あらすじ
本書を推薦します!
魚谷雅彦氏(資生堂社長)
伊藤邦雄氏(一橋大学経営管理研究科特任教授)
『PEOPLE FIRST』こそ、日本企業がグローバル市場で勝つための戦略だ。
――魚谷雅彦氏(資生堂社長)
21世紀に勝ち残る条件は戦略ではなく人材経営だ。CEOとCFOとCHROの協働を唱えた衝撃の書。
――伊藤邦雄氏(一橋大学経営管理研究科特任教授)
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CEOがなすべき仕事は
人材の総責任者として
会社の命運を握る〈2%人材〉の
ポテンシャルを引き出し
人材ファースト企業への移行を
完遂することだ!
今日の経営幹部の大半は、人材こそが競争優位を生みだすことを理解しているが、企業が使っている人事制度は一世代前の遺産である。それらは、将来が予測可能な環境、伝統的な仕事のやり方、レポートラインと部門で人を管理する組織のために設計されたものである。近年、仕事も組織もどんどん流動的になるにつれ、事業戦略は予測可能な向こう数年間の計画を練ることではなく、絶えず変わりつづける環境のなかで新たな機会を察知し獲得することを意味するようになった――企業は新たな手法で人材を活用しなければならない。人材が戦略を主導しなければならないのだ。
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世界的ビジネス・アドバイザー、マッキンゼー・アンド・カンパニー前グローバル・マネージング・パートナー、コーン・フェリー副会長の3人がタッグを組んだ21世紀企業のための人材戦略ブック。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
CEOに向けて書かれているが、ヒエラルキーに生きるビジネスマンが、人材ファーストの変化を知るための良書。
ヒエラルキーからの脱却がテーマとしてある。これは今まで確立したやり方を手放す必要がある。確立しているやり方を手放すのは多くの場合、恐怖を伴うが、変化するためには必要。
まず人材ファーストと聞いて、そらそうでしょ。と思うが、今まで人材ファーストだと思っていたものが、全然違っていたことを思い知らされた。
現実とのギャップとして‥
ヒエラルキー型組織に依存している時点で変化の早い時代に対応できない(誰もが感じているが‥)。CEOは、クリティカル2%人材に、「自ら」かかわる(重要案件として時間を割く)。人事を財務の視点より下に組織するのではなく、対等に置く(人材ファーストだから)。人事は管理や手続き業務とは別に戦略にフォーカスした人材活用で会社の価値創出にかかわる(戦略のためデータアナリティクスも必要となる)。トップダウンではなく、ステップ・バイ・ステップで段階的にコンロールする。
人材が戦略を主導する。
戦略より、数字より、他の何よりも、まず人材。
イメージとしては‥
人材主導型組織のCEOは、バスケットチームのコーチになることと似ている。もっとも有能な人材が創造性を十二分に発揮し成功できるように支援すること。
これはCEOがどれだけ賢明でも、勝利を保証することはできない。トップ人材が勝利を掴み取らなければならない、ということ。
いよいよ、フリーエージェントの要素が強く、従来の終身雇用は、当てはまらない。
このような変化に対して、これから先何を準備すべきか?
1. CEO、CFO、CHROからなる「G3(Group of 3)」を形成し、財務と人材両方の視点から意思決定を行う
2. 「クリティカル2%人材」を特定して最重要なポジションへ配置する
3. 最新のHRテクノロジーを用いてデータに基づいた人事施策を実行する
これを行動に移すには、CEOの力は必須。そして目的を理解し、実行できる人材が必要。
人材ファースト、おもしろい。
選択と集中の対象が変わったということですね。
Posted by ブクログ
21世紀に勝ち残るカギは、戦略ではなく「人材」。世界屈指の企業経営のアドバイザー3人が、人材を最大限に活用し、成功するための企業戦略を説いた書籍。
人が価値を生みだす“人材ファースト”の組織へと変革する上で、基盤となるのは、次の3つ。
① G3を創る:
人事と財務を適切に連動させられるよう、CEO、CFO(最高財務責任者)、CHRO(最高人事責任者)から成るG3体制を確立する。
②〈クリティカル2%〉を特定し、育てる:
平均的な社員の何倍もの価値を生みだす社員を見極め、スキルを向上させる。
③人事をデジタル化する:
最先端の、人材志向の、データに基づくテクノロジーを活用する。
変革の基盤が整えば、職場を人材ファーストへ変革する。そのために必要なのは、次の3つの要素。
①アジリティ(機敏性)を備える:
大半の意思決定をチームや個人に任せ、社員全員が自発的に動けるようにする。
②「プラットフォーム」を考える:
小規模なユニットに意思決定や人事の決定などを委ね、社員の創造性を引き出す。
③仕事を意義あるものにする:
社員を変革の中心に据え、仕事の意義を探究する。
人材主導型企業は、万人向けではなく、個々に応じて人材開発を行わねばならない。そのためのステップは、次の3つ。
①デジタルツールを活用して、〈クリティカル2%人材〉を最適な仕事に配置し、成果をモニタリングする。
②社員に対し、年に一度の年次評価ではなく、適宜、複数の方面から効果的なフィードバックを行う。
③全社員が、継続的に学習し、スキルを向上させられるよう人材開発のシステムを改造する。
Posted by ブクログ
今後の企業経営においては、人材が最も大事であるという考え方の下、そういった「人材ファースト」の考え方と実際の施策をどのように展開していくべきかを説いた本。
とても良い本だと思うが、ラム・チャランは、常にこの「人材ファースト」の考え方に沿った主張をしているし、著作も多い。
私は、ラム・チャランの本を結構多く読んでいるので、あまり新鮮味を感じなかった。