あらすじ
『○○○○○○○○殺人事件』で鮮烈デビューした「奇才」による待望のメフィスト賞受賞第1作!上木らいちは援交をする高校生で名探偵でもある。殺人現場に残された12枚の遺体のカラーコピー、密室内で腕を切断され殺された教祖、隣人のストーカーによる盲点をつく手口――数々の難事件を自由奔放に解決するらいち。その驚くべき秘密が明かされる時、本格ミステリは新たな扉を開く! さらにパワーアップした傑作短編集登場。【解説入り】
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Posted by ブクログ
〇8のらいち続編
ずっと気になっていたがようやく読めた
シリーズ4作目まで積読状態
正直〇8の内容は記憶に…
内容は期待通り、いや期待以上だった
個人評は満点に近い
逆に次作から大丈夫かと心配してしまうほど技を出し切ってるなと思わされた
筆者によるあとがき、深水の解説も良い
読みながらだいぶ加筆修正されているなと察していたがやっぱりか
こりゃノベルス版も即注文だな
在庫あり、ナイスゥ
〇8が楽しめた人には激推し
では続けて次作いってみよー
Posted by ブクログ
前作の『○○○○○○○○殺人事件』は面白かったけど超くだらない作品だったから今回もそうなんだろうな…と思って読んだが
…おや?
相変わらず下品だけど意外と本格ミステリとしてちゃんとしている。
…と思わせてやっぱり最後にやってくれた。
いやもう発想力がえげつない。
どうやったらこんなん考えつくんだ。
読者やミステリ業界を完全におちょくりまくっていて若干腹が立つが、その才能は認めざるを得ない。
まさに鬼才。
悔しいけどハマりそう。
Posted by ブクログ
援交探偵、上木らいちを主人公にした連作短編集。前作『◯◯◯◯◯◯◯◯殺人事件』で衝撃的なデビューを果たした援交らいちだが、今作はよりその特異なキャラクター性を煮詰めた短編集となっている。本来、探偵は謎めいたものであり、その人物の秘するものが色々とあけっぴろげになる性的な物事からは距離を置かれることが多いが、らいちはそんな常識をあざ笑うように簡単に股を開きチンポをしゃぶり抵抗なく誰とでも寝る、究極的なまでに世俗的なキャラクターである。白眉なのは峰不二子のように色仕掛けを武器にしているわけでなく、純粋にカネと享楽のために寝ているという部分だろう。この軽薄さが逆に謎めいた印象を彼女に与えており、また係る事件もどことなく淫靡な雰囲気の漂うエロい事件である。
幕開けからしておっぱいコピー事件と呼ばれるひどい事件から始まるわけだが、この事件も作りは非常に秀逸であり、タイマー設定できない連続コピーが逆に容疑者のアリバイを証明しているというのが素晴らしかった。また時間をたっぷり掛けた理由がバイアグラによるもの=普段は不能であることを解決編のフェラで解き明かしたりするアクロバティックさが良い。一見するとバカミスだが、その実しっかりとした論理に裏打ちされており、推理小説としての満足度は非常に高い。コピーではなくカメラというのは盲点で、容疑者のプロフィールによって明かされていたわけだが、このギミックはなかなかに面白いと思った。
他にもセックス教団の教祖がイカという衝撃的な真相の事件と密室を合わせた短篇などもお気に入りである。しかし触れなくてはいけないのは、最後の赤と、キーパーツとなる橙だろう。最後の最後で上木らいちの正体に迫るわけだが、連作短編の太字の部分を繋ぎ合わせて矛盾を突き合わせて浮かび上がる正体は複数のパターンがありはっきりとしない。つまりはどの色を選ぶかでらいちの正体が確定するというマルチエンディング仕様である。それはさながらUMAの正体に迫るようであり(それを意識したのからいち人間じゃない説もある)またミステリの多重解決ものを利用した落とし方でもあるのだろう。複数人説、老婆説、男説など、正体明かしの時に出てきがちなネタを全部拾っているのが小憎らしい。そして発散に至るわけだが、それも含めて謎めいた印象を保ったままなのが実によかった。
文体も非常に俗っぽくて読みやすいが、あとがきの作者の言葉を読んでなぜ波長が合うかその理由がやっと分かった。作者が好きなのは安部公房とカフカで、これは僕が学生の時に好きだった作家の二巨塔である。一気に読み切ってしまったが、次作の文庫落ちが待ち遠しい。メフィスト賞作家にハマるのは殊能将之依頼かもしれないな。
Posted by ブクログ
もう、この作者は真面目なのか不真面目なのかわからない。援助交際探偵、上木らいちの元にやってくる顧客と謎。
まあこの謎が一筋縄ではいかないのです。エロスとミステリ、あるいはホラーは昔から相性が良いとされてきたがこんな離れ業ありかよ、と言って本を壁に投げつけたくなるレベルである(褒めてます)。
