あらすじ
左近に窮地を救われた縁で、甲府藩に召し抱えられた坂手文左衛門が桜田の上屋敷の修繕を差配すべく、国許から出府してきた。張り切る文左衛門だが、旧知の権八に会うため町に出た際に、手抜きと思しき普請中の建物を見咎め大工たちと悶着を起こす。言い分が認められ、普請はやりなおされることになったのだが、この一件が思わぬ騒動に発展し──。葵一刀流が悪を斬る! 大人気時代シリーズ第十四弾!!
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Posted by ブクログ
続いていた忠臣蔵も終わり、通常運転に戻ったよう。4話の短編集で、各短編は読切で繋がりは無し。剣での活躍は弱目で、全く登場しない短編も有る。
第一話 路地の女侍
細い路地で左近にぶつかった逃走中の侍は女性。この女性を守る商人風の侍を助けたことから、ある藩の争いに巻き込まれる。
第二話 乱れ普請
甲州藩の作事奉行に採用した文左衛門が、江戸の藩屋敷の改修に呼ばれて巻き込まれる事件。町場で不正の普請を指摘した文左衛門に恨みに思った材木屋が、左近の友人の権八まで巻き込んで罠に嵌める。
偶然にも前回読んだ「拵屋銀次郎」での吉宗の若い時(越前葛野藩)に、左近との出会いも出てくる。
第三話 命喰い
元赤穂藩の浪人の恋の物語。恋人が悪辣な悪人達の餌食にされる。浪人の知り合いとして、岩城道場の泰徳が登場するが、活躍は薄い。
第四話 孝の心
ある藩の若い藩主が家出をして、左近に町歩きの指南を求める。死んだと言われた実母探しの為。祖母に知られ、甲州藩に長逗留する。紆余曲折の結果・・。 人情噺で、左近の出自と併せて、ジーンとさせられる。