【感想・ネタバレ】目くらましの道 下のレビュー

あらすじ

斧で殺害し、髪の毛ごと頭皮の一部を剥ぐという凄惨な殺人。犯人は次々と犠牲者を増やしていった。元法務大臣、画商、そして盗品の売人。殺害方法はしだいにエスカレートし、三人目は生きているうちに両目を塩酸で焼かれていた。犠牲者に共通するものは? なぜ三人目は目を潰されたのか? 常軌を逸した連続殺人に、ヴァランダーらは振りまわされる。そして四人目の犠牲者は……。犯人の目的はなんなのか。一方、菜の花畑で焼身自殺した少女は、ドミニカ共和国で失踪人として届けられていた。現代社会の病巣を鋭くえぐる、傑作シリーズ。/解説=杉江松恋

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Posted by ブクログ

ネタバレ

スウェーデンの作家ヘニング・マンケルのクルト・ヴァランダーシリーズ第五弾。

夏休みを直前に迎え、バイバとの旅行を楽しみにするヴァランダー。農家から、畑に知らない娘がいるとの通報を受け現場に向かうと、娘はガソリンを浴びヴァランダーの目の前で焼身自殺をする。一方、やり手の元大臣が斧で殺された上、頭皮を持ち去られる事件が発生し。。。

過去作にはない残虐な手口で殺される被害者たち。冒頭の焼身自殺の件はなかなか浮かび上がってこない。
今作は犯人側の視点もあるため、実は早々に誰が犯行を繰り返しているのかわかる。いつものイースタ署の面々の捜査の間に挿入されるため、いかに犯人像がずらされているか等がわかりやすい。
さらにはサスペンス度も増しており、非常にハラハラさせられる。

シリーズ初の上下巻という大作だが、やはりマンケルは読みやすく、サッと読めてしまう。おすすめ。

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2024年12月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

殺人者に感情移入する。その殺人者が主人公を襲う寸前までくる。それを知っているのは殺人者と読者だけだ。こんなスリリングな読書経験をできてよかった。

0
2021年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

うお〜〜
久しぶりに怒涛の一気読み。
上巻で犯人が明かされたにもかかわらず、
最後まで続くこの緊迫感、
とても読ませる下巻だった。

子どもが犠牲になる社会、
どんどん変化し、個人ではどうにもできない世界の動きなどにやりきれなさでいっぱいのヴァランダー。
これは作者自身の悲痛な声でもあるんだろう。
そのことが十分に伝わる作品だった。

細かな部分で言うと、回収されずに終わったあれこれが気になったし(赤いノートの内容、犯人の壮大な殺人計画の結末。結局何がしたかった?)、
ヴァランダーが毎回けっこう危険な目に遭ってる割に
自分ちの危機管理が薄く、ハラハラさせられるのが心臓に悪い。

そしてタイトル、”目くらましの道”がたびたび登場する場面で、ヴァランダーは早い段階で犯人の存在に気づいていた、にもかかわらず、その事実を認めたくなかったあまりあえてその犯罪を(結果的に)引き延ばす道へ入ってしまった、という部分が自分の中ではうまく消化しきれなかった。
まちがった解釈をしているのかな…と
少しモヤモヤ。



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2025年01月08日

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