【感想・ネタバレ】日本統治下の朝鮮 統計と実証研究は何を語るかのレビュー

あらすじ

1910年から1945年まで、帝国日本の植民地となった朝鮮。その統治は、政治的には弾圧、経済的には搾取・貧困化という言葉で語られてきた。日本による統治に多くの問題があったことは確かである。だが、それは果たして「収奪」一色だったのか。その後の韓国の発展、北朝鮮の社会主義による国家建設と繋がりはないのか――。本書は、論点を経済に絞り、実証主義に徹し、日本統治時代の朝鮮の実態と変容を描く。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

韓国とか北朝鮮とか岩波とか朝日みたいなイデオロギーを抜きに、日本帝国の朝鮮経営って実際どうだったのよ!?に答える良書。

てっきり、もっと持ち出しなのかと思ったが、そこまででは無かったのか。
(とはいえ、米軍の爆撃が無かったこともあり、南北朝鮮に残された生産設備、発電設備等々のインフラは巨額だよね)
ただし、移入制限の政治圧力で更なる増産計画にストップがかかる程度には、朝鮮での米の増産は成功していた。朝鮮総督府、産業の育成頑張ってたんだな。


しかし、想像以上に気合い入れて鉱工業開発が進んでいたんだなと。
まさか、独力で化学コンビナートを独自に発展させている方がいたとは思いませんでした。

「戦争が無ければ、戦争経済に取り込まれなければ、更に経済的な発展が出来たっぽいよなあ、これは」というロストフューチャーに触れることが出来ました。

ちと考えれば当たり前だと思うんだけど、こういった一般向けの新書に『北朝鮮も韓国も日本帝国から引き継いだ物は実際多々あるよね』って書くのは/出版するのは関係者大変だったんだろうなと。(タブーでは無くなっても、今度は『ヘイト』扱いされそうだしな。

この著者は『開発経済』の人なので、あとはソフト面(学校教育の普及、近代法の導入等々)の側面からの物が読めれば。(あるのかしら?

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2018年10月27日

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