あらすじ
放っておくと筋肉は年齢と共に衰え、そのことが原因で免疫力が下がったり、生活習慣病を引き起こしたり、心の健康や、脳の認知機能にまで影響を及ぼすと言われています。とはいえ、筋肉を衰えさせてはいけないとわかってはいても、運動をコンスタントに取り入れるのはなかなか難しい……。ジムに通い続けるにはお金も必要だし、一人でできないスポーツはその場所や相手を確保するのに手間やお金もかかる、ランニングはいきなり走っても大丈夫か不安……などなど、運動に対するハードルはけっこう高いものです。そこでウォーキングの提案です。ウォーキングなら家の周りを歩いてもいいし、どこかに行くついでに1駅分歩くこともできるし、すぐにでも始められます。ただ、なんとなく歩くだけでは体力アップはむずかしいことも事実です。著者は科学的に「どれくらいの速度で」「どれくらいの頻度で」「どれくらいの時間行えば」「どんな効果が得られるのか」を徹底的に研究し明確にしました。その根拠となるのは、20年にわたり6000人以上のデータを取った結果と分析。それがわかりやすく示されているので、なぜどのように体にいいのか、納得できます。そのようにして確立した、効果的で継続しやすい方法「インターバル速歩」のやり方を紹介。ややきついと感じる早歩きと、ゆっくり歩きを一定間隔で繰り返すだけのシンプルな方法です。第1章では、体力とはなにかについて、ミトコンドリアの働きなど細胞レベルの話も交えて解説します。なぜちょっときつめの早歩きを組み込むのかがわかります。第2章では、具体的なインターバル速歩のやり方を紹介し、多くのデータから明確になった、さまざまな効果について解説します。第3章は、インターバル速歩をさらに効果的にする方法や、腰痛・膝痛や体に不調のある人にもできる方法などを紹介する応用編です。第1章 体力とはなにか体力には種類がある/運動時のエネルギー源/体力が落ちると生活習慣病になる/運動トレーニングによる持久力向上メカニズム/熱中症予防のために備わった驚くべき体のシステム/1日1万歩は体力アップになるか?/中高年者は筋力トレーニングと持久性トレーニングを明確に区別する必要はない ほか第2章 インターバル速歩の方法と効果体力アップはウォーキングで十分だった!/体力向上は、生活習慣病を改善する/気分障害を改善する/睡眠の質も改善する/認知機能も改善する/関節痛も改善する/骨粗鬆症も改善する/炎症反応を引き起こす遺伝子活性を抑制 ほか第3章 インターバル速歩の応用インターバル速歩の後の乳製品を摂取で、筋肉が太くなる/慢性炎症を抑制する/生活習慣病の症状が改善する/熱中症に強くなる/腰痛・膝痛の人もできる/水中インターバル速歩 ほか
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Posted by ブクログ
登山のスピードは、最高酸素消費量に依存する。
体力とは、持久力と筋力のこと。持久力はエンジンの大きさ。最高酸素消費量=最大酸素摂取量で図れる。
筋力は瞬発力と狭義の筋持久力にわけることができる。
速筋は白く、遅筋は赤い。鶏肉は白く、牛肉は赤い。
クラアチンリン酸系→解糖系→好気的代謝系の順。
中高年特有の疾患の根本原因は、加齢性筋減少症による=体内で炎症が起きている。
体力が低下するとミトコンドリアが機能劣化する=活性酸素が生じるようになって、炎症が起きる=糖尿病、動脈硬化、認知症、がんの原因。
アスリートは心臓が大きい=心臓に血液がたくさんある。
p36
Posted by ブクログ
⚫︎負担の少ないトレーニング
毎日歩いているが、科学的な見解は知らなく、気になった。一万歩を毎日ただ歩いており、効果はそんなにないんだなと思っていたところであり、本書を読んでそのとおりの見解があり納得した。
インターバル速歩というものの導入で健康状態が改善に向かう。疲れは炎症に元づくと知っていたが、その抑制にも効果があるようだ。また、骨粗鬆症、うつ、にも良く、体力低下が生活習慣病の要因とのことだが、五ヶ月続けることで効果がでる。多くの実験結果により効果証明されており試してみたい。
さらに運動後の乳タンパク、チーズで効果大。この辺もジムに通うことや、サプリを取る方法と違って手軽にできると感じる。
なぜインターバルなのか、どういう経緯でインターバルという手法となったかは明確ではないが、開発のキッカケが誰でも、ジムに通うことなくできる方法をコンセプトにしておりとても共感できた。
