【感想・ネタバレ】紫匂うのレビュー

あらすじ

心極流の達人ながら、凡庸な勤めに留まる蔵太。二人の子供とともに穏やかに暮らす、その妻・澪。すれちがいの暮らしを送る澪の前に、一度だけ契りをかわした男・笙平があらわれる。側用人にまで出世したかつての想い人との再会に、澪の心は揺れる。今、ここで、心のままに生きられたなら――。直木賞作家が描く、人妻の恋。日本人の心が紡ぐ、美しく、哀しき恋。全国17紙に掲載された大人気連載!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

葉室麟らしい清々しい登場人物が出てくる小説。
しかし、その清々しい人物は主人公ではなく、その妻が主人公。

結婚前に一度だけ契りあった、かつての男笙平が江戸を追われて国元に逃げ帰ってくる。笙平をかくまう主人公の澪。若き日の思いを清算しきれずにいる澪と笙平に敵の追手が迫りくるとき、澪の夫蔵太が現れる。武士の矜持と夫としての優しさを体現する蔵太を目の前にして、澪の心が次第におだやかになっていく。

蔵太が理想、修正を行える澪もまた理想。しかし、笙平や彼を追う悪役のようなダークな部分を持って生きているのが現実。であるからこそ、蔵太のほれぼれする生き様を読んで、少しでも彼のように生きていこうと思うのである。

今回も葉室小説に精神を洗われるような気持ちよさを感じた。

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2023年01月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

知恵を働かせようとすれば、迷いは深まるばかりだ。しかし、己にとって最も大切だと思うものを心は寸分違わず知っている、と私は信じておる
わからんこと、迷った事は、我が心に問ばいい。その通りだ、と澪は思った

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2016年12月08日

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