【感想・ネタバレ】紙屋ふじさき記念館 あたらしい場所のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

終わってしまった…世捨てハイスペック紙オタクだった藤崎さんが、冗談を言ったりにっこり笑ったりする姿におばちゃんホロリ。百花ちゃんはずっとずっとそばに居て、廃材の和紙の如く都度都度蘇らせて上げてほしい。ほしお作品の人々が川越に集結してきたのでシリーズまたいだビックイベントが開催されると良いなぁ。
このシリーズで知り、訪ねた場所、探した物は数知れない。作中の紙屋さんがどんなものなのか名古屋の「紙の温度」さんに行ってよく分かった。ネパールの和紙「ロクタ紙」即刻購入しましたとも。
うだつの上がる町並みを実際に訪れて、あるお店の方に言われたのは、紙の種類の違いはネットでは伝えられない。だからうちはネット販売はしていない。確かに目の前の2つの物は形こそ同じようだが明確に違いがあった。色、質感、紙の厚さ、重さ、カメラには同じように写るのに。作中にあるように、ネットは視覚と聴覚情報に偏っている。実感としてよく分かった。
今年は名古屋に知己を得たし、次回の美濃旅行は絶対に火曜日(定休日)じゃない日に行くぞ(涙)

紙媒体の世界を維持してゆくのは今とても難しくなっている。だけどデジタルデータは完成していてもそれ単体では存在できない。内容を現すには必ず電力と機械が要る。私の体でもってすぐにアクセス出来る物。実体の力は絶大だ。人間が身体から解き放たれることは無いから。データと物は役割が違うのだ。
ほしおさんの作品はただの紹介ではなく、羅列ではく、物の本質を見つめようとする姿勢がある。
決して古きを崇め、新しきを否定したりしない。今ある技術を生かしたまま、どのようにしたら未来に活かしていけるのかを模索する。そこがとてもとても好きだ。

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2024年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大好きなシリーズの最終巻。
主人公だけでなく、他の登場人物の成長も感じられたお話でした。浩介さんの場面では改めて、コロナ禍が人と人の関係だけでなく、個人の考え方にまで与えた影響を考えさせられました。

物語は新記念館の開館を迎え、前へ進む形で終わりを迎えるのがすごく好きだなと思いました。あと著者の他のシリーズの登場人物や建物・店の名前が出てくるので、ふふふっと口角が上がってしまいました。

このシリーズは個人的に、自分と共通点や近い点が多い(紙雑貨好き、川越と日本橋の立地、百花の大学の場所、1つ違いの学年……)ので、終わってしまうのが、少し寂しいです

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2024年04月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

紙屋ふじさき記念館シリーズ7作品目で、この巻で完結です。
藤崎産業に入社した百花が、記念館準備室に配属になり、一緒に配属された同期入社メンバーと協力し、模索しながら新しい記念館の開設に向けて取り組んでいく過程が、ちょっと駆け足気味に描かれます。
新しい記念館は川越。元は呉服店だった店蔵を改装することになり、記念館のコンセプト、展示構成、内装などを、イチから組み立てていきます。
一成がトップにいるとはいえ、新卒新入社員達で、会社にとってそれなりの規模であろう新規プロジェクトに、これだけガッツリと、しかも割と自由にやらせてもらえれば楽しいだろうなぁ。その分プレッシャーもあるとは思うけど。
途中、物語ペーパーの題材となっていたお父さんの著書の復刊が決定したり、過去のシリーズ作品で登場した人たちや、旧記念館でプロデュースしてきたブランドが次々と登場(回想)してきたり、ちょっと総集編っぽく「まとめに入った」印象を受けました。
ラストも、新記念館のオープン記念式典が始まるところで終わっているので、個人的には、物語としての「余韻」や、「未来への展望」を感じさせるというよりは、少し物足りなさを感じる幕切れに感じました。もう少し続きが読みたかったなぁ。
ただ、シリーズ全体としては、とても好きな作品です。

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2024年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なかなか辛かったです…

半分くらいは、前回までのおさらい、という様なストーリーで、とにかく話が進まない。
そこから徐々に進むが足踏みで、残り30ページが一気にイベントへ。

これまでがあって、新しいふじさき記念館がある。
これまでの百花があって、藤崎産業の百花がある。
というのはよく伝わった。

もう読みたくないかなと思ってしまった…

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2024年01月08日

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