あらすじ
世界の経営学の叡智は、この1冊で完璧に得られるいまこそビジネスパーソンに求められる「思考の軸」を手に入れよ! 史上初!世界の主要経営理論30を完全網羅した解説書 圧倒的なわかりやすさと面白さで、驚くほど一気に読める!
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Posted by ブクログ
世界標準の経営理論
著:入山 章栄
出版社:ダイヤモンド社
力作 これまで、部分をかじりながら読んでいたが、一気通貫で読みたくなって、手にしましたが、なんだかんだで、1カ月近く読むのにかかってしまった
本書は、世界で最新の理論をつかって、経営のWhyを解決しようというのが本旨です。
ディシプリンという言葉がでてくる、学問の領域と言った意味でしょうか
理論は数あれど、それは理論にすぎない
方向性は、こうだ
①本当の意味で、経営理論は存在しない
②経営理論を深く知るには、本書以上の経営学書は必要ない
③経営理論を信じてはいけない
ようは、理論は理論であって、求める、正解ではない
本書の構成は大きく3つです
1 各ディシプリンの最新経営理論の解説
経済学
マクロ心理学(組織を対象とした心理学)
ミクロ心理学(個人を対象とした心理学)
社会学
の4つのカテゴリーから、32の理論の解説です
2 経営の現象を、32の理論を組み合わせて、解決しようというアプローチ
戦略とイノベーション
組織行動、人事
企業ガバナンス
グローバル経営
アントレプレナーシップ
企業組織のあり方
ビジネス
が対象です
3 自分が抱える課題に対して、どう理論を組み立て、どう実証するのか
序章から終章へたどり着く道のりは、32の理論をベースとして、実際の課題をよく観察し、仮説を立てて、それを検証しながら、悪戦苦闘しながら、解決策を模索しようということが結論です。
目 次
「世界標準の経営理論」を手にされた方へ
序章 経営理論とは何か いまこそビジネスに経営理論が求められる、3つの理由
第1部 経済学ディシプリンの経営理論
第01章 SCP理論│ポーターの戦略」の根底にあるものは何か
第02章 SCP理論をベースにした戦略フレームワーク│ポーターのフレームワークを覚えるよりも大切なこと
第03章 リソース・ベースト・ビュー(RBV)│バーニーの理論をようやく使えるものにしたのは誰か
第04章 SCP対RBV、および競争の型│ポーター vs. バーニー論争に決着はついている
第05章 情報の経済学1│「悪貨が良貨を駆逐する」のはビジネスの本質である
第06章 情報の経済学2(エージェンシー理論)│人が合理的だからこそ、組織の問題は起きる
第07章 取引費用理論(TCE)│100年前も現在も、企業のあり方は「取引コスト」で決まる
第08章 ゲーム理論 1│この世のかなりの部分はゲーム理論で説明できる
第09章 ゲーム理論 2│我々は人を「無償」で信じるか、それとも「合理的な計算」で信じるか
第10章 リアル・オプション理論│不確実性を恐れない状況は、みずからの手でつくり出せる
第2部 マクロ心理学ディシプリンの経営理論
第11章 カーネギー学派の企業行動理論(BTF)│経営理論は名経営者の教訓を裏付ける
第12章 知の探索・知の深化の理論1│「両利き」を目指すことこそ、経営の本質である
第13章 知の探索・知の深化の理論2│「両利き」は戦略、組織、人材、経営者のすべてにおいて求められる
第14章 組織の記憶の理論│日本企業が「組織の記憶力」を取り戻す術は何か
第15章 組織の知識創造理論(SECIモデル)│これからの時代こそ、「野中理論」が圧倒的に必要になる
第16章 認知心理学ベースの進化理論│組織の成長は「進化するルーティン」で決まる
第17章 ダイナミック・ケイパビリティ理論│企業が変わる力は組織に宿るのか、個人に宿るのか
第3部 ミクロ心理学ディシプリンの経営理論
第18章 リーダーシップの理論│半世紀を超える研究が行き着いた「リーダーシップの境地」
第19章 モチベーションの理論│半世紀を超えてたどり着いた新時代のモチベーションとは
第20章 認知バイアスの理論│認知の歪みは、組織で乗り越える
第21章 意思決定の理論│意思決定の未来は「直感」にある
第22章 感情の理論:感情のメカニズムを理解してこそ、組織は動き出す
第23章 センスメイキング理論│「未来はつくり出せる」は、けっして妄信ではない
第4部 社会学ディシプリンの経営理論
第24章 エンベデッドネス理論│ソーシャルネットワークの本質はいまも昔も変わらない
第25章 「弱いつながりの強さ」理論│弱いつながりこそが、革新を引き起こす
第26章 ストラクチャル・ホール理論│「越境人材」が世界を変える、そのメカニズムとは
第27章 ソーシャルキャピタル理論│リアルとデジタルのネットワークで働く、真逆の力
第28章 社会学ベースの制度理論│「常識という幻想」に従うか、活用するか、それとも塗り替えるか
第29章 資源依存理論│小企業が大企業を抑え、飛躍する「パワー」のメカニズム
第30章 組織エコロジー理論│変化の時代にこそ不可欠な「超長期」の時間軸
