私は数学が苦手です…むしろ算数の段階から既に苦手でした。「足す・引く・掛ける・割る」以外の内容はほぼ忘れました。というより結局理解できずに学生時代が終わりました。そんな私にも「もしかしたら数学ってすごく楽しくて素敵なものなのでは?」と思わせてくれるのがこの作品です。
本作は、ある離島で小学生・関口ハジメと老いた数学者・内田豊が出会って始まる、数学にまつわる人々と数学のお話です。感覚を共有するというのは非常に難しいものですが、ハジメが数式を書いたり何かを見出したりするシーンには、数字が人に見えるとか風を受けて空を飛ぶとか、共感覚的な何かを可視化させたような表現があって、学生の私にはついぞ知り得なかった数学の美しさを知る人たちが、そしてそれを今まで見えなかった世界を見るために使える人たちが、本当にいるのだとうらやましく思いました。しかし同時に、遠くへ行くための方法は人によって異なり、それは例えばダンスかも読書かも音楽かもしれなくて、そして必ずしもうまく行くとは限らなくても終わりはないのだと、この作品は教えてくれているようにも思うのです。数学に苦手意識を持っている方にぜひ読んでいただきたい作品です。
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Posted by ブクログ 2020年04月04日
面白かったー!すごいファンタジーだなぁ。ウチダが体張るところ所でうぉーってなった。
座標が生まれて新しい世界が広がって当たり前になって、って話が自然と出てくるのがこの漫画の面白みだったなぁ。「世界がひとりぼっちになっちゃう」って言葉もハジメが言うと自然に聞こえる。楽しい漫画だった。
Posted by ブクログ 2020年02月12日
私自身は数学は苦手ですが、数学部分を理解できなくてもストーリーが面白いです。
数学って無機質なものと思っていたのが天才の目を通すと鮮やかな世界なのかなぁと思いました。
それに、ややこしそうな数式も、もしかして、とても身近なものなのかも…
読み終わって最初に思ったのは、はじめの新しい冒険をもう見られないんだな、ということ。残念というより寂しい。無邪気に数学の世界を見て回り、素直に感動する姿は、はじめに関わる人だけでなく、読者の心まで動かしてきたのだろう。
数学の世界に魅せられる人がいることを知るには『はじめアルゴリズム』を、数学...続きを読むを自分でも理解してみたくなったら『数学ガール』を薦めたい。