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Posted by ブクログ
世界標準の経営理論
著:入山 章栄
出版社:ダイヤモンド社
力作 これまで、部分をかじりながら読んでいたが、一気通貫で読みたくなって、手にしましたが、なんだかんだで、1カ月近く読むのにかかってしまった
本書は、世界で最新の理論をつかって、経営のWhyを解決しようというのが本旨です。
ディシプリンという言葉がでてくる、学問の領域と言った意味でしょうか
理論は数あれど、それは理論にすぎない
方向性は、こうだ
①本当の意味で、経営理論は存在しない
②経営理論を深く知るには、本書以上の経営学書は必要ない
③経営理論を信じてはいけない
ようは、理論は理論であって、求める、正解ではない
本書の構成は大きく3つです
1 各ディシプリンの最新経営理論の解説
経済学
マクロ心理学(組織を対象とした心理学)
ミクロ心理学(個人を対象とした心理学)
社会学
の4つのカテゴリーから、32の理論の解説です
2 経営の現象を、32の理論を組み合わせて、解決しようというアプローチ
戦略とイノベーション
組織行動、人事
企業ガバナンス
グローバル経営
アントレプレナーシップ
企業組織のあり方
ビジネス
が対象です
3 自分が抱える課題に対して、どう理論を組み立て、どう実証するのか
序章から終章へたどり着く道のりは、32の理論をベースとして、実際の課題をよく観察し、仮説を立てて、それを検証しながら、悪戦苦闘しながら、解決策を模索しようということが結論です。
目 次
「世界標準の経営理論」を手にされた方へ
序章 経営理論とは何か いまこそビジネスに経営理論が求められる、3つの理由
第1部 経済学ディシプリンの経営理論
第01章 SCP理論│ポーターの戦略」の根底にあるものは何か
第02章 SCP理論をベースにした戦略フレームワーク│ポーターのフレームワークを覚えるよりも大切なこと
第03章 リソース・ベースト・ビュー(RBV)│バーニーの理論をようやく使えるものにしたのは誰か
第04章 SCP対RBV、および競争の型│ポーター vs. バーニー論争に決着はついている
第05章 情報の経済学1│「悪貨が良貨を駆逐する」のはビジネスの本質である
第06章 情報の経済学2(エージェンシー理論)│人が合理的だからこそ、組織の問題は起きる
第07章 取引費用理論(TCE)│100年前も現在も、企業のあり方は「取引コスト」で決まる
第08章 ゲーム理論 1│この世のかなりの部分はゲーム理論で説明できる
第09章 ゲーム理論 2│我々は人を「無償」で信じるか、それとも「合理的な計算」で信じるか
第10章 リアル・オプション理論│不確実性を恐れない状況は、みずからの手でつくり出せる
第2部 マクロ心理学ディシプリンの経営理論
第11章 カーネギー学派の企業行動理論(BTF)│経営理論は名経営者の教訓を裏付ける
第12章 知の探索・知の深化の理論1│「両利き」を目指すことこそ、経営の本質である
第13章 知の探索・知の深化の理論2│「両利き」は戦略、組織、人材、経営者のすべてにおいて求められる
第14章 組織の記憶の理論│日本企業が「組織の記憶力」を取り戻す術は何か
第15章 組織の知識創造理論(SECIモデル)│これからの時代こそ、「野中理論」が圧倒的に必要になる
第16章 認知心理学ベースの進化理論│組織の成長は「進化するルーティン」で決まる
第17章 ダイナミック・ケイパビリティ理論│企業が変わる力は組織に宿るのか、個人に宿るのか
第3部 ミクロ心理学ディシプリンの経営理論
第18章 リーダーシップの理論│半世紀を超える研究が行き着いた「リーダーシップの境地」
第19章 モチベーションの理論│半世紀を超えてたどり着いた新時代のモチベーションとは
第20章 認知バイアスの理論│認知の歪みは、組織で乗り越える
第21章 意思決定の理論│意思決定の未来は「直感」にある
第22章 感情の理論:感情のメカニズムを理解してこそ、組織は動き出す
第23章 センスメイキング理論│「未来はつくり出せる」は、けっして妄信ではない
第4部 社会学ディシプリンの経営理論
第24章 エンベデッドネス理論│ソーシャルネットワークの本質はいまも昔も変わらない
第25章 「弱いつながりの強さ」理論│弱いつながりこそが、革新を引き起こす
第26章 ストラクチャル・ホール理論│「越境人材」が世界を変える、そのメカニズムとは
第27章 ソーシャルキャピタル理論│リアルとデジタルのネットワークで働く、真逆の力
第28章 社会学ベースの制度理論│「常識という幻想」に従うか、活用するか、それとも塗り替えるか
第29章 資源依存理論│小企業が大企業を抑え、飛躍する「パワー」のメカニズム
第30章 組織エコロジー理論│変化の時代にこそ不可欠な「超長期」の時間軸
第31章 エコロジーベースの進化理論│生態系の相互作用が、企業進化を加速する
第32章 レッドクイーン理論│競争が激化する世界で、競争すべきは競争相手ではない
第5部 ビジネス現象と理論のマトリックス
第33章 戦略とイノベーションと経営理論│近未来に戦略とイノベーションは融合し、理論も重層化する
第34章 組織行動・人事と経営理論│これから人事がさらに面白くなる、5つの背景
第35章 企業ガバナンスと経営理論│あるべきガバナンスを考え抜く時代に、必要な理論は何か
第36章 グローバル経営の理論│「国境」の本質を見直すことが、グローバル経営の未来を映し出す
第37章 アントレプレナーシップと経営理論│アントレ領域が拡張する未来に、起業家をどう育てるべきか
第38章 企業組織のあり方と経営理論│「5つのドライビングフォース」が示す、未来の企業組織の姿