第31章 エコロジーベースの進化理論│生態系の相互作用が、企業進化を加速する
第32章 レッドクイーン理論│競争が激化する世界で、競争すべきは競争相手ではない
第5部 ビジネス現象と理論のマトリックス
第33章 戦略とイノベーションと経営理論│近未来に戦略とイノベーションは融合し、理論も重層化する
第34章 組織行動・人事と経営理論│これから人事がさらに面白くなる、5つの背景
第35章 企業ガバナンスと経営理論│あるべきガバナンスを考え抜く時代に、必要な理論は何か
第36章 グローバル経営の理論│「国境」の本質を見直すことが、グローバル経営の未来を映し出す
第37章 アントレプレナーシップと経営理論│アントレ領域が拡張する未来に、起業家をどう育てるべきか
第38章 企業組織のあり方と経営理論│「5つのドライビングフォース」が示す、未来の企業組織の姿
第39章 ビジネスと経営理論│現代の経営理論はビジネスを説明できない
第6部 経営理論の組み立て方・実証の仕方
第40章 経営理論の組み立て方│ロジックの賢人ほど、「人とは何か」を突き詰める
第41章 世界標準の実証分析│ビジネスの実証分析は想像以上に身近で、とてつもなく深い
終章 経営理論のさらなる視座│経営理論こそが、あなたの思考を解放する
「世界標準の経営理論」を読んでくださった方へ
ISBN:9784478109571
判型:A5
ページ数:832ページ
定価:2900円(本体)
2019年12月11日第1刷発行
2020年09月16日第7刷発行
Posted by ブクログ
ー まず「この世には本当の意味での経営理論は存在しない」という点を、クリアにしておこう。とはいえ、これが言わんとすることは、本書を読みこなしてきた方には、もう明らかかもしれない。なぜなら本書で紹介されてきた理論は、あくまで他ディシプリン (経済学、心理学、社会学) から派生してきたものにすぎないからだ。
本書では「なぜ、 経営学では他分野の理論を基礎 (ディシプリン) とするのか」について、 序章で触れただけだった。 とはいえ、その理由は明快である。経営学で扱う対象は、経営ビジネス・組織などだが、 それらはあくまで「現象」にすぎないからだ。
序章で述べたように、ではその経営ビジネスを実際に誰が行っているかというと、それは「人」 である。 すなわち経営理論とは、 「人・あるいは人が織り成す組織が、普段から何をどう考え、どう意思決定し、どう行動するか」を突き詰めたものにほかならない。 経営学とは、人の考えを探究する分野なのだ。
一方で、人の考えほどいい加減なものはない。人の考えは曖昧だし、気分に流されるし、悩むし、迷う。 その複雑怪奇な「人の考え」をきれいに理論的に切ることは、極めて難しい。 しかし、それでは経営学の発展が止まってしまうため、世界標準の経営学では「そもそも人はこのように考えるものだ」ということにはっきりとした基盤を持った、他分野の考え方を応用しているのだ。それが、経済学、心理学、社会学の3つである。 ー
理論は“理論”として知っておいた方がいい。
あとは、自分が所属する組織がそれにどれだけ近しいか、って話だ。
離れすぎていたら、それはそれでなんとかするしかない。
まぁ、たとえ乖離があったとしても、まったく途方に暮れる必要はなくて、それだけ経営理論ってものが、いかにいい加減で、実際の経営の現場とは異なるものなのか、ってのが体感できれば、それで充分なんだと思う。
Posted by ブクログ
800ページを超える読み応えたっぷりの骨太本。
是非とも経営やビジネスマンは一読してほしい。
個人的には、センスメイキング理論、弱い繋がりの強さ理論、等は目から鱗であった。
Posted by ブクログ
内容もボリュームも非常に豊富な一冊。フラットな視点で様々な理論を紹介してくれる。自らが実に無知であることと、言語化することがいかに難しく重要でかつ美しいことを再認識。
Posted by ブクログ
本書の紹介として、筆者は以下のように述べている。
【引用】
これは『世界で標準となっている経営理論』を可能な限り網羅・体系的に、そしてわかりやすくまとめて皆さんに紹介する、世界初の書籍である
【引用終わり】
本書は、経営学研究者の研究成果の中で生き残った「標準理論」と呼ばれる約30の理論を紹介している。
私は大学院での勉強に必要であった、「第24章 エンベデッドネス理論」と「第28章 社会学ベースの制度理論」を読んだが、特に第28章については、これまでに読んだ制度理論に関する文献の中で、最も分かりやすく説明されており、大変助かった。
筆者は、本書の中で、これら30の経営理論が「経済学」「心理学」「社会学」の理論基盤の上に組み立てられていることを説明している。また、筆者自身がキャリアの中でこれらの学問を学んだ経験が、本書の執筆に役立ったと述べている。
私が本書を分かりやすいと感じた理由の一つは、制度理論の全体像を把握できたからである。必要があって「制度派理論」を勉強していた私は、これまでにいくつかのテキストを読んできたが、それぞれの学説の位置関係の理解が出来ずにいた。しかし、本書の冒頭で「制度理論には社会学ベースと経済学ベースがある」と示されていたことは、私にとって大きな気づきであった。
