【感想・ネタバレ】SARU 下のレビュー

あらすじ

世界の終わりを救うのは…誰だ?

現代に甦った征服者フランシスコ・ピサロの暗躍により、ナムギャルや奈々たちの必死の抵抗にもかかわらず、フランス・アングレームの地中深くに眠っていた“大猿”は覚醒の時を迎えつつあった。
欧州各国はすぐさま陸・海・空軍を配備、未曾有の武力をもって“大猿”=SARUの侵略を防ごうと試みるが…。
一方、史上最強の魔法を操るとされるビエラ・カリのもとを訪れた奈々たち一行。
暴風そのものとなって世界中を異様なスピードで蹂躙するSARUに対し、全人類の最後の望みをかけた魔法が今、空から降り注ぐ…!
果たして人類の未来は?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

自分が、伝承や文化や歌というものを取り上げる漫画に滅法弱いことを再確認した。なんていうか、もう言葉を失う壮大さ。上下巻2冊なのに、長編を読んだかのような密度の濃さ。決して詰め込み過ぎていないのに、濃密。前巻を読んだときに「これ下巻で終わるの?」と疑わしく思ったのだが、見事な収束具合。
伊坂幸太郎『SOSの猿』と「対をなす」とはまさにこのことで、どちらが裏でも表でもなく、同時にそれぞれ並び立つ世界観が素晴らしかった。

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2011年05月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻は散漫な印象だったけど、下巻は良い。「SOSの猿」に登場した歌い手雁子さんの名セリフが五感を伴って再現されるシーンがあって、そういうところは絵の力をまざまざと感じさせられる。
五十嵐氏の絵は、「海獣の子ども」でも証明済みだけど、自然や生命の圧倒的な力を描かせたらもう右に出る絵描きさんはほとんどいないのではないかというぐらい上手くて、小説の世界では非常に観念的であった「猿」が見事に具現化されている。

ここの物語ではイレギュラーな存在として登場し、ほぼ傍観者状態の「ナナ」だけども、彼女は恐らく違う世界から入り込んでしまった存在だね。小説版にも同じ名前の女性が登場するから。彼女の強い思いが閉じた世界に小さな穴を開ける。

猿の物語は伊坂版ではどこか違和感があったけど、五十嵐版ではまったく違和感なく、それどころか完全に五十嵐ワールドに取り込まれているので、もし単体でどちらか読むなら、このコミック版をおすすめする。

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2013年05月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

猿とSARUをめぐる黒魔術と白魔術。世界の秩序をかけて、秘められてきた2つの力が衝突する。宗教にも文化にも、それぞれに果たすべき壮大な役割があった。しかしサベーリョの目的は、混乱を鎮め、この星を安定へと導くことではなかった。

ミステリアスで知的だった。すこし読んで気に入り、読後もなかなか興奮がさめなかった。知りえない存在(神)およびその力(神秘)と庶民とをつなぐという点にも宗教や文化の意義はあったのだ。今日までになかった視点で考えられるようになったかもしれない。

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2011年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

漫画だけど“SOSの猿”との競作という事でレビュー。古本屋に偶然にもそろって置いてあったので上下巻購入。ネタ的には嫌いじゃないけど新しい感じもしないかな。絵的にはちょっとタイプではない。そんでもってSOSの猿とクロスするってわけじゃない。通ずるもんがあるって程度、なのはおもしろい。けどラストは無理矢理話題に引っ張りだしてて自然じゃない。(漫画だと好き嫌いがはっきりしてるのでレビューが厳しくなってしまう)

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2013年03月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

太古の昔から地球にいた猿神の分身同士が、人類の敵味方に別れて戦う話。

スケールはデカイ。数千年かけて人類の意識に溶けたサルと、数千年肉体を眠らせたサルの戦いで、近年の人類の変容により、これまで押さえてきたサルの肉体を抑えきれなくなり、凄まじい力で暴れだすというもの。
地球規模のオカルトだが、印象としては環境破壊、文化破壊への警鐘を仮託したものに思え、対策や結末はどうもしっくりこなかった。
いやもう、一度暴れてしまったら、もうダメなんでないかと思える規模なので、なんとか抑えられたのが、どうも納得できない、というか、理解しきれない。

それで終わってしまうのもちと業腹なので、伊坂幸太郎も読んでみようと思う。

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2011年05月29日

シリーズ作品レビュー

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