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Posted by ブクログ
書肆で見かけて、是非読んでみたいと思っていた。3部構成で、特に第一部が興味を引いた。JIS漢字の由来は昔の地名にあったということ。多くの名字は地名に由来するわけだから、地名・名字というのはJIS漢字の、特にほとんど見かけない字の出典ということになる。
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良書。論文めいた言い回しも散見されるが、内容がよく整理されているため読みやすい。仕事柄「謎の漢字」に触れる機会が多いため、取り上げられる漢字のあれもこれも身近に感じられて大変面白く読めた。
Posted by ブクログ
笹原先生がエッセイ!とな?
一見、いつもの、これまでの笹原さんの新書といった感じがするが…。
うん、たしかに「麩菓子」と「竹輪麩」を「逸品だと思う」と言ってみたり、子供を資料館の外で待たせておいて調査に勤しんだりよいった、ちょっとした身の上話が出てきたのが新鮮かな?
三つの内容からなる。
第一はJIS漢字。
その制定に国土地理院発行の『国土行政区画総覧』が大きな役割を果たしていることなどが書かれる。
日本で人名の調査がきちんとなされていないということを初めて知った。びっくり。
第二は海老蔵の漢字表記の話。
五代目が、初代、二代目に自分が及ばないと謙遜して「鰕蔵」とした話などを、資料をもとに追いかける。
第三は科挙の漢字の字体の評価。
宋代あたりは、用字の適切性が見られ、点画の位置や形などにはそれほど厳しくはなかったらしい。
逆に清代には、特定の書体でなくてはいけなくなったり、正字、俗字の区別にやかましかったりと、細部にこだわるようになる。
このあたりの話になると、日本の漢字教育のことも思い出され、対岸の火事とも言っていられなくなる。
書道の発展にもマイナスの影響があった、という指摘も考えさせられる。
昔読んだはずの宮崎市定『科挙』、村上哲見『科挙の話』をもう一度読みたくなった。
Posted by ブクログ
全き知らない世界で、興味もなかったのですが、普段使うことがほとんどないレアな漢字が地名に由来することを知りました。日本国中の地名を調べ上げ、漢字を拾っていった人々の苦労と熱意が伝わってきます。
Posted by ブクログ
『スマホやパソコンでは、嬲、娚、娵、啌、鯲、蟶、妛といった不思議な文字を打つことができる。』
この「嬲」は「嫐」でないと本文の意を汲まない
この紹介文にもある「妛」の様な幽霊漢字は有名な謎だったが、それ以外にも盛りだくさん
笹原先生の研究の経過の一端が実況形式で見えてくるつくりであるが、その分「鰕」の項は読みづらさを感じたところも
Posted by ブクログ
正しくは読み終わっていない。第三部の科挙の話がちんぷんかんぷんで読み飛ばしてしまった…。簡単に読める本ではなかったね。
「令和の令の字をどう書くか」という時事的なことへのアンサーもあっておもしろかった。正しい漢字とは何なのか、正しい書き方とは何なのか、というかことを考えたいと思う。
あとこの感想をスマートホンで打てていることをJIS漢字に感謝。