これまでのテキストは、社会学者が書いた社会学ベースの制度派理論や、経済学者が書いた経済学ベースの制度派理論であったが、それらの間にある違いについては明記されていなかった。社会学者にとっての「制度派理論」は範囲が明確であり、経済学ベースの理論は守備範囲外であるため、そこをわざわざ説明する必要がなかったのである。しかし、私のような素人にはその違いが理解できず、あるテキストに登場する「正当性」「同型化」「同質化」などの概念が、別のテキストでは全く触れられていないことに混乱を覚えていた。本書を通じて、その理解が得られたことは非常に大きな収穫であった。
本書は800ページを超える大部の書物です。私のように大学院で経営学を学んでいる者にとって、これ以外の部分を読むことも大きな楽しみとなっています。
Posted by ブクログ
いままで何となく知っていたこと、感覚的に理解していたことがきちんと理論として説明できるようになった
経営学が経済学・心理学・社会学などの別の学問が基礎とされて作られているというのも面白かった
Posted by ブクログ
初版(2019年12月)で購入し、時折読み返している。当時の帯には「主要な経営理論を完全網羅」と謳われているが、まさに看板に偽りなし。版を重ねているのも納得の名著。
古びない理論を解説し、読者に「思考の軸を提供する」という著者の狙いは十分に果たされている。
Posted by ブクログ
キングダムで60巻以上かけて描ききれない李信将軍を3コマで片付けたり、宮城谷昌光の長編を5ページくらいで片付ける横山光輝と同じノリ。
巷に溢れるビジネス書を1ページ未満で片付けていくのは痛快。サラッと通読すると経営理論を理解した気にさせてくれる。
Posted by ブクログ
最前線の経営学者からすると疑問符のつく箇所もあるようだが、ビジネスパーソンが体系だったアカデミックな経営学を学ぶ入口としては最高峰なのではないだろうか。
【メモ】
・世界標準の経営理論は、世界中でビジネスを長い間研究してきた経営学者の集大成であり、ビジネス・経営の真理法則に肉薄している
・理論とは経営・ビジネスのhow,when,whyに応えることを目指すもの
・理論そのものは抽象的で、実務で使いやすいとは限らない。実践のためにフレームワークに落とし込む必要がある
・実証的な理論=ある現象のメカニズムそのものを説明する理論
ex「~という条件下では、企業は~のように行動する」
・経営理論とは「人・あるいは人が織りなす組織が、普段から何をどう考え、どう意思決定し、どう行動するか」を突き詰めたもの
Posted by ブクログ
広く経営理論が網羅された良書。体系だった理論を学びたい社会人や大学生でも分かりやすい文章ながら、重要なポイントはしっかり解説されている。何度も読み直したい。
Posted by ブクログ
2022年1冊目。累計803ページ。満足度★★★★★
本書はタイトル通り世界で標準的なものとして通用する経営理論を可能な限り網羅・体系的にわかりやすくまとめたもの。本書があれば、ビジネス、投資などを考える際の「思考の軸」になることは間違いなし
滅多に出現しない星5つを付与
Posted by ブクログ
網羅して概要を学ぶのに最適な一冊。
過去、各ディシプリン界隈のビジネス書を読んだことある方には重複感や聞き覚えある単語が出てきそうだが、理論と歴史を紐解きつつ体系的に網羅されているため、百冊読むよりこの一冊。
一通りの理論と、理論を軸にしやすい分野をマトリクスにした一覧は困ったときに軸にできそう。
あと、この本を読破したという事実は話のネタになるはず。
解り易い
社会人としてこれまで色々な経営に関する本を読みましたが、体系的に書かれており、これまでに読んだ経営学関連の書籍の位置付けが良く解りました。もっと早く出版して欲しかったというのが、偽らざる感情です。
Posted by ブクログ
800ページ60万字の鈍器本。
経営理論を学ぶのにこれ以上の良書はないであろう。意思決定する際の考え方の軸やフレームワークと理論の違い等わかりやすく解説されていて、経営者は手元に置いておかないといけない一冊。
Posted by ブクログ
800ページ、世界の主要経営理論30を完全網羅。いやー、読み切った。経営理論を800ページって、聞いただけでも堅苦しいですが、文章がわかりやすく、理論がそれぞれ噛み砕かれていて、とても読みやすかったです(それでも800ページは長かったが)。
世の中に出ているビジネス書は、ビジネスにおける現象を、経営学のさわりともいえるフレームワークに当てはめて解説しているだけで、なぜそう考えるべきなのかは説明していない。しかし、経営学もまた、(曖昧で、気分屋な)人間が行うビジネスを論じるものである以上、単独で理論を構築できるものではない。経営学に理論的根拠を与えているのは、経済学、心理学、社会学であり、この3つに基づいて、ビジネス現象のなぜ?を考えるの必要がある。
というわけで、経済学、心理学、社会学をベースにした30の経営理論が解説されています。