どの謎も魅力的だがどこか抜けていて、眉をひそめたくなる。そんな相反する謎とエロスがこの一冊にはあるのだ。読んで叫ぼう、「アホか」と。
Posted by ブクログ
◯×8に続き、これまた援交探偵という他に類を見ないエロミス。AIと言いエロミスと言い、探偵の設定がぶっ飛んでるんだよね。エロいことしてるだけで描写はないので普通に読める。歯ブラシの色と曜日でそれぞれの客とのちょっとしたミステリー。紫から黄色までは、まあ普通。青は教祖が面白すぎたけどww
それにしても、最終章の種あかしがいくつかに分岐している(?)んだけど、夢オチよりもひどい結末が(選択肢の1つとして)書かれている。橙の話が唐突すぎて理解不能。そんな主人公が◯◯認◯◯◯なんてチートすぎる!シリーズものだと思ってたのに!確かにフォントが違うところと題名に違和感があったけど、そんななんでもありなんて、これまたメフィスト賞らしい本でした。
Posted by ブクログ
すごい。☆5にするか迷った。
エロとミステリーを巧く絡めた一つ一つの短編も悪くないが、やはり本作の見どころはラストの"解決編祭り"だろう。
どの文章を伏線と捉えるかによっていくつもの解答が現れる...アンチミステリとも呼べるかもしれない。
読む度に新しい驚きを与えてくれる、早坂吝さんに感謝。
Posted by ブクログ
全部で七篇の短編集・・なのだが、冒頭から読むことが望ましいだろう。
援交探偵、上木らいちが主人公の本作。
援交相手(客)が関わる不可解な事件を紐解いていく。
さて、なぜ冒頭から読むことが望ましいのか・・それは七篇目を読んでみれば分かるだろう。どんでん返しではない。一篇~六篇が全て伏線になっている。
Posted by ブクログ
変なミステリだなというのが率直な感想だけれども、面白かった。
著者はとても変なお人なんだなぁということがうかがえる。
探偵要素は文句無しなので、援交要素にもっと厚みを持たせよう。
Posted by ブクログ
虹の各色をタイトルに冠した、長め短めいろいろの七つの話が収められた短編集。
一話ごとの「援交探偵」上木らいちの推理と活躍を楽しむのもさることながら、ラストのエピソードで、らいちの正体と謎について展開される怒涛のような論理と検証!?には、脳みそぐちゃぐちゃにかき回されました。
Posted by ブクログ
最高にお下劣なミステリー ただの下ネタバカミスではない挑戦的な良作、援交探偵シリーズ #虹の歯ブラシ
援交を繰り返しながら、様々な事件を解決してく全七編からなるミステリー短編集。援交探偵 上木らいちシリーズ第二弾!
相変わらずの下品さが最高ですね。
様々なタイプの謎をたっぷり詰め込んであって、読んでて飽きず面白いです。紫、緑、赤が好みの作品。やっぱり「変態」って魅力的ですよね。
そして主人公の上木らいちと、買われる男性の方々の人間性描写がお見事。色情まるだしでサイテーですよ。
本作ただのお下劣な本ではありません、ミステリーとしても素晴らしいです。
バカミスぶりに惑わされずちゃんと読めばわかりますが、作者のミステリーへの情熱と研鑽ぶりがしっかり伝わってきます。特に最終章での作品へのこだわりが半端ありません、ここまで整理できているのはちょっとすごいですよ。
作者のチャレンジングで本気度が垣間見れる、本格エロミステリー。超良作ですが若い女性の皆さまや、下ネタが嫌いな人にはおすすめできませんのでご容赦を。
Posted by ブクログ
基本的には完全に下ネタ推理小説。
ふざけまくってるんだけど、いちいち見事などんでん返しでクセになる。
エロ系に抵抗なければ楽しめるかな?
本当に技巧はすごいから、おすすめしたいのだが、薦めにくいシリーズ…。
Posted by ブクログ
上木らいちシリーズ2段目。
著者は設定も内容も、
中々チャレンジングなことをしていると思う。
気楽に読めるけど、
色々な意味で、
なにー!?って思わせてくれます。笑
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
援交探偵・上木らいちが住む高級マンションの自室には、曜日ごとに通ってくる固定客用に虹色の歯ブラシが揃えられている。現場に女性の胸部の死斑変化を記録したカラーコピーが残されていた事件、セックス教団の教祖が密室で殺害された事件…エロい難事件の数々を、らいちがロジックで鮮やかに解き明かす!
Posted by ブクログ
悪い意味ではなく、真剣に読む必要がないかな。
真面目に読んでると「なんじゃそりゃ?」ってなります。
でも読みやすくて面白い。
評価は難しく、厳しめに3にしました。
Posted by ブクログ
よくもまあここまでエロネタを引っ張りながら、本格ミステリとしてまとめようとしたなと。だが最後の2話はあまりに唐突すぎやしないか。取ってつけたような橙の章は調和を乱し、エロもない。