【感想・ネタバレ】幸福学×経営学 次世代日本型組織が世界を変えるのレビュー

あらすじ

はじめに

1章 幸福学が経営を変える
第1節 なぜ幸福を研究するのか
■SNSで“炎上”した、幸福に関するひとつの質問
■「それ、何の役に立つの?」――科学技術の進歩に疑念
■幸せの姿は多様でも、幸せに至るメカニズムは共通
第2節 知っておくべき幸福学の基本
■幸せの定義
■幸せを測る
■何が人を幸せにするのか――地位財と非地位財、フォーカシング・イリュージョン
第3節 幸福になるメカニズム――幸せは4つの因子から
■因子分析とは何か
■やってみよう!ありがとう!なんとかなる!ありのままに!
■大切なのはバランスと全体
第4節 社員を幸福にする「ホワイト企業」の秘密とは
■働く人の幸せこそ企業や社会の成長の源泉
■ESは時代遅れ!?業績は社員幸福度に比例する
■やりがいという“幸せの青い鳥”を探して
■いきいき、のびのび、すくすく――ホワイト企業の3つの因子
■ホワイト企業はブラック企業よりも儲かるのか

2章 働く人の幸せを追求する ホワイト企業大賞受賞企業の物語
■西精工株式会社(徳島県徳島市)
社員の幸せを追求した大家族主義的経営で
「人生最後の日まで出社したい」と思われる会社に
■ぜんち共済株式会社(東京都千代田区)
「社長はいてもいなくても同じ」と言われるほどの
オープンでフラットな風通し経営
■有限会社アップライジング(栃木県宇都宮市)
「人の成長が何よりうれしい」
会社は家族に誇れる人間力大学校
■ダイヤモンドメディア株式会社(東京都港区)
人が本来持つ力を引き出す
上司も部下も理念もないホラクラシー経営

3章 これまでの経営学 これからの経営学
第1節 経営学とはどんな学問か
■経営学の出発点 「テーラーイズム」
■経営学の系譜
■経営学が生んだ3つの病
第2節 これからの経営学はどこに
■存在を掘り下げる経営
■利を追わない経営
■苦悩を味わう経営
■これからの経営学に向けた4つのヒント

4章 ホワイト企業への道 ――The White Company Way
第1節 ホワイト企業とは
■ホワイト企業大賞の発足
■ホワイト企業を目指して歩き続けるために
第2節 日本型経営の再発見
■自由闊達だったソニーがアメリカ流合理主義的経営で凋落するまで
■フロー経営を生んだ日本型経営
■日本型経営の本質をとらえたアベグレン
■日本独自の経営を探求し、世界をリードしていく
第3節 ホワイト企業大賞の概要
■ホワイト企業への道をともに歩む、ホワイト企業大賞の活動
■第1回から4回までのホワイト企業大賞 表彰企業

むすび

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Posted by ブクログ

ネタバレ

新年やっとクリアした1冊め、ホワイト企業の事例はどれも泣ける星5つです!
利益はあくまで結果であり、目的にしてはいけないんだと感じました。

------ここから気になったフレーズ
「会社が儲からなければ社員を幸せにすることもできない」
という場合、利益の追求による業績向上が「原因」で、社員の幸せ実現はその「結果」ということになる。逆の因果関係は本当にありえないのか?
かつては、企業が社員を不幸にすることで競争に勝てる時代があった。しかし、それはもう限界。逆に、これからは働く人を幸せにできる企業しか生き残れないー
・幸せには長続きしないもの(地位財による金、モノ、社会的地位)と長続きするもの(非地位財による心、安全、健康)がある
・幸せの因子4つ(やってみよう、ありがとう、なんとかなる、ありのままに)
・ES向上は時代遅れ。社員のパフォーマンスは、従業員満足度との相関が高くない一方、プライベートも含めた「社員幸福度」との相関は高い。
・人的資源管理(HRM)では、確かに4つの資源のうちでヒトを最上位に置いてはいるが、他の資源と同じ管理対象の1つとしておかれている。しかし、人は資源(リソース)ではなく、存在そのものとして別格にすべきではないか。
・伝統的な戦略では顧客や市場の分析を起点とする。往々にして顧客至上主義が命題となり、外からの動機付けになる。一方innovationはin(中に)+nova(新しくする)であり、自らの内側、見方、考え方、あり方の刷新が含意される。
・利益は追求するものではなく、追求すべきは、自分たちのあり方、思いの実現に向けた掘り下げと、価値創造に向けた工夫の連続。利益はその結果に過ぎない。ホワイト企業では利を求めない、追わない経営が、結果として利を生み続けている。
・経営学がもたらした3つの病
1. 手法病(手法だけが目的化する)
2. 計画病(定量化が重視される、計画だけで実行されない)
3. 分離病(孤立や対立の文化がはびこる)
・日本は犯罪が少ない世界の中で最も進化した社会であるが、自己否定感が強いため、「社会はどんどん悪くなっている」「日本社会は遅れている」という脅迫観念に取りつかれている。ソニーのようにアメリカ流の合理主義を取り入れて凋落していく企業が続出。
・どうしたわけか日本の経営学者も経営者も欧米の経営学ばかりを追いかけている。もっと日本独自の経営を探求し、世界の企業経営をリードすることはできないだろうか。

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2020年01月12日

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