【感想・ネタバレ】星籠の海(下)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

【あらすじ】
織田信長の鉄甲船が忽然と消えたのはなぜか。幕末の老中、阿部正弘が記したと思われる「星籠」とは? 数々の謎を秘めた瀬戸内で、怪事件が連続する。変死体の漂着、カルト団体と死体遺棄事件、不可解な乳児誘拐とその両親を襲う惨禍。すべてが一本の糸で繋がる驚愕の真相を、御手洗潔があぶり出す! 二〇一六年六月四日公開、玉木宏主演映画『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』原作

【感想】

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2017年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻から合わせて一気呵成に読み終えられます。非常に読みやすいです。
小坂井と看護師辰巳洋子の犯した罪、そして巨悪である日東第一教会(統一教会)を御手洗潔が裁くお話。
教会のトップであるネルソン・パクを星籠を使って捉え、胸が空くような結末となります。
ただし、従来の御手洗物でよくある、ミステリーの大仕掛けを御手洗が解き、読者がカタルシスを得られるといったことはないです。
大掛かりの謎はなく、面白いながらも淡々と話は進みます。
ちょっと一風変わった御手洗物です。

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2023年11月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

瀬戸内海に浮かぶ興居島に次々と死体が漂着していると相談を受けた御手洗は、現地に赴き、三方向から潮が出入りするという瀬戸内海の特殊性が鍵になっていると突き止める。
広島県福山市では、看護学科の学生でベビーシッターをしていた辰見洋子が過失によって乳児を殺してしまったため、隠蔽計画を立て、交際関係にあった小坂井に自分の指示に従うよう懇願する。
時を同じくして、福山市立大学助教授の滝沢加奈子は、阿部正弘が黒船用の新兵器を持っていたことを示す資料が発見されたと知る。その資料には「星籠」という文字が記されていたが、知り合いの学芸員や教授ら専門家と議論しても、その意味は皆目見当がつかないのであった。帰り道、滝沢は神に結婚を約束されたと主張するストーカーに襲われる。
事件を調査していた御手洗は、変死体の漂着には、宗教団体である日東第一教会が絡んでいると推理する。そして、一見無関係の乳児失踪、ストーカーとそのカルト団体が結びつき、証拠が揃った時、警察、内閣情報調査室を巻き込んだ包囲網計画を進めることを決断する。カルト団体の代表は、国際手配中のネルソン・パクであったため、抜かりなく取り掛かったが、海へ逃げられてしまう。諦めかけた時、海中から、数百年の時を超えて潜水艦「星籠」が御手洗たちの前に現れた。「星籠」は、爆発によりパクを乗せた船を停止させることに成功したのであった。

相談を受けた事件の規模が予想以上に大きいと理解し、同時進行で発生していた不可解な謎まで持ち前の鋭い洞察力で解決する様は、惚れ惚れするという一言に尽きる。何手も先を読み、頭のキレない者を小馬鹿にするが、自分が受けた事件は解決するまで決して逃さないという熱意は、誰にも負けないものがあるといえよう(例えばパクの逮捕に向けて警察を煽るシーン)。そんな御手洗が、パクを海へ取り逃がし、一か八か星籠の登場に賭けるというのは、地球上を逃げ回っているというパクのしぶとさが凄まじいことを示していると思われるが、クライマックスに数百年と時を超えて、(本でいうと上下合わせて1100ページをめくって、)星籠の出番をもたらすテクニックは待ちに待った読者に最高の興奮をもたらすであろう。
本書は、単純に御手洗の周りで発生した事件を解くというものではなく、同時多発的に発生していた事件が、御手洗によって原因がひとつのカルト団体にあると導かれるという構成になっている。したがって、特に序盤は章が変わる毎に登場人物が変わるため、長々と読み切るには少々根気がいるかもしれない。しかし、瀬戸内海という場で多様な登場人物の複雑な背景知識を理解してこそ、クライマックスの高揚感が得られるようになっていると解すべきであろう。本格ミステリというわけではないが、数々の謎を常人を遥かに凌駕した能力で御手洗が推理する様子に酔いしれたい読者へオススメの書である。

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2018年04月15日

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ネタバレ

上巻で小坂井くんのエピソードにページを費やしていたので、後半のあっさりな出演にちょっと拍子抜けな気もする。千早の部分が衝撃的だったから、最期まで読んだ時に、事件と何も関係ないんかーい!
とちょっとがっくりしてしまった(笑)

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2021年10月24日

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ネタバレ

警察のありえない無能さに目がいき日本の警官もやる気のない人が多くなっているのだろうか?
もう少し積極的に捜査してもいいのに…と思うのはドラマのせい?
小説の中だけにしてほしいもんだ。。
と探偵ものを進んで読んだ事がないからそう思うのかも知れない。

会話が多いので読みやすく、一気読み。
再読するかは保留かな??

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2020年10月24日

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ネタバレ

御手洗潔シリーズ。

推理小説ではなく、犯行を客観的な視点や犯人の支店などから描写していく手法で描かれている。

本筋となるものが2つあり、1つは新興宗教の罪を暴くもので、もう1つは題名にある星籠という江戸時代にあったとされる文献にあるものを探る話。

御手洗シリーズを最初から読んでいる者にとっては、石岡くんと御手洗潔の掛け合いの面白さにも不満があるし、御手洗潔のキャラクターにも何か違和感がある。

どんでん返しがある訳ではないし、何か物足りない感がある。 が、最後に星籠が現代に蘇るり活躍している部分は爽快感があって良かった。

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2016年07月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

御手洗初映画化ということは喜ばしい限りだが、どうしても「小さい」印象。
時間的空間的に広がりを持たせようとしているみたいだが、事件やその見せ方が結局「ご近所さん騒動」になっている。
どうせなら「暗闇坂の~」や「摩天楼の~」といった超弩級を映像化してほしかったものだ。

一休みして映画の公式サイトで予告版を見て。
あちゃーこりゃ駄目じゃないかなー、ミタライとか脳科学者とか石岡不在とか。
それに原作もそうだが、ミステリでも活劇でもなく「観光してる」ようにしか見えない悠々さ。
それにしても島田御大は、どうしてこう運が悪いというか間が悪いというか。
腐女子連への目配せも読者へのサービスもどこか上滑りして、見ていてつらい。エラそうですが。

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2016年04月04日

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