たしかに流行のビジネス書って、昔どこかで読んだ考え方を、表現や対象を変えて描きなおしているだけって印象はあります(自分がそれなりの長さの読書経験を積んできたせいもあるだろうけど)。著者の言う、この本読んだら、もうビジネス書は読む必要はなく、以後は、経済学、心理学、社会学のしっかりとした本を読み、人間とは何かを考えていくことが、ビジネスにも役に立つという意見には、かなり納得感があります。
Posted by ブクログ
入山教授による「経営理論の事典のような本」。最新の理論が網羅されており、大変勉強になった。
キーコンセプトは何か
・現時点での経営理論と称されるものの中から「標準理論」とでもいうべきものを約30選定して解説。ビジネスパーソンにとっての「思考の軸」とすることを推奨。あくまで博士課程向けの題材
・理論ディシプリンとしては、経済学、心理学、社会学の3分野。
当該理論がおいている前提条件や時代背景は何か
・2019年の出版
・理論は「どのように」=因果関係「いつ」=理論が通用する範囲「なぜ」=なぜそうなのか、に応えるものという前提で、「何が」を主とする(MBA的な)現象ドリブンのアプローチを排している(ある意味MBAアプローチの否定)
当該理論を活用すると企業はどう業績を向上できるのか
・カバーされている理論は多かれ少なかれ有効なので、戦略、組織両面で業績向上の必要十分条件を充足させることが可能ではないか
書籍の限界・問題点
・経営理論の事典のようなものなので、より具体的な実践案は、当たり前だがカバーされていない。
自分なりに価値があった点(引用、気付き)
・結局、経営理論は、人や組織の話。人や組織がどう動くかを仮説立てて実証することが学者には求められる
・実務者にとって見れば、実証されているかどうかはどうでもよくて、いかに経験則を積み上げるかに尽きる・・・その意味では経験則というのは、ある種のラーニングに他ならないので、ラーニング理論が一番有効のような気がする。「両利きの経営」はその意味ではしっくりくる。
・経営理論独自の基盤などない。所詮、経済学、社会学、心理学の話を応用したものというのは爽やかな説明
・理論とフレームワークは混在すべきではない。理論に基づくフレームワークへの落とし込みは重要
Posted by ブクログ
1年以上かけて、空いている時間にノートにまとめながら読んだ。びっくりするくらい分かりやすかった。経営層なので日々の意思決定の際に思考の軸となり、また引き出しが増えたと思う。課題や問題に対しても前向きに建設的に取り組むのにこれからも役に立つ知識が積めたと思います。繰り返し読んでいきたい。
Posted by ブクログ
・経営理論の目的は、経営・ビジネスのHow, When, Whyに応えること。特に重要なのはWhyであり、経済学、心理学、社会学の何れかの人間・組織の思考・行動の根本原理から、「なぜそうなるのか」を説明するのが理論の目的だ
・SCP理論:ある産業が完全競争から離れるほど(=独占に近づくほど)企業の収益率は高まる
・ライバルからの模倣を困難にするには、複雑で一貫性のあるアクティビティ・システム(Mechanism、Fly Wheel)を描くべき
・ネットワーク効果の帰結は「独占に近づくほうが望ましい」というSCPと整合する。ただし、ポーター=ケイブスの主張との違いは、ティッピングポイントを超えた後は、差別化戦略ではなく、このネットワーク効果で独占に向かうことだ
・差別化戦略は、競争環境を完全競争から遠ざけることで、独占できるグループで勝負することを目的としている
・完全競争の3条件
1.市場に無数の小さな企業がいて、どの企業も市場価格に影響を与えられない
2.その市場似た企業が新しく参入する際の障壁がない、その市場から撤退する障壁もない
3.企業の提供する製品・サービスが、同業他社と同質である。すなわち、差別化がなされていない
・「価値があるリソース」というのはアウトプット市場に大きく左右される
・アドバースセレクション(情報の非対称性から起きる売り手と買い手の問題)→スクリーニング:私的情報を持っていないプレイヤーのとりうる手段で保険やクーポンで利用されている。保険であれば、1)保険料は安いが事故になったときの補償額も安い保険、2) 保険料が高いが保証額も高い額の2つを用意することで顧客をスクリーニングできる。クーポン券であっても、「ハンバーガーへの価格意識」は個人によって違うが、価格に敏感な層は価格を意識してクーポンを使うし、そうでない人はクーポンを使わないことで、顧客に応じた値引きを提供できる仕組みのこと
・私的情報を持っているプレイヤーは「自分の情報が本当だと相手に信じてもらえない」ことが問題であり、学歴であったり、会計の開示などにより、私的情報を裏付けするシグナリングが対処法
・インセンティブによる解消法とは、それまでプリンシパルと目的の不一致があったエージェントに、プリンシパルと同じ目的を達成する(やる気を起こさせる)組織デザイン・ルールを与えることだ。
・同族企業は主要株主(プリンシパル)と経営者(エージェント)が一枚岩で、両社がビジョンを共有しているので「目的の不一致」がなく、大胆な手が打ちやすい
・価格競争を避けるためには差別化が重要。初期投資が必要なビジネスでは多くの投資が行われるが、それにより供給過多になることで価格競争に移らざるを得なくなる。