第39章 ビジネスと経営理論│現代の経営理論はビジネスを説明できない
第6部 経営理論の組み立て方・実証の仕方
第40章 経営理論の組み立て方│ロジックの賢人ほど、「人とは何か」を突き詰める
第41章 世界標準の実証分析│ビジネスの実証分析は想像以上に身近で、とてつもなく深い
終章 経営理論のさらなる視座│経営理論こそが、あなたの思考を解放する
「世界標準の経営理論」を読んでくださった方へ
ISBN:9784478109571
判型:A5
ページ数:832ページ
定価:2900円(本体)
2019年12月11日第1刷発行
2020年09月16日第7刷発行
Posted by ブクログ
ー まず「この世には本当の意味での経営理論は存在しない」という点を、クリアにしておこう。とはいえ、これが言わんとすることは、本書を読みこなしてきた方には、もう明らかかもしれない。なぜなら本書で紹介されてきた理論は、あくまで他ディシプリン (経済学、心理学、社会学) から派生してきたものにすぎないからだ。
本書では「なぜ、 経営学では他分野の理論を基礎 (ディシプリン) とするのか」について、 序章で触れただけだった。 とはいえ、その理由は明快である。経営学で扱う対象は、経営ビジネス・組織などだが、 それらはあくまで「現象」にすぎないからだ。
序章で述べたように、ではその経営ビジネスを実際に誰が行っているかというと、それは「人」 である。 すなわち経営理論とは、 「人・あるいは人が織り成す組織が、普段から何をどう考え、どう意思決定し、どう行動するか」を突き詰めたものにほかならない。 経営学とは、人の考えを探究する分野なのだ。
一方で、人の考えほどいい加減なものはない。人の考えは曖昧だし、気分に流されるし、悩むし、迷う。 その複雑怪奇な「人の考え」をきれいに理論的に切ることは、極めて難しい。 しかし、それでは経営学の発展が止まってしまうため、世界標準の経営学では「そもそも人はこのように考えるものだ」ということにはっきりとした基盤を持った、他分野の考え方を応用しているのだ。それが、経済学、心理学、社会学の3つである。 ー
理論は“理論”として知っておいた方がいい。
あとは、自分が所属する組織がそれにどれだけ近しいか、って話だ。
離れすぎていたら、それはそれでなんとかするしかない。
まぁ、たとえ乖離があったとしても、まったく途方に暮れる必要はなくて、それだけ経営理論ってものが、いかにいい加減で、実際の経営の現場とは異なるものなのか、ってのが体感できれば、それで充分なんだと思う。
Posted by ブクログ
本書の紹介として、筆者は以下のように述べている。
【引用】
これは『世界で標準となっている経営理論』を可能な限り網羅・体系的に、そしてわかりやすくまとめて皆さんに紹介する、世界初の書籍である
【引用終わり】
本書は、経営学研究者の研究成果の中で生き残った「標準理論」と呼ばれる約30の理論を紹介している。
私は大学院での勉強に必要であった、「第24章 エンベデッドネス理論」と「第28章 社会学ベースの制度理論」を読んだが、特に第28章については、これまでに読んだ制度理論に関する文献の中で、最も分かりやすく説明されており、大変助かった。
筆者は、本書の中で、これら30の経営理論が「経済学」「心理学」「社会学」の理論基盤の上に組み立てられていることを説明している。また、筆者自身がキャリアの中でこれらの学問を学んだ経験が、本書の執筆に役立ったと述べている。
私が本書を分かりやすいと感じた理由の一つは、制度理論の全体像を把握できたからである。必要があって「制度派理論」を勉強していた私は、これまでにいくつかのテキストを読んできたが、それぞれの学説の位置関係の理解が出来ずにいた。しかし、本書の冒頭で「制度理論には社会学ベースと経済学ベースがある」と示されていたことは、私にとって大きな気づきであった。
これまでのテキストは、社会学者が書いた社会学ベースの制度派理論や、経済学者が書いた経済学ベースの制度派理論であったが、それらの間にある違いについては明記されていなかった。社会学者にとっての「制度派理論」は範囲が明確であり、経済学ベースの理論は守備範囲外であるため、そこをわざわざ説明する必要がなかったのである。しかし、私のような素人にはその違いが理解できず、あるテキストに登場する「正当性」「同型化」「同質化」などの概念が、別のテキストでは全く触れられていないことに混乱を覚えていた。本書を通じて、その理解が得られたことは非常に大きな収穫であった。
本書は800ページを超える大部の書物です。私のように大学院で経営学を学んでいる者にとって、これ以外の部分を読むことも大きな楽しみとなっています。
Posted by ブクログ
最前線の経営学者からすると疑問符のつく箇所もあるようだが、ビジネスパーソンが体系だったアカデミックな経営学を学ぶ入口としては最高峰なのではないだろうか。
【メモ】
・世界標準の経営理論は、世界中でビジネスを長い間研究してきた経営学者の集大成であり、ビジネス・経営の真理法則に肉薄している
・理論とは経営・ビジネスのhow,when,whyに応えることを目指すもの
・理論そのものは抽象的で、実務で使いやすいとは限らない。実践のためにフレームワークに落とし込む必要がある
・実証的な理論=ある現象のメカニズムそのものを説明する理論
ex「~という条件下では、企業は~のように行動する」
・経営理論とは「人・あるいは人が織りなす組織が、普段から何をどう考え、どう意思決定し、どう行動するか」を突き詰めたもの
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ビジネス・実用
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