あらすじ
精神科ナースとして、最大の葛藤!!
精神科ナースになって一通りの仕事を覚えた夜野に、「4年目の壁」が立ちはだかる。
疲労、慢心からのミス。そしてミスをした自分を責める思いに、夜野は押しつぶされそうになるが…!?
その他、描かれるのは、
仕事をはじめ様々なことに苦しむ「医者のための自助会」。
いまや11人に1人がなるという「男性の育児うつ」。
そして「医療観察法(心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律)」の対象者2名を、通院患者として担当することになった夜野。
医療者として、一人の人間として、葛藤を抱えることになり…。
そんな夜野が選んだ道とは…!?
クライマックス!!
感情タグBEST3
お守りのような作品
職場に精神疾患持ちの方がいるので、その方との関わりのヒントになればと思って読み始めました。
作中で随所に出てくる「同じ疾患でも人それぞれ症状は違う、それは疾患持ちじゃない人も同じ、色んな人がいる」という表現が印象的で、人間関係における大切なものを教えていただきました。
きっかけとなった疾患持ちの同僚とは部署替えで離れてしまいましたが、この作品に触れて、当初のきっかけだった同僚だけでなく全ての人に対して先入観や思い込みの壁を持たずに接することができるようになりたいと思うようになりました。
また、今回の最終巻では自分のケアのこともテーマになっていたのもすごく刺さりました。
労働条件的にはとてといい環境のはずなのに仕事がしんどくて、でもこの待遇でしんどいという自分が甘えてる気がしてずっと苦しかったのですが、夜野さんの一言で自分の中の孤独に気づくことができました。自分の感情、ちゃんと受け止めてあげないといけないんだなぁと反省です。
真面目に生きることが時には枷になって、正解を出すことが正しいことじゃない。そんな当たり前のようだけど、実際の世の中ではその意識を持ち続けることが難しいことをたくさん認識させていただきました。他人に優しくなれなかったり、自分の気持ちがしんどくなった時にまた読み返そうと思える、私にとってはそんなお守りのような作品です。
難しい問題
理解されにくい難しい精神の病を分かりやすく描かれてる。盛りだくさんなのにごちゃごちゃでない作者の力量すごい。
「自分が批判的に捉えられてるんじゃないか」と誰しもが持つ不安が、僅かに方向性を間違うと病や犯罪者になるだけで、現代人は薄氷の上に生きていることが読者に伝わるように描かれていて良い。