少女。
大人のお姉さんを目指す、明るくて、前向きで。
みんなから『天使』と呼んでもらえる——いい子なのだから。
うん。
ひとりぼっちの部屋から出ることができたのは、わたし自身がドアを開いたからだ。
外の世界では、いろんな人が手を貸してくれて、助けてくれて、居場所を作ってくれた。それでわたしは本当に救われたんだけど。
でも、最初のきっかけはやっぱり、他でもない、自分がドアを押し開けられるかどうか。それだけなんだ。
でもね、新しいなにかを手にしたいと一度でも願ってしまったら、それはもう呪いのようなものなんだ。どうにかするためには、自分から一歩を踏み出すしかないんだよ。君になら、わかるだろう?
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