あらすじ
曹操に大敗した劉備元徳、稀代の策士・諸葛孔明を三顧の礼をもって軍師に迎え、ついに赤壁の戦いへ――。孔明、七星檀を築いて東風を起こし、八十万の曹操軍が火の海に包まれる!怒涛の第二巻。
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Posted by ブクログ
官渡大戦で袁紹を破り最大勢力となった曹操に劉備一家と3代目の孫権が挑む赤壁合戦辺りを中心に描いた2巻目。演義の方は劉備がお世話になった家の奥さんの人肉を供せられ感謝の言葉を述べるという現代では理解し難い風習が出たり、孫策が于吉仙人の呪いにより若死にするなどワンダーランドな雰囲気になっている。で、その要素を引き継いだキャラが本巻で登場。名前はご存知諸葛孔明。三国志という名のつく作品に名前が必ず出るであろう軍師だが庵から出て劉備に仕えるまでも仰々しい。演義は冒頭は殺戮マシーン関羽と張飛の大活躍だが中盤になると神の如き知謀で相手を死に追いやる孔明が活躍するという切り替えが素晴らしい。それでも張飛1人で橋の上に立ち大軍を通さない(これは正史にもある)とか超人的武勇伝があるのが良い。
孔明の話に戻ると呉の周瑜は本来なら彼の力で曹操を倒したのに全て手柄を孔明が掻っ攫うという悪辣さが目立つ。あと善人の化身みたいに言われている劉備だが本書を読むと言い回しを含めて実に用心深くお人好しでも無い事が分かる。
Posted by ブクログ
人間の喜怒哀楽が激しくて面白い。特に曹操と劉備。
戦場のシーンも勿論面白いです。
この文体は雰囲気があって好きです。読みにくいと思う方もいると思いますが…。「徒歩」に「かち」とフリガナ付いてるのがいいですね。自分も普段から「かち」と読んでしまうので……www
Posted by ブクログ
もともと横山光輝の三国志を熟読していたので、本書の話の展開はほぼ知り尽くしているが、漢文好きな私にはこの文体がたまらない。漢文とはいえ、漢詩はあまり読み込んだ蓄積が少ないので、たびたび引用される漢詩は、雰囲気だけ察するも、あまり理解できない。しかし、書簡の引用などで掲載される漢文の書き下し文は、私の好みで今まで親しんできたから、理解がスムーズにできて、至極面白い。本文も訳者の力量が卓越しており、面白い。付言すると、私の文体にも少し近似していて、類を同じくするというところかもしれない。平生策略は講じない私でも、軍隊の突進ぶりに自分と同じ雰囲気を感じているのかもしれない。私はもともと一兵卒の精神性である。