【感想・ネタバレ】忌み地 怪談社奇聞録のレビュー

あらすじ

怪談社の糸柳寿昭と上間月貴が全国各地の忌み地、いわくつき物件を中心に取材。ふたりが足で集めた情報をもとに作家・福澤徹三が取材のプロセスや現場の状況を書き起こした前例のない怪談実話集。糸柳と上間は事故物件が集中する地域で、恐るべき怪異の連鎖に遭遇する。歴史から忘れ去られた戦慄の真相とは?

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ネタバレ 購入済み

じんわり怖い

残穢的な怖さがありました。
住む場所を変えるのが怖くなってきました。

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2020年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

怪談を蒐集する際、怪談社を任されている糸柳と上間は現地に行って取材をするのだ。徒労に終わる事もあるが、現地に行って取材をした分関連した話を収穫できる事が多いらしい。本書は、それぞれが同じ色を帯びた話を集めた怪談実話集である。
***
実話怪談集。今までずっとホラー小説ばかりを読んでいたのでとっても久しぶり。こちらの本は、ただ怪談を集めただけではなくその怪談を聞くに至ったプロセスも一緒に書いてあり、新鮮だった。どうした理由でという前後があるおかけでより一層、リアリティがあった。(実話怪談なのでリアリティという言葉はやや不適切か?)オチがきっちりつくホラー小説と違って、結論が曖昧模糊としているがそれがこちらの想像を掻き立てて、余計に怖い。ああじゃったんじゃないか、こうじゃったんじゃないかといろいろ考えてしまう。どれもこれも家や建物、土地に関する話ばかりで、そのいずれかがいずれかに関係していたり、多くの話の根底に同じだと推測される原因が横たわっていたりと、話それぞれに連鎖があるのは非常に良かった。関連しているとわかった瞬間のあのぞーっとする感じがいい。一番怖かったのは「うなる男」。語り手のマンションに出た、体に火傷を負った男。それが週に何回か現れ何かを訴えるように、「うーッ、うーッ」とうなる様も不気味。しかも、その話の最後にはその語り手がこんな感じだったと描いてくれた絵が不気味だった。その場でササっと書いたので大雑把な絵であったが余計怖さを倍増させた。昨日の夜その話を読んだが、よもや暗闇の向こうから現れまいな?とちょっとビクビクしてしまった。もう一つ真相が気になった話が、「封印されたアパート」こちらは、幽霊らしい幽霊は出てこないのだが、必要以上に人を入れまいとまさに封印されているアパートの様子、そしてそのアパートの事を聞こうとすると示し合わせたかの様にこちらを無視する近隣住民。そして、やっと話を聞けそうな人を見つけたと思ったら「関わらないほうがいい」「絶対中に入るな」と釘を刺される始末。物件に対する曰くなので、有名な事故物件サイトで検索しても杳として知れず……。ここで何があったのか、本書では判明していない。おそらくこれから先もよほどのことがない限り明るみにはならないだろう。しかし、それだけ近隣住民が触らぬ神に祟りなしといわんばかりに敬遠しているところを見ると、興味が募るが、恐怖もより募る話だった。

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2020年12月26日

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