Posted by ブクログ
オーディオブックで読破
配偶者に勧めたい
理由は一緒に健康でいたいから
インターバル速歩自体は単純な内容
その効果やエビデンスが9割以上を占める
インターバル速歩のやり方だけなら短時間ので読める。
最大呼吸の点は数式を理解したいが、その為には紙の本で読む必要ありかな…
Posted by ブクログ
著者のプロフィール、信州大学医学部特任教授、北アルプス医療センターあづみ病院非常勤医師、・・・信州大学山岳科学総合研究所部門長、・・・中国・天山山脈の未踏峰・ボゴダオーラ峰に医師として同行し自らも登頂、などなど凄すぎる経歴を拝見し、それだけも本書の内容が真実であることを信じるわけですが、自身が文系だからなのか、科学的センスがないからなのか、消化不良だからなのか、正直のところ、期待したほど面白くなく、わかりにくかったです。
10年以上も本書の主題である「インターバル速歩」を研究されてきた著者であるならば、もっとわかりやすく、もっと面白く書けたはずと感じます。
以下、自分で理解できたと勝手に思っている部分。
・運動生理学的にいうと「体力」は、「持久力」と「筋力」で確認できる。
・その「持久力」が高い人というのは、大気中の酸素を体内に取り込む肺などの呼吸器系の能力と、その酸素を筋肉に運搬する能力を併せ持っている。
・「持久力」は、「最高酸素消費量」で能力評価できる。
・富士登山のデータを見ると、「最高酸素消費量」と登場にかかる時間との間に逆相関がみられる(多いほど、短時間で登頂できる=持久力あり)。
・一方「筋力」のほうは、筋肉に「速筋」と「遅筋」というのがあり、100m走のような無酸素運動では、「速筋」を要するのに対し、マラソンのような持久力を要するスポーツでは「遅筋」が必要なようである。ウォーキングは「遅筋」のほうのようだ。
ウォーキングでよく言われる「1日1万歩」について、これが体力アップにつながるかデータ分析されたようですが、血圧が少し下がるのと、血液が少しサラサラになるくらいで、体力の顕著の向上は見られなかったという結論が書かれていました。その理由は、この一般的な歩き方では、運動強度が低い(つまり負荷が少なすぎる)からということでした。
1日1万歩あるいている人は、負荷をかけずブラブラと、あるいはダラダラと歩いているだけだから効果がないんだというような言い回しです。
それに対抗するのが、インターバル速歩で、最高酸素消費量×70%以上の速歩を3分間、続いて最高酸素消費量×40%以下のゆっくり歩きを3分間。それをワンセットとして1日5セット、それを週4日以上、そして5か月継続することで効果ありとのことでした。
70%以上の速歩とか、40%以下のゆっくり歩きなんて、数字を示されてもわかんないですよね。コレ読んでも、せいぜい自分の感覚で速歩3分、ゆっくり3分を繰り返すのが精いっぱいで、あんまり科学的じゃないなぁと感じるわけです。
なぜ5セットなのか、なぜ週4日以上なのか、なぜ5か月継続なのかの根拠も明記されていなかったように思うのです。
運動形態を問わず個人の最高酸素消費量を60%の強度を目標に、30分/日、3~4日/週、3~6か月やれば、年齢、性別、初期体力に関係なく、最高酸素消費量が初期値に比べ10~20%向上するという実験結果が書かれていたので、それが根拠ということなのでしょうか。
インターバル速歩は、うつ病にも効く、認知症にも効く、関節痛の改善にも効く、骨粗鬆症にも効く、と良いことづくめで書かれていましたが、何かデータの裏付け説明が科学的には感じられなかったです。データのサンプル数も少ないし。ちょこちょこっとできる範囲でデータとって、結果を誘引したように見えないこともない(そんなことはないと信じてますが)。ともかく、タイトルが「科学」なのに、ブルーバックスなのに、少し手抜きっぽく感じてしまいました。
それでも、(速歩3分+ゆっくり歩3分)×5セット×4日以上/週×5ヶ月を実践し、乳製品(プロセスチーズやヨーグルト)を摂取すれば、最高酸素消費量というのが向上し、それによって心機能が向上し、基礎代謝も向上し、血圧が下がり、心筋梗塞や脳疾患、循環器系疾患の予防に役立つのだろうということは、著者の経歴と研究の期間から確信できます。
意識は「負荷」をかけることですかね。いつでもどこでも手軽にできそうなので、実践してみたいと思います。