あらすじ
『東海道中膝栗毛』で一世を風靡(ふうび)するのはまだ先のこと。若き日の十返舎一九(じっぺんしゃいっく)、与七郎は平穏な暮らしに満たされず、憑(つ)かれたように旅を繰り返す。駿府から大坂、そして江戸へ。稀代のユーモア作家が心に抱いた暗闇とは何だったのか。意外な結末が深い感動を呼ぶ、直木賞作家渾身の長編小説。
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Posted by ブクログ
それなりの地位につきながらも違和感を感じていた男が本願を果たすまでの物語。日常から離れてみたいという願望は誰でも持つと思います。「こことは違うどこかに行こう。」と呼びかけているような題名に思わず本書を手にしました。最後、夢をかなえたはずの主人公に寂しさが漂っているのが現実的です。