・ゲーム理論では、先に宣言することで「同時ゲーム」を「逐次ゲーム」に変え、自社に有利な状況を生み出すことができる
・数量を軸にした戦略は「強気な戦略」のほうが、相手が供給過剰を恐れるため優位に立ちやすい。価格を軸にすると、強気な値下げは両者の値下げを生み利益を下げるため、「弱気な戦略(価格を下げすぎない宣言)」のほうが、相手も価格を下げないことで有効になりやすい。
・両者は価格競争を無限に続けるだろうか、両社が合理的であるほど「無限に価格競争を続けて利益を落とし続けるのは不毛だし、相手もそう思っているはずだ」と考えるはずだ。その結果、両社は合理的な判断の帰結としてむしろ価格を下げなくなるのである
・リアルオプション:不確実性を生かす。当初計画より小さい初期費用で工場を作ってとりあえず事業を始める。数年後に不確実性が下がったタイミングで投資の判断を行う
・リアルオプションの学習効果:不確実性の高い状況で将来オプションを意図的に作り出し、逆に不確実性を生かす。事業を始めなければ学習ができないので不確実性が下がらない
・意思決定者は限られた認知の中で選択をして行動に移す。行動することで認知が広がり、新しい選択肢が見えることで、より満足な選択ができるようになる
・うまくいっている時こそ、さらに目線を高くせよ
・経営者の過去の成功体験が、時代が変わって新しい仕事を始めるときに大きな妨げになる
・両利きの経営:人・組織には認知に限界があるので、知の探索(Exploration)をして認知の範囲に出て、知土地を新しく組み合わせる必要がある(シュンペーターの新結合)。一方、そこで生まれた値は徹底的に深掘りされて収益化につなげる必要もある(知の深化:Exploitation)。この探索と深化が高いレベルでバランスよくできることを両利きの経営という
・イントラパーソナルダイバーシティ:個人内多様性は知の探索になる
・イノベーションとは認知の範囲にあるお客様の問題を解決すること=幅広い認知視野をはぐくむことが重要
・TMS(Transactional Memory System:組織のメンバーがWho know whatをしっていること) TMSを最も高められたのはやはり「直接対話によるコミュニケーション頻度が高いチーム」だった。逆にTMSが一番低かったのは、「メール・電話によるコミュニケーション頻度が高いチーム」だったのだ
・人は暗黙知のほうが豊かであり、それを取りこまない知識創造はあり得ない
・SECI Model
1)共同化(Socialization) : 暗黙知→暗黙知 個人が他社との直接対面による共感や、環境との相互作用を通じて暗黙知を獲得する
2)表出化(Externalization):暗黙知→形式知 個人間の暗黙知を対話・施策・メタファーなどを通して、概念や図像、仮説などを作り、集団の形式知に変換する
3)連結化(Combination):形式知→形式知 集団レベルの形式知を組み合わせて、物語や理論に体系化する
4)内面化(Internalization):形式知→暗黙知 組織レベルの形式知を実践し、成果として新たな価値を生み出すとともに、新たな暗黙知として個人・集団・組織レベルのノウハウとして「体得」する
・ナラティブは「まだ具現化していないが、これから起こる」ことの構造である。例えば「会社の方向性」といった形式知の塊は、過去から引き継がれ、未来に続いて「これから起こる」ものだから物語でなければならない。現場の知ならマニュアル化も機能するが、会社の心情、方向性、戦略のような「認知的な暗黙知」を形式知化させる場合はナラティブが必要である。
・進化のためのルーティン:「マニュアルを常に見直す」ことを前提にした暗黙の行動パターンがルーティン化されるとともに、形式知としてのマニュアルが蓄積され、常に現場が進化・成長を続けるのである
・ハイパーコンペティションの時代には、そもそも「持続的な競争優位」という前提が成立しない。むしろ企業に求められるのは「業績が落ちかけてもすぐに新しい対応策を打って業績を回復できる力」すなわち「変化する力」である。変化を繰り返すことで、「一時的な競争優位を連鎖して獲得する」ことが、これからの企業に求められるのだ
・ダイナミックケイパビリティはカニバリを推奨する→大手航空会社がLCCを行う事例
・全員をひいきできるリーダーが最強
1)部下の悩みや課題を聞き出す、アクティブリスニング
2)アクティブリスニングを通じて部下が出してきた課題に対して、自分の考えを押し付けない
3)部下への期待を部下自身とシェアする
・Transformational Leadershipでは、リーダーは「自分の率いる組織が、部下(フォロワー)の目指していることといかに親和性があるか」を啓蒙する。するとフォロワーは、自身の組織への帰属意識を高め、そのリーダーのビジョンを自身の中に取り込むようになり、リーダーのビジョンに沿って行動するようになる。一方でリーダーも、そういったフォロワーを承認し、称賛する。これにより、フォロワーは自身がその組織で「働く意義」「存在価値」をさらに認めるようになり、さらに積極的に組織での義務を果たすようになる
