あらすじ
AIに仕事を奪われない!
読解力アップの実践法
日本中で騒然の書『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』、待望の続編
AIが苦手とする読解力を人間が身につけるにはどうしたらいいのか?
読解力向上のために親、学校、個人ができることを提言
小学校・中学校で実際に行われて成果をあげている授業・取組みを公開!
大人が読解力を身につける方法も明らかにする
あなたは大丈夫? すぐにできる「体験版リーディングスキルテスト」収録
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
前著で明らかにされなかった、読解力が低下している原因について、まず学校教育において電子黒板や穴埋めプリントの活用によって板書をノートに写す作業が減ったことにあるとしている。ノートに取ることは一見非効率で無駄な作業に思われるが、文章の意味を理解せずにはスムーズに写すことができないのだという。文字単位や画数ごとに写している場合には、文章が理解できていない可能性が高い。
もう一つは、スマホの普及によって幼児が接する大人たちがSNSやゲームに集中する時間を増やし、大人同士の会話を聞く時間や自分に話しかけてくれる時間を劇的に減らしていること。
双方とも、機械や技術による生活の変化、しばしば効率化と肯定的に捉えられるものに、人間から何らかの基礎的なスキルを奪い去る側面があるということ。
単調で退屈に思われる手作業、人間同士の意味を持った会話は、見かけ上AIに取って代わられることがあっても、人間とAIとではその行う作業の本質的な部分が全く異なる。
人間は集中することができ、意味を理解し、欲求を持ち、また全力で怠けようとする。穴埋めプリントのような、意味を理解せずキーワード検索で終えるような作業こそが、AIが得意とする作業。
読解力を向上させるために幼児期の教育方針として挙げられている中には、手を動かすこと、関心を持って自ら取り組むこと、集中してやり遂げることなど、モンテッソーリ教育とも共通するものが多いと感じた。
加えて大人の関わり方が重要な幼児期。生活の中で繰り返す食事や入浴、着替えなどにも手を動かす大切な動作や自然現象を学ぶ要素がたくさんある。忙しさにかまけてこれらを疎かにせず、また子どもに向き合い、関心を持って見つめる視線の先に気付いてあげられるよう、過ごしていきたいと感じた。
Posted by ブクログ
「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」続編!
「基礎的•汎用的読解力を身につけて中学校、そして高校を卒業させることこそが21世紀の公教育の果たすべき役割の『一丁目一番地』」と主張しています。
本書でいう読めるとはAI読み(キーワードの群として読ん)でいくのではなく、「意味を理解して読む」ことです。
そんな当たり前のことと思ってしまいがちですが、これまた子どもも大人も読めない人が一定数(約3人に1人)いるのです。体験版RST(リーディングスキルテスト)もついているので、ぜひやってみてください。かくいう私も正答率は100%ではありませんでした。
そして、その要因の一つに近年の学校教育の動向をあげています。
学習支援や話し合い活動の時間確保のための穴埋めプリントを増やした結果、プリント頼みでノートが取れず、文章の意味を考える機会を奪い、教科書が読めない生徒を増やした可能性があると。
また、人間は怠ける天才であり、いつまでも補助輪つきでは生徒が伸びなくなる。面倒であっても難しいことから逃避しないように、卒業まで心がけてやる必要があるとも。
そして、合理的配慮で行われることの多いルビつきに関しても言及していました。ルビによって読み方(音)はわかっても「読んでわかる」ことにはならないようです。
そんな中で筆者は親、学校、個人でできること提言しています。
詳細が気になる方は、ぜひ手に取ってみてください。