【感想・ネタバレ】蜜蜂と遠雷(下)のレビュー

あらすじ

2次予選での課題曲「春と修羅」。この現代曲をどう弾くかが3次予選に進めるか否かの分かれ道だった。マサルの演奏は素晴らしかった。が、明石は自分の「春と修羅」に自信を持ち、勝算を感じていた……。12人が残る3次(リサイタル形式)、6人しか選ばれない本選(オーケストラとの協奏曲)に勝ち進むのは誰か。そして優勝を手にするのは――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

音が鮮やかに表現されていて、「音を読む」という今までにはなかった体験ができた。また、塵、亜夜、マサル、明石の4人の音楽に対する思いが、心に沁みてくる。ピアノコンクールの過酷さを知るだけでなく、音楽とは何か、何がいい音楽なのか、これからの音楽のためにはどうすればいいのかを考えさせられた。

〈好きなフレーズ〉
・やはり、音楽というのは人間性なのだ。
・音楽は、常に「現在」でなければならない。博物館に収められているものではなく、「現在」を共に「生きる」ものでなければ意味がないのだ。綺麗な化石を掘り出して満足しているだけでは、ただの標本だからだ。
・目に見えず、現れてはその片端から消えていく音楽。その行為に情熱を捧げ、強く情動を揺さぶられることこそ、人間に付加された、他の生き物とを隔てる、いわばちょっとした魔法のようなオプション機能なのではないか。
・初めて演奏されるピアノ・コンチェルト___新曲を、最新の曲に生で接する喜びを、もう味わうことはできないのだろうか?これほど巷にありとあらゆる曲が流れ、次々と新しい曲が生まれ、瞬時に世界に配信されるこの時代に、なぜもう一度ラフマニノフの二番の初演を聴く喜びを味わえない?
・人間の最良のかたちが音楽だ。 どんなに汚くおぞましい部分が人間にあるとしても、そのすべてをひっくるめた人間というどろどろした沼から、いや、その混沌とした沼だからこそ、音楽という美しい蓮の花が咲く。
・自然の中から音楽を聞き取って書きとめていたのに、今は誰も自然の中に音楽を聞かなくなって、自分たちの耳の中に閉じ込めているのね。それが音楽だと思っているのよね。
・あたしたちは、みんな音楽から与えられることばかり考えていて、返してこなかった。搾取するばっかりで、お礼をしてこなかった。そろそろ返してもいいわよね。
・命の気配、命の予感。これを人は音楽と呼んできたのではなかろうか。恐らくこれこそが、音楽というものの真の姿なのではなかろうか。

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2026年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

書かれている文章は普通の黒文字なのにも関わらず、鮮やかな色彩を持った音楽が不思議と聴こえてきます‼︎それぞれのコンテスタントが独自の演奏をする様が、文字から頭の中に映像として浮かんできて、読者である私もコンクールの観客席に座っているかのような感覚になりました。音楽という文字で表すには難しいものを、ここまで鮮やかに描き出せるなんて素晴らしいと思いました‼︎読み終わった後も充足感のある物語です。

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下巻もさくさく読めた。
登場人物の今後が想像に委ねられる終わりで、素敵な終わり方。本選の発表の仕方も、当たり前に発表の瞬間があると思ってページを捲るも、最後に審査員の会話で語られるところがさすがだなぁと思った。(順位表は最後にはある)
音楽の在り方、音楽で生きていく難しさ、素晴らしさ色々と感じることのできる作品でした。
あと、解説!解説が非常に興味深くて、編集者目線の小説が出来上がるまでを知り、この本が生まれてきた奇跡と感謝でいっぱいになった。やはり小説版は解説がついているところが好きだなぁ〜。

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2026年01月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻の面白さに反して、下巻はやや冗長に感じた
上巻から続く演奏シーンの連続だが、下巻に入ると何度も繰り返された同じシーンになってくるので、悪い言い方をすればそれをどう被らないように多様な表現ができるか、みたいな状態になっていて、後半はやや読むのが苦痛だった。
前半の面白さやスケールが、後半はしんどくなってくるような。
ただ下巻の最初、あやが風間塵と月の光を弾いて自分のカデンツァを掴む描写は本当に良かった

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2025年12月19日

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