・利用可能性バイアス:簡単に想起しやすい情報を優先的に引き出し、それを頼ってしまうバイアス
・検索容易性:とりあえずいつものものを買っておけばまちがいがない
・具体性:身近な人から聞いた情報を「あの人が言うなら間違いない」と評価してしまうこと
・対応バイアス:他者が何か事件に巻き込まれたときに、その本当の理由は周辺環境などにあるのに、理由を当事者の人柄・資質などに帰属させてしまうバイアス
・代表性バイアス:典型例と類似している事項の確率を過大評価しやすいバイアス(よくしゃべる=関西人)
・不確実性の高い事業環境では、優れた企業ほどルールをシンプルにすることで、変化に対応できる。ルールをシンプルにすることで、企業の認知におけるヴァライアンスを減らし、結果として変化の激しい世界での予測の精度を高め、だから優れた意志決定ができて変化に対応できると解釈できる
・ポジティブな感情は「自分はこのままでいいのだ」という現状維持を促す可能性がある。結果として、サーチが滞る。したがって、満足度が高すぎて組織が緩んでいるときは、むしろネガティブ感情を取り込んで危機感を高め、サーチを促すことも必要だ
・ディープアクティング:人が何かの外部刺激に直面した時に、「まず自分の意識・注意・支店の方向を変化させることで、感情そのものを自分が表現したい方向に変化させてから、それに合わせて自然に表現する」ことをさす。たとえば、CAが理不尽な理由で怒っている顧客に対し、その顧客の態度の捉え方を変え、「初めて飛行機に乗る顧客」という認識を起点とすることで、「とまどい」「嫌悪」から「同情」へと感情を変化さえて対応することができた
・認知を動かし、感情を動かす:あの客が怒っているのには、実は妥当な理由があるのではないか
・センスメイキング(腹落ち・納得)理論:正確さよりも納得性を重視する。全員が方向性に納得していることが正確に何かを行うよりも実現度が高まる。人とその対象(事業機会)は決して切り離せず、その人が行動して環境に働きかける(イナクトメント)することにより、やがて事業機会が浮かび上がり、結果としてあとからその事象をセンスメイク(納得)する
・まずは行動なのである。行動をして試行錯誤を重ね、もがいていくうちに、やがて納得できるストーリーが出てくる。そしてそのストーリーに腹落ちしながら、さらに前進するのだ
・主観的だからこそストーリーがあり、だからこそ多くの人をセンスメイクして、かれらの足並みをそろえ、巻き込めるのである
・センスメイキングの7大要素
1)アイデンティティ:センスメイキングは常に「自身が何であるか」のアイデンティティに基づく
2)回想・振り返り:人は物事を経験するその瞬間にはそれをメイクセンスできず、事後的に振り返ることで飲みセンスメイクできる
3)行為:人は行動することで環境に働きかけることができる
4)社会性:主体(自身)と周囲の人々を含む「客体」は常に切り離せないので、センスメイキングは常に他社との関連性の中で起きる
5)継続性:センスメイキングは繰り返される循環プロセスである
6)環境情報の部分的感知:人は認識のフィルターを通してしか事象が認識できないので、認識・解釈されたものは常に全体の一部でしかない
7)説得性・納得性:人は「正確性」ではなく、「説得性」をもって、自身や他者をセンスメイクできる
・弱いつながりのソーシャルネットワークのほうが、自分の目の前ではなく、自分から離れた、遠くの知を幅広く探索し、それを今自分が持つ知と新しく組み合わせることになり、幅広い知と知を組み合わせることができる
・イノベーションを生み出すには弱いつながりが必要だが、イノベーションを製品化・実行するには強いつながりが必要
・シェアがシェアの連鎖を呼ぶのは、弱いつながり(強いつながり内だとシェアした情報が同じようなものである可能性が高く、シェアされにくい)
・ストラクチャルホール:高密度なネットワーク間のハブになっている人は、各クラスターから情報があつまり、それをコントロールできる
・越境を実現する人はクラスターとクラスターの結節点となり、ブローカーとなり、SH(Structural Hole)を活用し、SHを埋めて、新しい価値を生む
・資源依存理論:企業は軽減(競合をM&Aすることで規模を大きくし取引先からの圧力を軽減する)、取り込み(影響力のある人物を経営陣に取り込む)、吸収(被買収企業が所有する鉱山も含めて買うことで鉄鉱石まで調達する)の何れかの戦術を選び、あるいは組み合わせることで、外部抑圧を軽減することが可能
・M&Aが発生しやすいのはMutual Dependence(双方向の依存度の合計)が高く、Power Imbalance(両者の依存度の差)が小さい環境。依存度の合計が大きくても、どちらかの依存度が相対的に低ければM&Aは起きにくい(他の取引先との機会ロスなども生まれる)
・スタートアップへのCVCに関しても、大企業側が技術を取り込むことでスタートアップへの依存度が低くなり、スタートアップが苦戦するという構図が生まれている。
・業界内でゼネラリスト企業間の競合度が高まるほど、その業界にいるスペシャリスト企業の死亡率が低下する(業界が活性化する、その中でのスペシャリストの付加価値が相対的に受け入れられる面積が増える、基礎技術のコストが下がるなどの効果がありそう)
