あらすじ
世界の経営学の叡智は、この1冊で完璧に得られるいまこそビジネスパーソンに求められる「思考の軸」を手に入れよ! 史上初!世界の主要経営理論30を完全網羅した解説書 圧倒的なわかりやすさと面白さで、驚くほど一気に読める!
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Posted by ブクログ
入山教授による「経営理論の事典のような本」。最新の理論が網羅されており、大変勉強になった。
キーコンセプトは何か
・現時点での経営理論と称されるものの中から「標準理論」とでもいうべきものを約30選定して解説。ビジネスパーソンにとっての「思考の軸」とすることを推奨。あくまで博士課程向けの題材
・理論ディシプリンとしては、経済学、心理学、社会学の3分野。
当該理論がおいている前提条件や時代背景は何か
・2019年の出版
・理論は「どのように」=因果関係「いつ」=理論が通用する範囲「なぜ」=なぜそうなのか、に応えるものという前提で、「何が」を主とする(MBA的な)現象ドリブンのアプローチを排している(ある意味MBAアプローチの否定)
当該理論を活用すると企業はどう業績を向上できるのか
・カバーされている理論は多かれ少なかれ有効なので、戦略、組織両面で業績向上の必要十分条件を充足させることが可能ではないか
書籍の限界・問題点
・経営理論の事典のようなものなので、より具体的な実践案は、当たり前だがカバーされていない。
自分なりに価値があった点(引用、気付き)
・結局、経営理論は、人や組織の話。人や組織がどう動くかを仮説立てて実証することが学者には求められる
・実務者にとって見れば、実証されているかどうかはどうでもよくて、いかに経験則を積み上げるかに尽きる・・・その意味では経験則というのは、ある種のラーニングに他ならないので、ラーニング理論が一番有効のような気がする。「両利きの経営」はその意味ではしっくりくる。
・経営理論独自の基盤などない。所詮、経済学、社会学、心理学の話を応用したものというのは爽やかな説明
・理論とフレームワークは混在すべきではない。理論に基づくフレームワークへの落とし込みは重要
Posted by ブクログ
入山氏の著名な名著。
世界中の経営理論を網羅的に解説した本とのこと。
不確実性が高く、正解のないなか、思考の軸となるべきものにしうるのが世界標準の経営理論とのこと。
メモ
・ビジネスパーソンに経営理論が必要な理由
説得性、汎用性、不変性
・SCP理論 需要と供給の関係、独占性(参入障壁・優位性構築)で利潤は決まる。現在は静的でなく、部分的にしか成立しなくなりつつある。
・プリンシパルエージェント理論。経営者と管理者のモラルハザードなどのこと。株主と経営者間でも成り立つ。目的の不一致に関する問題。インセンティブ設計やモニタリングによる解消法がある。
・不確実性の4分類 確実に見通せる、他の可能性、可能性の範囲が見えている、全く読めない未来
・トランザクティ部メモリーを高めるためには、コミュニケーション手段はいかようであれ、顔が見えることが重要
・ダイナミックケイパビリティ
センシングとサイジング。事業機会驚異を感知し、とらえること。
シンプルルール。数を絞ったシンプルルールだけを組織日徹底し、柔軟意思決定すべし。
・弱いつながりがクリエイティビティにつながり、強いつながりが実践につながる。