あらすじ
1941年、第二次大戦下のロンドン、ある屋敷のメイドだったローレルの母ドロシー(ドリー)は、国防婦人会で向かいの屋敷の美しい作家夫人の手伝いをするのが生き甲斐だった。故郷の家族を空襲で失い、ひとりになったとはいえ、結婚を誓った青年もいて幸せだった。しかし彼女の運命は急転回する。ロンドンの大空襲、そして……。70年後、ローレルはあの恐ろしい事件の真相を、母の過去を弟と二人で探りはじめる。メイド時代、写真の女性、高名な作家。浮かび上がったのは思いも寄らぬ母の姿だった。モートン・ミステリの真髄ともいうべき傑作。/解説=杉江松恋
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Posted by ブクログ
二作目のケイト・モートン。
前作「忘れられた花園」と同様、現在と過去が交互に描写されながら真相に迫る物語。
現代パートの主人公ローレンが語る母ドロシー(ドリー)の優しさと、過去パートのドリーの人間としての醜さのギャップが凄くて。正直途中から、キーとなるヴィヴィアンに幸せになってほしいと思いながら読み進めた。
徐々に変わっていくドリーの描写も見事。ホント、途中から嫌な女性になりました笑。その分、全てを失うことになるのだけど。
最後の仕掛けは、もしかしたらと思いつつも、最後まで気が抜けず。結ばれなかった二人の切なさと、旅時の果てに幸せに逝った静かな余韻があり。良かった。
相変わらず、若干ハーレクインかなと思うけど、「過去を探る」ストーリーは随一。次作、湖畔荘も楽しみ。
Posted by ブクログ
何となく面白そうだと思って買った本だったので、最初は「過去や現在、視点さえも行ったり来たりするので、読みにくにかも、、、」と思っていたが、そんなことはなかった!
出だしから刺すのかい!と思ったけど、ドロシーの過去を考えたとしたら、そうなるよね、と
読んでいるうちに、段々とドロシーがえげつない感じになってきて、ローレルの幼少期の母であるドロシー像とはかけ離れていたのも、そもそもが違うからとも考えられるような、、、
最後の章のジミーに、何とも言えない気持ちになった
結婚してからのヴィヴィアンは、初期は少しでも楽しかったのだろうか、やっぱりそんなことはなかったのだろうか。
そんな中でドロシーの計画通りジミーと出会い、いけないと思いつつも恋に落ち、別れ際にキスをしたときの気持ちを考えると、、、そして二人の女友達が最後に会った時のこと、その時のヴィヴィアンの気持ちを考えると、、、
あれやらこれやら考えるとキリがないし、読み終わったから結末はもう分かっているんだけど、分かった上でもう一度読みたいなと思った。