・メガトレンドに基づき、様々な業界の生態系変化を見越す習慣をコンサルに丸投げした単発作業として行わない
・新レッドクイーン理論:真の競争相手は、ライバル企業ではなく、自分のビジョン。環境が大きく変化するほど(チェンバレン型ではなくシュンペーター型の環境に移るほど)、企業の目的は「競争」になってはならないのだ。
・これからの戦略に不可欠なのは「魅力的な未来を描き出し、イノベーションを引き起こし、投資家・従業員・顧客に対して大きな未来を提示し心理的な期待感を高められる企業」になる
・AIが得意なのは「学習」「知識」「推論」「予測」だが、AIにできないことは「問題認識」「メタ認知」「定型的でない意思決定」「感情表現」などだ。そうであれば、人間にはこれからますます「問いを立てる」能力が求められることになる。
・企業の存在目的は、株主にもうけさせることだけにあるのではない。世界の在り方をよりよくしなければならないし、それによって一般人の価値も上げなければならないのだ
・アントレプレナー:不確実性に直面した時に意思決定をする人
・創造型は様々な試行錯誤・行動を繰り返し、事業機会が事後的に、徐々に浮かび上がってくる
・革新的な起業家の思考パターン
1)Questioning:現状に常に疑問を投げかける
2)Observing:興味を持ったことを徹底的にしつこく観察する
3)Experimenting:それらの疑問・観察から、仮説を立てて実験する
4)Idea Networking:他者の知恵を活用する
・株式会社の仕組みにより「企業は(目的を達成しても)死んではいけない」という前提になっている
・ビジネスで議論をし、相手と根本的に話がかみ合わない場合、「そもそも人とはどう考えるのか」の前提が異なっているから、ということが多い
・戦略:企業を取り巻く環境(Environment)を前提に、業績(Performance)を向上させるための、経営資源(Resource)を使った、企業の行動・アクション(Action, Initiative)のこと
素晴らしい名著
今まで数百冊(もしかしたら1000超え)のビジネス書に目を通してきたが、間違いなくトップ3に入る名著。入山先生の講演を聴いて買ってみたものの、電子書籍だったのでボリューム感が分からずこんなに読むのに時間がかかるとは思わなかった。
読み終えて思ったのは、こんなに素晴らしい本は紙版も買おうということでした。
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入山氏の著名な名著。
世界中の経営理論を網羅的に解説した本とのこと。
不確実性が高く、正解のないなか、思考の軸となるべきものにしうるのが世界標準の経営理論とのこと。
メモ
・ビジネスパーソンに経営理論が必要な理由
説得性、汎用性、不変性
・SCP理論 需要と供給の関係、独占性(参入障壁・優位性構築)で利潤は決まる。現在は静的でなく、部分的にしか成立しなくなりつつある。
・プリンシパルエージェント理論。経営者と管理者のモラルハザードなどのこと。株主と経営者間でも成り立つ。目的の不一致に関する問題。インセンティブ設計やモニタリングによる解消法がある。
・不確実性の4分類 確実に見通せる、他の可能性、可能性の範囲が見えている、全く読めない未来
・トランザクティ部メモリーを高めるためには、コミュニケーション手段はいかようであれ、顔が見えることが重要
・ダイナミックケイパビリティ
センシングとサイジング。事業機会驚異を感知し、とらえること。
シンプルルール。数を絞ったシンプルルールだけを組織日徹底し、柔軟意思決定すべし。
・弱いつながりがクリエイティビティにつながり、強いつながりが実践につながる。
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◾️概要
経営理論を学び、実務に生かすため読みました。理論とは「経営・ビジネスのhow, when, whyに応えること」
です。ビジネスパーソンに経営理論が必要なのは、納得性・汎用性・普遍性が理由だからです。わかるわかる、なるほど、と思いながら読み進められました。
◾️所感
30の理論のうち、どこから目を通してもいいと思います。特に印象的だったのは、ダイナミックケイパビリティとで「急激な事業変化に合わせて、企業が内外のリソースを組み合わせ直し続ける、企業固有の能力・ルーティン」を問う理論のことです。手元に置き、事あるごとに読み返したい一冊です。
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フレームワークというツール(本来、思考を整理するのが目的)に頼るのではなく、理論(本書で網羅的に分かりやすく解説している)を思考の軸として、ビジネスという現象についてのwhyを深く考察するうえで、本書は唯一無二の名著である。
非常にボリューミーだが、スラスラ読み進められる。おもしろい。すべての章を読む必要はなく、自分の関心のある分野のみを読んでいき、その章で紹介される数々の論文を読んでいけば、知識は必ず深まるなと思う。参考書であり、積読書である。
