【感想・ネタバレ】後宮の花は偽りでいざなうのレビュー

すっかり人気が定着したジャンルの1つ、中華風後宮が舞台の(これもある種の異世界?)ファンタジーである本作。主人公である陶蓮珠は三十路手前になる相国の女官吏だが、例え上司であっても間違いは指摘する正義感が煙たがられ、さまざまな部署をたらい回しにされて、今では「遠慮がない・色気がない・可愛げがない」で知られている。ある日、業務で訪れた他部署で、隣国である威国人の絡んだ諍いを威国語を使って仲裁したところ、その様子を見ていたと思われる武官らしき人物から「威国語のできる未婚女性を探していた」「おまえを嫁にほしい」「準備はすべてこちらで」「それが済み次第、迎えをやる」と畳みかけられる。何かのネタかと思った蓮珠は受け流すが、後日やってきた丞相に連れていかれた先には例の武官がおり、なんとその武官は新しく帝位についた皇帝の双子の弟である郭翔央で、本当に自分の嫁になってほしいのだと言う。しかしそれは、雲隠れした皇帝とその妻である威国の公主を、2人で身代わりを務めながら秘密裏に探し出すという目的のためで、無事に皇帝夫妻が見つかった暁には離婚の上、上級職へ推挙し、出世に必要な殿試という試験を受けられるように取り計らってくれるとまで言われた蓮珠は、覚悟を決めて翔央の申し出どおり結婚して依頼を果たそうとするのだが、果たして皇帝夫妻は見つかるのか? そして蓮珠と翔央はどうなるのか?
女性が後宮の女官としてではなくしっかり官吏として仕事をしていたり、蓮珠があり得ないくらい無鉄砲にあちこちへ首を突っ込んだり、いろいろな意味でファンタジーな点もたくさんありますが、いつも明るくポジティブな蓮珠が持ち前の正義感と行動力でがんばる姿は、読んでいて元気をもらえる気がします。こちらも定番化している「身代わり結婚」「契約結婚」のお話としても非常におもしろく、まずは結婚から始まった2人の関係は早々に相思相愛っぽくなっていくものの、身分の差や周囲との関係はもちろん、蓮珠の身の上などの伏線が絡み合って、ハラハラドキドキが止まりません。中華風なエッセンスは軽めですが、読みやすいので中華風ファンタジーの入り口としてオススメ。コミカライズ版もありますので、こちらも是非。

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ネタバレ購入済み

まさかの

2023年08月15日

これで終わりなのかな〜と、思いながら読んでいたところ、もう一山ありました。めでたし、めでたし、じゃないの〜?というところです。

#切ない

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年08月15日

国家存亡の危機にハラハラしながら読んだ。どっちに転んでも二人は離れ離れだし、ぶっちゃけ軍事に重きを置いていない相国じゃ太刀打ちできなさそうだしどうなるのー?と思っていたら、まさか禅譲ということになるとは……。
これで偽りの皇帝、皇后の生活には終止符が打たれて新たな関係になっていくのかと思いきや、最後...続きを読むの最後で再び波乱が巻き起こってしまったけれど……次巻が楽しみ!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年08月27日

 中央地域で繰り広げられる覇権争い。龍義軍の特使団が栄秋に乗り込んできて、妃嬪を差し出せと言い出した。後宮を守る為ら蓮珠は大きな掛けに出る…

 武力に頼らない官僚主義の相国がかなり劣勢でしたが、翔央と蓮珠の機転で何とか妃嬪達を無事帰す事ができ一安心でした。後宮解体の為、一時的に別離する翔央と蓮珠だ...続きを読むったけど、ラストまた何やら不穏な動きが。次巻も楽しみです。

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Posted by ブクログ 2024年02月10日

偽りの皇帝夫婦としての道を歩んでいる翔央と蓮珠。相国を思う2人の強い気持ちはありつつも、中央地域で繰り広げられていた覇権争いの火の粉が降りかかり、相国が存亡の危機に。最後の方、なかなかの展開にヒリヒリしてたんだけど、ほんとに最後の最後、そのヒリヒリさえ全部吹っ飛ばすような爆弾が投下される....。
...続きを読む世の中、うまくいかないことの方が多いのなんて百も承知だけど、みんな丸くおさまればいいのに、って思わずにはいられないな....。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年07月09日

翠玉の輿入れが決まってすべて収まったかに思えたが,中央の覇権争いに巻き込まれ次々と他国が介入してくる.蓮珠と翔央がいつまで身代わりをするのか,そろそろ幸せな二人を見たい.

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