あらすじ
元都入りした蓮珠と翔央たちは、威首長から謁見を拒まれ仕方なく市場を見て回ることに。そこで蓮珠は、幼少の頃に父が救った行き倒れの威国の旅人・黒熊と再会する。威首長に会えずに困っていることを伝えると、実の娘のように思う蓮珠のためならと黒熊は協力を約束してくれる。・・・しかし、新たな問題が発生。市場で怪しい取引を目撃してしまった蓮珠は、思いがけず威国の内部抗争に巻き込まれてしまう――! 大人気中華後宮ファンタジー、一難去ってまた一難の第十一巻!
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すっかり人気が定着したジャンルの1つ、中華風後宮が舞台の(これもある種の異世界?)ファンタジーである本作。主人公である陶蓮珠は三十路手前になる相国の女官吏だが、例え上司であっても間違いは指摘する正義感が煙たがられ、さまざまな部署をたらい回しにされて、今では「遠慮がない・色気がない・可愛げがない」で知られている。ある日、業務で訪れた他部署で、隣国である威国人の絡んだ諍いを威国語を使って仲裁したところ、その様子を見ていたと思われる武官らしき人物から「威国語のできる未婚女性を探していた」「おまえを嫁にほしい」「準備はすべてこちらで」「それが済み次第、迎えをやる」と畳みかけられる。何かのネタかと思った蓮珠は受け流すが、後日やってきた丞相に連れていかれた先には例の武官がおり、なんとその武官は新しく帝位についた皇帝の双子の弟である郭翔央で、本当に自分の嫁になってほしいのだと言う。しかしそれは、雲隠れした皇帝とその妻である威国の公主を、2人で身代わりを務めながら秘密裏に探し出すという目的のためで、無事に皇帝夫妻が見つかった暁には離婚の上、上級職へ推挙し、出世に必要な殿試という試験を受けられるように取り計らってくれるとまで言われた蓮珠は、覚悟を決めて翔央の申し出どおり結婚して依頼を果たそうとするのだが、果たして皇帝夫妻は見つかるのか? そして蓮珠と翔央はどうなるのか?
女性が後宮の女官としてではなくしっかり官吏として仕事をしていたり、蓮珠があり得ないくらい無鉄砲にあちこちへ首を突っ込んだり、いろいろな意味でファンタジーな点もたくさんありますが、いつも明るくポジティブな蓮珠が持ち前の正義感と行動力でがんばる姿は、読んでいて元気をもらえる気がします。こちらも定番化している「身代わり結婚」「契約結婚」のお話としても非常におもしろく、まずは結婚から始まった2人の関係は早々に相思相愛っぽくなっていくものの、身分の差や周囲との関係はもちろん、蓮珠の身の上などの伏線が絡み合って、ハラハラドキドキが止まりません。中華風なエッセンスは軽めですが、読みやすいので中華風ファンタジーの入り口としてオススメ。コミカライズ版もありますので、こちらも是非。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
蓮珠の巻き込まれ体質、引き寄せ体質は子供の頃から筋金入りであるというのと、人の縁が一周回って今の蓮珠を助けてもいるとひしひし感じた。また不穏な引きだったが、蓮珠と翔央なら切り抜けてくれるに違いない。
Posted by ブクログ
蓮珠が子供の頃助けた旅人黒熊のおじさんとの再会,威国首長,黒公主の庇護のもと相国新皇帝翔央が後ろ盾を願い威国へ,滞在中に巻き込まれた部族間抗争を見事に収めて蓮珠は翔央と共に凌国に出立する.凌国の青龍遊撃隊の千秋の王命が気になるラスト.
Posted by ブクログ
威国の元都に入った翔央と蓮珠たち。トラブルがあり威首長への謁見ができず市場を回っていたら、蓮珠は幼少の頃に父が救った行き倒れの威国の旅人・黒熊と再会する。黒熊のおかげでトラブルの方はなんとかなるが、今度は威国内部の大きな問題に巻き込まれる相変わらずの蓮珠。周囲の評価も相変わらず(笑) うっすらとそうかなーと感じられてた黒熊や友人の白猫の正体が明らかになったり、凌から来ていた使節の千秋の力もあり問題が解決したり、早い展開な感じ。威に亡命した榴花や朱景も出てくるが、最後の最後で榴花も蓮珠も巻き込まれそうな爆弾発言が千秋からなされる。翔央たちがんばって....!