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もやもやっとしていた世の中の流れや新しい動きが体系的に理解できました。
今、中小企業診断士の勉強をしているのですが、企業経営理論の分野が現実の動きに沿ってなるほどと具体的に頭に入っていきました。
ビジネスって究極の目標は、関係する人そして世の中全体を幸せにすることですね
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コスパがとても良い本。
読みやすく書かれた刺激ある800ページの本が、2900円である。
辞書みたいだけど、何かの雑誌向けに何年もかけて書いたものを集めたからか、とても読みやすい。
理論は、how、when、whyに応えるものというのは、学生にも読ませたい一文である。多くの研究者が再現性ある真理を求めて研究しているのだから、多くの気づきがあって当然ではあるが、なにより、今自分が興味があるのは何かということが俯瞰して読むことでわかるのは大きい。
例えば、企業に勤めている中でアドバース・セレクション、エージェンシー問題は本質的な問題だが、どのような対応があるのか。企業のビジョンを考える際、どのようにモチベートしていくのか。
今後、SH理論とか、業績が上がっている経営者を分析した結果から、違う業界に転職し、イントラパーソナル・ダイバーシティを高める必要があるのではないかとと考えたり。
3日位読むのに時間はかかるが、毎年読めば、毎年異なる気づきが得られるかもと思わせる良い本でした。
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読み始めてすぐ衝撃。フレームワークを使って経営コンサルを13年もやってきたことを恥ずかしく思った。ここは学び直すタイミングだと、地道に読み進めることとする。クリステンセンが、理論を大量に服用せよ、と言っていたけれど、この本はまさに大量服用が実現できる希少な手段となるだろう。2020.8.27
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従前から興味あったものの、その分厚さから購読をためらっていたが、本制度を機に購入した。組織論、社会学、経済学等様々な視点からの経営理論がまとめてあり非常に勉強になった。前項のフレーズは読み飛ばした序章に書かれていたが、全編読んだ後にこれを読み、本書の使い方を間違えていたのか、と意味で衝撃を受け印象に残った。今後は推奨されているように辞書的な使い方をするために手元に置いておこうと思う。
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超分厚い本ですが、自分の気になる理論を目次から当たりをつけるような見方でも面白いと思います。
私は結局気になるものしか頭に残りませんでしたが、気になるものの最近の理論が知れる、ということが非常に意義深いと思います。
気になった理論の本を読みたいと思っています
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入山先生が主要な経営理論をまとめられた書籍です。800ページで42章に及ぶ量ですが、過去に知っていることの再構築も含めて得られるところは多かったと思います。今後、この知識をいかに活用していくかも大切と思いながら読み進めていました。一度読んで終わりではなく、何度も、適宜関係するところを参照する使い方がいいのかなと思っています。
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経営学は経済学・心理学・社会学からの借り物で出来ているという着眼点を軸に、それぞれの視点の違いを活かして多角的な「経営学」像を浮かび上がらせる。
中でも新旧レッドクイーン理論を、3つの視点の交差点として描いているのがきわめて鮮やか。「競争を避けよ」のポーターでもなく、「競争に勝て」のバーニーでもなく、「競争こそが強さをもたらし、競争こそが脆さをもたらす」という東洋思想のような解釈に唸らされる。
小学生のようなまとめ方をしてしまえば、両利きの経営により「地に足のついた大ボラ」=センスメイキングするのが最強ということになるだろうか。
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ふぅ、なんとか最後まで読み終わった、というのが正直なところ。たしか出口治明氏の『還暦からの底力』で紹介されていて、興味を持ったのだった。参考になる部分は多々あったと思うけど、なにせ800ページの大著。一口で説明することはできない。経営学って、よくわからないなという思いは、必ずしも今も払拭されたわけではないんだけどね。ただ、変化が激しく、どうしたらいいかわからない場面においても、判断、決断はくださないといけない。そうした場合の軸になるものを与えてくれる枠組み、くらいな感じなのかな。一応、通読はしたので、今後は参考になりそうなところを拾うリファレンスとして手元に置こう。